絶対エロ同人誌に出演できない女vsエロ展開も書いてみたい作者
作者の初手投了です。
「うーん、飽きてきた」
ぼりぼりもちゃもちゃと触手を食べながら階段を昇る。
エレベーター乗ったらロープ切られて、安全装置もぶち壊されて盛大に地面に激突したのよね。
結構痛かったけどさ、仕方なしに階段昇ってる。
こんな事ならもっと頑丈な靴履いて来ればよかったわ、普通の運動靴だから壁のぼりとかできないのよね。
いや、できなくもないけど帰りは素足になっちゃうからさ。
服はちゃんと特注の頑丈なの着てきたけど、あの触手についてる刃には無意味っぽい。
大気圏突入しても無傷で、岩山転げ落ちたって破れない代物、戦場で銃弾を浴び斬撃を受けても女性らしさを保てる素敵な機能美を供えているんだけどなぁ、あっさり切り裂かれちゃった。
動きやすいようにズボンできたんだけど、片足だけ短パンみたいになってる。
いやー、足ごとぶった切られた時はさすがに驚いたけど切り口が奇麗だったからすぐにつながってよかった。
「っと、また敵さんかしら」
なんかリアルダンジョンを踏破している気分になる。
5の倍数ごとに敵が出てくるんだけど、大体触手。
甘かったりしょっぱかったりと楽しみではあるんだけど、流石に食べ飽きた。
最初の部屋で100体前後、落とされた先でさらに500体ほど、そしてここに来るまで80階は登って、都度100体はいたから1600体ほどかな。
合計で2200体か……まぁ普段家畜でやろうとしたら怒られるからやらないけど、これだけ食べると飽きるわねさすがに。
「まぁ食べるけどさ」
真空の刃を飛ばして一刀両断して、地面に落ちる前に触手をキャッチ、流れ続ける体液を飲み干してからイカのように食べていく。
美味しいのは相変わらずなんだけどなぁ……とかやってたらここが最上階みたい。
上に続く階段がないのでドアを開けてと。
「待ってましたよ、新人さん」
「……?」
きょろきょろと周囲を見渡す。
おっと、触手の体液が飛び散った。
なんか目の前に制服姿の女子生徒が……今時制服って珍しいわね、VOT通学が一般的になったから一般的にコスプレ衣装くらいでしか存在していないと思ってた。
けどあれは生地からして違うわね。
ちゃんとした、私くらいの世代が通学を経験してその時着ていたものと同じ本物の制服だ。
「あなたよ!」
「あ、私? ぶっちゃけ配信者になるのはともかく、ナイ神父に騙されて、その上で契約書き換えのためにいやいや登ってきたようなもんなんですけどね」
「……その割にはノリノリだったように見えるけど?」
「え? カメラなんてなかったですよね。視線を感じる事はあったけど触手のいた方向からちょいちょいあったかなくらいですし」
「よくもまぁ……あれだけ暴れてるのに周囲確認する余裕あるわね」
「むしろ退屈でした」
「くっ……ならこれならどう!」
ぱぁんと彼女が手を叩くと甘い香りが周囲に充満した。
同時に齧っていた触手が砂糖菓子のように甘ったるくなる。
おぉ、いい味変。
「ふっ、私の異能は自身の周囲50mにある死体から毒を発すること! 今回は特別に媚薬にしておいてあげたわ、死ぬほど恥ずかしい目にあいたくなければさっさと帰りなさい」
「ふぇ? ごくん、何か言いました?」
触手が急に美味しくなったのでモリモリ食べてて聞いてなかった。
いや、しかし美味しいなこの味。
甘い香りって言うのもそんなに好きじゃなかったけど、これは何て言うのかしら……祥子さんの匂いに似ていて結構好き。
「ちょっ、馬鹿! 吐き出しなさい! 流石にそれを丸々食べるのは致死量よ!」
「え? 美味しいのに……もったいないじゃないですか、よければおひとつどうぞ?」
「いらない! いらないから近づけないひゃんっ」
あれ、触手近づけたら顔真っ赤にして倒れちゃった。
うーん……このまま放置しておくのもあれだけど、事務所らしいから大丈夫よね。
ごめんね、今ジャケットとか貸せないんだ、触手にぶった切られて上半身はへそ出しスタイルだから。
今度会った時に何かご馳走して許してもらおう。
とりあえず手作りのバター大量にぶち込んだチャーハンでいいかな。




