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化け物になろうオンライン~暴食吸血姫の食レポ日記~  作者: 蒼井茜


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ホウレンソウは大事

「うーむ……」


「どうしました? 難しい顔して、似合わないですよ」


「酷い言い様ね、でも実際少し局面が難しいのよ」


 アリヤの言葉に返しながらも頭はフル回転。

 実際局面としてかなり難しいのだ。

 何がと言われたら何もかもがとしか言いようがない。


「とりあえず悩むよりは行動あるのみか……えーと」


 端末を取り出して祥子さんに電話をかける。

 数秒のコールの後にガチャリと音がした。


「どうしたのせっちゃん、通信は極力避けるように言ってたと思うけど何かあった?」


「えぇ、こちらの情勢が色々立て込んできまして。無血とはいきませんが最小限の被害で済ませる方法が見つかりました。ただそちらのキャパシティだけが問題です」


「言ってみて」


「はい、まずこっちの世界なんですがやはりパワーバランスは化け物に傾いています。生まれ持った力量の違いもありますが、それ以上にゲーム時代で言うお仕置きNPC。つまるところ英雄の不在が大きいですね」


「でしょうね。せっちゃんのブログも見返したけどお仕置きNPCがいたからこその秩序だったわ。それが不在となれば結果は見えてくるわね」


「それからステータス画面の存在。誰でも個々人の力量が見られるというのは想像以上の差別を生みます。結果的に人類の結束力は低下、逆に化け物は強者こそ絶対という形でまとまりつつも弱者を排斥することで戦力の底上げが行われていました」


「なるほど、蠱毒の要領ね。対して人間は迫害される側だったからこそもっと弱い相手がいたら迫害する立場に……悪循環ね」


「で、この世界作って地球にぶつけて相互にダメージを与える計画をしていた神様は日本に亡命しました。元凶はナイ神父なのでぶちのめしてどうぞ」


「既にやってるわ」


「それは上々。で、あとはこちらの生き物を地球にお引っ越しさせる事ができそうな手掛かりを見つけたので許可を求めて連絡しました」


「具体的には?」


「先日祥子さんが殲滅した悪魔の軍勢、あれはこちらの世界のものでした。だから悪魔を捕まえて方法を聞き出せばこちらの世界の住民を丸ごとお引っ越しさせることもできるかなと」


「そうね、場所の確保は必要だけど元化けオン運営が火星のテラフォーミングに成功したから移住は問題ないわ。各国にもその方面で納得させればいいし」


「なるほど、ではこの作戦の目的は異世界の破壊ではなく住民を避難させたうえでの破壊に変更してもいいですか?」


「えぇ、人道的にもその方面で動いてちょうだい。流石に方々から非人道的だと非難の声が上がってきてね……」


 非人道的も何も、これは生存競争なんだから……とため息交じりに愚痴をこぼす祥子さん。

 まぁその通りなんだけど、苦労を知らない人たちは好き勝手をいう物だ。

 世界消滅の危機というのを理解していないのだろうか。

 毎日のようにどこかで世界がピンチだという事を知らず、そしてその対処に私や神様達が駆けずり回っている事実を。

 いっそ公表してやろうかと思ったこともあるけど、祥子さんのお仕事が増えるのでやめておいた。

 業腹だけどね。


「では、目途が立ったらまた連絡します」


「えぇ、そうしてちょうだい。こちらもタイミングを合わせた方がいいから。タイムリミットがあるとはいえそこまで短い物でもないみたいだし、少しくらいなら観光してきてもいいわよ?」


「愛する奥さんに仕事押し付けて遊ぶというのは気が引けるので早く帰りますね、ハニー?」


「だったらさっさと帰ってきてお仕事手伝ってねハニー? そろそろ手が回らなくなりそうだから」


「えぇ、お任せを。ちなみに愛しの我が子達はどうしてますか?」


「幼稚園でガキ大将やってるわ。兄妹そろって元気だけど、元気すぎて幼稚園に侵入した変態を片手間に半殺しにしてるくらいにはね」


「はははっ、いざとなったらうちのお母さんにアドバイス求めるといいですよ。なにせ伊皿木兄妹を育て上げて躾もしっかりした人ですから」


「そうね、そっちを頼ってみるわ。じゃあまたね、せっちゃん」


「はい、ではまた。祥子さん」


 はぁー、電話を切るのが名残惜しい。

 けど時間をとらせるのはそれ以上に気が引けるから大人しく電話を切った。


「はい、という事で目標は変更せず悪魔どもをぶちのめしに行きます。何か反対意見や質問がある人」


「はい!」


 ビシッと手を挙げたのはリリエラだった。


「第二婦人の立場を所望します!」


「却下します」


 色欲の悪魔なら辰兄さんあてがっておこうかしら。

 あるいは普通に公安関係で恋愛でもしてもらうか、さもなくばうちで囲い込むか……まぁ私以外と恋愛してねという感じで。

 あ、祥子さんに手を出したらぶっ飛ばす。


「では」


「はい、アリヤ」


「その道具はいったい……と言いますか、今はどなたとお話を?」


「私の愛する妻よ。内容聞いてたらわかると思ったけど……」


「いえ、あなたが本当に結婚しているという事に驚きました……」


 なかなか言うじゃない。

 まぁ、実際数年前の私に祥子さんと結婚して子供ができますよと言っても冗談としか思わなかったでしょうけどね。

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