表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
化け物になろうオンライン~暴食吸血姫の食レポ日記~  作者: 蒼井茜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

567/618

悪趣味な馬車再び

 翌朝のこと、とりあえずひと眠りしようという話になり休息をとった私達は盛大な爆発音で目を覚ました。

 んー、この感覚久しぶり。

 日本だと毎日どこかで爆発してたからなぁ……。


「敵襲ですか」


「みたいねぇ」


 気配に覚えがある、先日取り逃がした蛇の悪魔のものだ。

 あとは……なんかうじゃうじゃいるけど弱い気配、例の近場に大量発生したというゴブリンかしら。


「アリヤ、領主の娘特権を使う事に忌避感は?」


「ありませんが……この街とは別の領地の娘なのでそこまで効力はありませんよ?」


「十分よ、とりあえずその権力とパワーで人を逃がすこと最優先に敵を攻撃、リリエラは避難誘導をして」


「わかりました」


「はい!」


 うん、元気があってよろしい。

 さて……じゃあ私は食い残しを処理しに行くかしらね。

 窓からジャンプで屋根の上に飛び乗り、そしてさらに跳躍。

 それを何度か繰り返して爆発音のもとへとたどり着いた


「んん? 妙な姿ねぇ」


 蛇の悪魔、その前に降り立って気付いたが随分とちぐはぐな姿だ。

 以前投げつけられて食べた腕は再生している、しかしその大きさが異常だ。

 なんというか、昔のホラーゲームに出てきた壁も突き破ってプレイヤーを追いかけてくるタイプの化け物に似ている。

 アンバランスな体型、つまるところ片腕だけが肥大化して地面についているのだ。


「貴様……貴様ぁ!」


「おっと、理性も無くしている?」


「あの時の汚辱! ここで晴らす!」


「ついこの前の事だと思うんだけど、せっかちなのね。別に逃げたりしないし、追いかけるつもりだったからいいけど」


「たかが人間の小娘に負けたなどと、おかげで仲間内では笑いものだ!」


「あー、そうなんだ。でも大丈夫よ」


 トーントーンと軽くステップを踏んでから拳を握って、開いて、もう一度強く握りしめる。


「どうせみんな同じ末路を辿るのだから」


 地面を抉らない程度の威力で飛びかかる。

 迎撃しようとしたのだろう、肥大化した腕で殴りかかってきたがこちらも拳を合わせて対処する。


「ぐぁ!」


「へーい、もういっちょ」


 触れ合った拳は、悪魔のそれだけ砕け散り私は無傷。

 なので勢いそのままに回し蹴りを顎に叩きこんだ。

 ……脳震盪狙いだったんだけど、ちょっと加減間違えて下顎吹っ飛んだけど悪魔相手だからセーフ。


「さーてと、じゃあ上位の悪魔がどこにいて異世界への移動方法を探ろうかしらね」


「がっ!」


「ぬるぽ、じゃ逆よ?」


 喋れないのは重々承知、なので明鏡止水による合一からこの悪魔を主に記憶を抜き取る。

 んー、やっぱり木っ端なのじゃ大した情報持ってないわね。

 けど彼等の根城は分かった。

 やはりというべきか、ゲーム時代で言うところの地獄エリアだ。

 ただそこに行く方法が限られている。


 ゲーム時代は様々な方法、例えばゲート的なもので転移していたがそういう物を作り出せる公爵級はこっちにあまり興味がない様子。

 結果的に下っ端で、地獄でも大したことができない連中、言いかえるならチンピラレベルが転移系の魔法でこっちに来ているのだ。

 恐らくこの転移系の魔法こそが私が求めている、地球に移動するためのものなのだろう。

 もうちょい言うならその雛型。

 これを大規模に、というのがそうなんだと思うけど……こいつの持っている魔法知識じゃ足りないわね。

 パズルのピースが足りないんじゃなくて、ようやく一つ目のピースを見つけた感じだ。


 なおゲートが無いわけではなく、現在悪魔に支配されている地域にはちらほらそういうのがあるらしい。

 強欲の悪魔がこちら側も掌握しようと画策しているため、少数ながら用意されたとのことである。

 が、そこに行くのにどれくらい時間がかかるか……私一人なら日帰りで行けるけど、アリヤとリリエラを連れてとなると数週間の旅になる。

 悪くはないが、時間的猶予を考えると微妙なところだ。


 どうにも地球側とこちら側の時間軸の違いが徐々に無くなってきている。

 最初は一年が一日、というレベルだったのがこっちでのひと月が向こうでは3日くらいになっている。

 これがタイムリミットだろう、時間軸のずれがなくなった瞬間両方の世界が衝突して消える。

 と、なるとだ……足が必要ね。


「今からあなたに酷いことをする。恨んでくれてもいいし、呪ってもいい、けどそれは全て無意味だから従順になることをお勧めするわ」


「なにを!」


 下顎の復活した悪魔が叫ぶが無視、頭を鷲掴みにして脳に指を食い込ませる。

 んーと、こっちがこうで、こっちが……よしっ。


「が、ぎ! がががが!」


 拒否反応が出ているが問題なし、ついでに体外に電気を放出してバチバチっと脳を焼いてあげれば従順なしもべの完成。

 次に手足をちぎり合一の効果を使い因果律を捻じ曲げる。

 彼のもともとの姿、人型だったそれを改竄してイメージした姿にする。


 そう、これがキメラ馬車2号よ!

書影公開されましたー!

この後6時にもう一度Twitterで書影ツイートするからねー。

表紙はフィリアさん、刹那さんゲーム世界の姿。

……まだ人間だった頃で弱点も滅茶苦茶多かった頃とも言う。

誰だ!あんないたいけな美女を化け物に仕立てたやつ!


イラストは茨乃先生!

素敵だ……

色々充実してますので今後のアース・スターさんのツイートも必見ですぞ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ