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化け物になろうオンライン~暴食吸血姫の食レポ日記~  作者: 蒼井茜


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異世界召喚は違法です

「よくぞ参られた、勇者たちよ」


 そんな言葉と共に私と、高校の制服を着た人達は並べられた。

 気が付いたら光に飲まれてこのような場所に……端的に言えば魔法陣が描かれた妙な部屋にいたのである。

 あー、これはあれね、最近世界各地で発生している事件だわ。


「我らアリアン王国は貴殿らの来訪を歓迎する」


 何やら偉そうな人が白いローブ姿で演説しているが無視。

 周囲の高校生たちはきょろきょろとあたりを見渡している。

 私は渡されていた端末のGPS機能で位置を確認。

 よし、機能しているからここは地球だ。

 異世界だったら面倒だったけど、これなら簡単に帰れるわ。


「これより貴殿らの能力をはからせてもらうが……そこの女! 何をしている!」


「ちょっと黙ってて、忙しいの」


 端末をポチポチ……祥子さんにメールを送信してっと。

 これでよし、後はなるようになれという事で。


「勝手な事をするな! 貴様らには隷属の魔術がかけられているのだぞ!」


 そう叫ぶと同時に男性の手が光り、私の首に黒い痣が浮かび上がった。

 ぎりぎりと締め付けられる感じがする。


「鬱陶しいわね」


 が、邪魔なので弾く。

 この程度なら首の筋肉だけで十分だ。


「なっ!」


「えーと、現在国際法666条における転移魔法による拉致事件、ならびに隷属魔法による拘束行為を確認しました。日本国国家公安委員会として対処させていただきます」


「この女を殺せ!」


 槍を持った兵士たちが私を取り囲み、学生たちを遠ざける。

 拒否しようとした子は魔法で首を締めあげられ、苦しんでいる間に引きずられていた。

 酷いことをするわね……。


「暴力行為を確認、それとこれは殺人未遂ね」


 突きつけられた槍を掴み、そのままぐにゃりと曲げる。

 あら脆い、鉄にしてもこれは相当粗悪な代物だわ。


「10秒待ちます。その間に兵をひき、学生たちを解放しなければ実力行使にうつります」


 宣言して、目を閉じる。


「やってしまえ!」


 チクチクと身体に刺さる槍先、くすぐったいわねぇ。

 どうせなら祥子さんに突かれたいものだけど、そうもいかないのが悲しい所。

 伊皿木家の結婚条件とか、同性婚の法律とか色々緩和されてそろそろ結婚しましょうよーって言ってるのにのらりくらりとはぐらかされてる現状にやきもきしているというのに。


「はい、10秒。では排除します」


 とりあえず近くにいた人の腕を掴み、振り回す。

 ふっ、鎧を着た人間というのは強力な武器になるのだよ。

 なにせ重量があるし、壊れても補充できるし、とにかく使い勝手がいい。

 そしていらなくなれば投げ捨てられる。


「はい、これで終わり。次はっと」


 学生たちに向き直るとなぜか怯えられる。

 そんなに酷い事していないんだけど……あ、返り血が原因か。

 つまりこの人達が悪い!


「まったく、あなた達のせいで怯えられちゃったじゃない」


「いや、お前のせいだろ!」


 視界の端で首を縦に振る学生たちがいたが、視線を向けたらぴたりと止んだので気のせいね。

 乱視かしら、最近目を酷使しているからなぁ。

 とりあえず仕掛けられた隷属魔法は見えている。

 たしかに命令に従わないと首が締まる類の呪いね。

 だけど呪いなら伊皿木家の十八番。


「急急如律令」


 命令一つでそれは霧散して、学生たちは自由を取り戻した。


「あとは……えーと、こうだったかな」


 地面に描かれた魔法陣を見て内容を読み取り、以前ルルイエさんに封印してもらった時の事を思い出す。

 魔力の扱いは慣れてないのよねぇ。

 化けオンでも魔法はあまり使ってなかったから特に苦手な分野だけど、この程度なら軽いものだわ。


「ぽーいっと」


 学生たちを魔法陣の中に投げ込み、そして召喚魔法を反転させる。

 いわば送還魔法といったところかしら。


「さて、青少年に不健全な光景を見せるわけにもいかないから手加減していたけど……もう必要ないわね」


「ふ、ふざけるな! なんてことをしてくれた! というか十分不健全だ!」


「虫の息だけどまだ生きている。だからセーフよ」


「いや、アウトっすよ刹那さん」


「あ、ゲリさん来た」


 ぴかっと光った魔法陣から子竜化ゲリさん登場。

 うむうむ、私の出番はもう終わりか。


「じゃ、私はサクッと関係者締めあげて諸々聞かせてもらうから交渉はよろしく。あ、こいつは連れていくから」


「うい、いつも通り威嚇はこちらでしますんで任せます」


 そう言って飛び出し、子竜化を解除して炎を吐き出すゲリさん。

 突然現れたドラゴンに国は大混乱だろう。

 しかも相当怒っているように見えるともなれば当然である。

 そしてそれに周囲が驚いている隙にお偉いさんらしき白ローブの男のみぞおちに拳を叩きこみ気絶させ……やべっ、やり過ぎた、もう一発殴って心臓を動かして、そして地面の魔法陣を木っ端みじんに叩き壊してからドアを開ける。

 やはり建物の中だったか。

 目指すは最上階か、あるいは謁見の間みたいなところね。


 世界の統合からもうすぐ1年、召喚魔法という名の拉致事件が多発し、世界各国で国際的に召喚魔法を禁止する法案が制定。

 各国の要人はそれを防ぐための道具を用意され、逆に私や辰兄さんといった局所戦力と呼ばれる存在は召喚魔法に必ず巻き込まれる道具の着用を義務とされた。

 危険も多いけど、お金払いがいいのよねぇ。

 たまに異世界に呼ばれるけど魔法をかけられた端末を用意してあるので、異世界からでも電話ができるのは便利。

 自力で帰れるけど、周囲の人も一緒にとなるとなかなか面倒なのでルルイエさん達に迎えに来てもらっている。


 異世界カオス、そこに住む面々や、地球に拠点を持つフィリップスさんなどに手伝ってもらい地球への帰還を助けてもらっているのだ。

 そして召喚に巻き込まれた私達局所戦力のやることは多くない。

 攫われた人達の保護、現場にいた人へのお説教と罪状の陳列、必要なら戦力の排除と抗議。

 まぁお役所仕事をいろいろ省いた結果である。


 まだまだ肥大化を続ける地球、新たな名をガイアと呼ぶようになり、それは世界の名前となった。

 うん、あのね、地球と同じ速度で同じ軌跡を動く星がいくつかできたのよ。

 こう、どんどん異世界と地球が併合されていく感じでね。

 問題も鼠算で増えていくので対処が忙しい。

 なので、この手の事件も増えてきたのでなりふり構わず力業でどうにかするようになった。


「ちわー、日本から拉致されてきたので抗議に来ましたー」


 白ローブを連れてでかい扉を蹴り壊し、中に入り宣言する。

 さて、これからお偉いさんたちを締め上げて、搾り取れるものを搾り取って、あとはゲリさんに任せて私も日本に帰るか。

 スピード解決、それが私のモットーであり、残業をしないコツだ。

 ……辰兄さんは国を傾けてから帰ってくるんだけどね。

 こう、性癖捻じ曲げたりハーレムメンバー増やしたりしてから。

 この1年で3000回以上刺されているのにまだ懲りないのかしらねぇ、あの人は。

謝罪文

この度、感想返信が非常に遅れていることにお詫び申し上げます。

5日間10万文字チャレンジでキーボード逝った。

もしかしたらこのまま返信できないかもしれません。

その時はPCの前で土下座するので許して……許して?

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― 新着の感想 ―
[一言] 1日に平均8回も刺されるのはある意味すごいw
[一言] 勇者召喚に悪魔が入ってくるなよ でも召喚(誘拐)もダメだし隷属魔法はもっとダメだから見逃す 大変非常に誠に遺憾ながら見逃す
[気になる点] >5日間10万文字チャレンジでキーボード逝った むしろ作者様の指が逝ってないか心配になるレベル
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