ファイルナンバーEX4:伊皿木一会
ファイルナンバーEX4:伊皿木一会
執筆者:【削除済み】
本案件はEXナンバーの中でも最重要機密とするため執筆者の名を記載しない。
【普通に使用したPCから名前が載っていたので削除しておいた】
配慮に感謝する。
当該ナンバーの異常性は他ナンバーと比べても下位である。
特殊な格闘技を用いる他、微量の霊能力を確認。
しかし他ナンバーと比べて霊能力はかなり低く、一般人も有しているレベルと判明。
格闘技そのものは相手を確実に殺すような技ばかりであり、武道よりは武術の類と思われる。
起源は不明だが、150㎝台の身長、40㎏台の当該ナンバーが2mを超える関取を投げる映像があるので別途確認されたし。
この動画を見るに関節技を利用した投げ技への派生などがみられるが、同時にそれ以外の技術も使用されていると思われる。
詳細は不明だが被検体を相手に最も危険な技を、と所望したところ拳で軽く触れただけで血を噴き死にかけた被検体だったが、再び拳で軽く触れた瞬間全ての異常値が修正された。
データの結果血流が一時的に逆転したと思われる。
後遺症が残ったようだが半年のリハビリで治るそうだ。
なお、それがEXナンバー基準でないことを祈るばかりである。
【非人道的な実験の許可は出していない】
【事後承認は今後認めず、責任問題とする】
承知いたしました。
当該ナンバーの異常性を確認するにあたって重要なポイントが一つある。
あれほどの格闘技ならば反動も相応だろう、そう考えた結果ナンバー1と同等かそれに準じる回復能力、あるいはナンバー3並の頑強性を持っている可能性を考えた。
まず当該ナンバーに話を聞いたところ、そのような物は無いという回答が返ってきた。
曰く、トラックが突っ込んできたら避けなければ死ぬし、刺されたらさすがに不味いとのこと。
また怪我の治りも常人よりは早いがそれだけだという。
EXナンバーの有する「超回復」とやらも燃費が悪く使いたがらないことからこの辺りは確実だろう。
以下、統合後の事例について。
ゲームなどは嗜む程度に、またリアルの技術を利用できるように人間系統の種族ばかりを選びRFBを使用していたためレベルなどの恩恵を得られていない「変異型人間種」に分類される。
その特徴は「統合前の人類よりははるかに頑強」、しかし「肉体の脆弱性や既存の病気、毒物への耐性、攻撃力などに乏しい器用貧乏」である。
そのため一部の暴徒に誘拐まがいの行為を働かれることも少なくないが、概算でも統合前の人類が戦術兵器を持ち出してようやく対処できるレベルの相手に素手で勝利を収めている姿が街頭カメラにて確認された。
またその戦闘方法からサバイバル能力の高さの他に多数の技術を確認、おそらくは相当な鍛錬の末に手に入れたものと思われる。
確認されたのは以下の物。
・武器の現地調達
近場の群衆から武器を拝借しての戦闘を確認
いわゆるスリ行為だが、その精度によりとられた本人は返されるまで気づかなかった模様
多種多様な武器を使い分けていたことから独自流派以外の経験もしていると思われる
・隠密能力
身を隠すだけでなく気配を周囲に溶け込ませるなどの技術が見られた
ナンバー3の持つ能力に類似、今後経過観察を行う
・毒物の判別
いわゆる反社会的勢力との抗争に巻き込まれた際身を潜めていたが、食料調達はその場に生えているキノコなどで行っていた模様
その際に有毒無毒を確かめるために様々な方法を使ったとみられるが、主に口内に含んで結果判別をしたと思われる痕跡があった
・武器制作
落ちていた石やアスファルトの欠片から武器の生成を確認
スキルや魔法とは違う、削り合わせて作るタイプのものである
以上の事から遠方での単独任務も可能と考えられる。
上層部に一考を求める。
【申請を却下する】
戦闘力以外に置いて特筆するべきはその処理能力である。
統合前から並外れた能力を有していたが、統合後は一層磨きがかかっていると言わざるを得ない。
この点に関してはナンバー5と比肩するが、逆に言えば他ナンバーよりさらに上位にいると考えられる。
端的に言うならば化け物レベルであり、国立図書館の蔵書を全て暗記、また同等のファイルが置かれていた公安のデータベースを整理したうえでどこに何があるか、何ページにどのような記載がされているかといった情報まで記憶していた。
結果的に公安の仕事が効率化されたため今後もこの能力を生かしてほしいと思う。
敵にするには厄介だが、味方にすると頼もしい、だがその持ち前の性格からパワハラ気味になってしまうのが欠点だろう。
顔もスタイルもいいのに悔やまれるところである。
【執筆者は覚悟するように】
【誰がこのレポートを管理していると思っているのかしら?】
【顔とスタイルだけの女と言いたいのなら面と向かって言えばいいじゃない】
【努力を怠るような輩が人様の陰口なんて情けないと思わないの?】
【とりあえずこれから一発殴りに行くわね、右正太郎さん?】
反省しております誠に申し訳ありませ……『内容はここで途切れている』




