色々再び!
そんなこんなで帰宅したわけだけど、うずめさんとクリスちゃん、そしてフレイヤさんは出かけていた。
三人ともどこかに行くときは必ず連絡するか、置手紙残していくのにそれらは全くなし。
珍しい事もあったもんね。
ともあれVOTを確認すると中では私が眠っていた。
うーん、これは見事なすやすや。
「マヨヒガちゃん、何か変化とか異常はあった?」
『いいえ、現在こちらに滞在しているお三方が同時刻にどこかから連絡を受けてお出かけになった以外はありません』
「ふーむ……というか私ってわかる?」
『はい、姿形は違えど魂は同じですから。そこから生まれた私がお母さんを間違えるはずがありません』
なんていい子なのかしら……。
ん、というか連絡?
「まった、どこからの連絡だったの」
『不明です。こちらでも探知できない場所でした。そしてもう一件』
「まだ何かあるのね」
『はい、皆さんナイ神父という方からの連絡も受けていました』
……面倒事確定!
「マヨヒガちゃん! 戸締り厳守! それと3人が帰ってきたら全身消毒消臭! それからえーとえーと……」
「まずはこっちのせっちゃんどうにかしたら?」
「そう! それ! VOTをあけて!」
『委細承知いたしました。ですが……』
「何か問題があるのかしら」
『いえ、何者かにロックされているらしく電子的な方法では開けません。また物理的な方法を使うとお母さんの命にかかわるかと』
「せっちゃんの命に係わるって私達も巻き込まれない?」
『祥子さんのご心配はごもっともですが、我々の感覚では理解できない類の力によるものです。お母さんが異能と呼ぶ類の力、そのさらに上位に当たる類の物でしょう』
「上位……」
『大仰な言い方をするならば天罰、などの部類でしょうか。人ならざる者、定命ならざる者による一撃とでも呼ぶべきものでして』
「そーい」
なんか長くなりそうだったからこじ開けた。
いや、呪いとかの類なら平気でしょうし、天罰くらうほど悪い事してないもん。
それにいざとなったら祥子さん抱えて逃げるくらいはできる。
マヨヒガちゃんはコアとも呼ぶべきものがあるけど、それはインターネットの海を自在に泳ぎ回ってるから。
「ちょっ、せっちゃん!」
「む……そこっ!」
何かの気配を感じて手を伸ばし、捕まえる。
祥子さんは驚いたときの顔も可愛いわねぇ……。
しかし、これなにかしら。
「なにそれ……」
恐る恐ると言った様子でのぞき込んできたので捕まえた物体を見せる。
ビチビチと蠢く様相はなめくじのようであり、大きさはカブトムシくらいなんだけど大きくなったり小さくなったりしている。
そして真っ黒で、目と口が生えたり消えたりしていて……強力な呪いみたいな気配がある。
ただ呪いとはちょっと違う……ルルイエさんがやっていた封印に近い感じのそれだ。
つまり魔法。
「ひっ……なにこれこわいやだぁ……」
あ、よわよわになっちゃった。
最近パニックホラーもダメになってきたからなぁ、祥子さん。
そのうちコズミックもダメになるのかしら。
「はいはい、大丈夫ですよー。今処分しちゃいますからねー」
パクリ、もしゃもしゃ、ゴクン、はい処理完了。
ちょっと抵抗されたけど問題なく完食。
味は酷いものだわ、肥料の方がましね。
「はい、奇麗さっぱり」
「もういない……? 大丈夫……? こわくない……?」
「だいじょーぶですよー。ほーら抱っこしてあげますから」
「うぅ……」
きゅっと抱き着いてくる祥子さん。
……この人やっぱりあざといわ。
「ん?」
ドクンッと、胸の内で何かがはねた気がした。
同時に額からの流血……これ覚えがあるわ。
額に手を持っていくと鋭い何か。
……ですよねー、これ鬼の角だーはっはっはっ!
また封印かぁ、今度は自力でやるか。
その前にもとの身体に戻ることが先決ね。
やーっとよわよわ祥子さん出せたぜ!




