尾行
送れました(;^ω^)
ウェイトレスをしている悪魔を見張ることになった。
うん、アリヤの意見でしばらく酒場で時間を潰しつつ、その行動を確認する。
やはり怪しい所は見当たらない。
特に聞き耳を立てている様子もなければ料理に細工をするようなこともしていない。
可能性としてはスパイかなと思っていたけど、もしかしたらただ人間に紛れて暮らしている温和な悪魔という可能性も出てきた。
もう放置していいんじゃないかなと思ったし、アリヤにも伝えたんだけど却下されてしまった……。
悪魔くらい日本なら石を投げたらぶつかるくらいいるのに。
「で、こうしてコソコソ尾行するのね」
「当然です」
「だったらもっと気配の消し方覚えなさいな。それと殺気を抑える」
「う……」
「アリヤは細かいこと苦手なのわかっているけど、それでも技術は必要よ。これを機会に覚えなさい、ほら真似して」
目の前で気配を消していく。
徐々に、ゆっくりと気配が薄くなっていく。
そして一定の段階に来たところでアリヤが私を見失った。
「え、あれ?」
「気配察知も下手と、明日から特訓追加ね」
「あの、お聞きしますが特訓の内容って……」
「敵集団の中で気配消してる私を見つけ出すこと。そして捕まえる事。大丈夫よ、最近ゴブリンが大量発生したって言ってたから訓練には困らないわ」
酒場でそんな話を聞いたので訓練にはちょうどいいかなと思ったの。
もともとは対多数相手にと思っていたんだけど、思わぬ副産物ね。
「ちなみに私にうっかり攻撃を当てた場合はもっと危険な訓練になります」
「……やだぁ!」
「駄々をこねない!」
「やだやだやだぁ! そんな訓練してたら死んじゃうよぉ……」
アリヤが壊れた……思えば最近、主に魔剣を手に入れてからは厳しく育ててきたからね。
そろそろメンタルも限界だったか。
しかしまぁ、今は尾行の最中なわけでして……。
「あのぉ、何か御用でしょうか……」
「ん? あぁごめんなさいね、私じゃなくてこの子があなたに用があったんだけど、見ての通り今心が折れてるの」
悪魔っ子に気づかれたわけだ。
「はぁ、代わりにご用件をうかがっても?」
「えぇ、いいわよ。なんで人間の街に悪魔がいるのかなって思って後を付けようって話になったの」
私がその事を伝えた瞬間だった。
悪魔っ子が私の胸に触れ、直後に顔面の穴という穴から血を噴き出した。
「カフッ……」
「ちょっ、なになに⁉ どうしたのよ!」
「なんで……効かないの……」
「え? あぁ、もしかしてドレイン使った? あれ格上に使うとダメージ受けるからやめた方がいいわよ?」
「人間が悪魔より格上……? 冗談もほどほどにしてください!」
「いや、あなた悪魔の中でも弱い方でしょ。爵位も持っていない一兵卒くらいの実力。デコピンで倒せるレベルじゃないかしら」
「そんな……あぁ、私は死ぬんですか……?」
「いや別に、何も悪い事していないなら放置するけど? あ、でもおっぱい触られたことには文句言わせてもらうわよ。これでも人妻なんだからね!」
「えぇ……?」
なんかドン引きされてる。
何を想像しているかはわからないけど、失礼な事考えていそうだなというのは分かったのでにっこりと微笑んで殺気をぶつけた。
と言っても軽めのもので、日本じゃ居酒屋の喧嘩でポンポン撃たれるレベルの物だけど。
「きゅう……」
「ひぃ……」
アリヤ巻き込まれてるし。
しかも二人とも気絶している!
どうしろっていうのよこの状況!
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原稿作業たのちぃ




