エルフ逃げて超逃げて
「んで? ここなんすか?」
死に戻りしたゲリさんが再び学校まで戻ってきた。
子竜化している状態では女子生徒のおもちゃである。
うーむ、この光景スクショしてブログにアップしたら大騒動になりそうね。
「魔法を教えてくれる学校、窓の外でゲリさんが死んだのは私の魔法見せろってそこのおもらしわんこが吠えたから」
「ははぁ……そりゃまた命知らずな」
「さすがにこんな小さな子を殺めるような真似はしないわよ?」
「そりゃそうか」
「襲ってこなければ」
「………………え?」
「おっと、リアルの出来事だから忘れてちょうだい。それよりゲリさんも実践講習に参加したら? 私は基本的に回避でやってたけど、ゲリさんなら受ける事もできるんじゃない?」
さすがにね、現実で色々あったことを話したら問題になりそうだから。
ブログ用の動画もここはカットしておきましょう。
あの時は……今思い返しても心が痛むわ。
「俺としてはかまわないんすけど……大丈夫なんすか?」
「なにが? ゲリさんが受け止め切れるかと言われたら余裕でしょうし、生徒たちに被害が出ないかって言ったら攻撃しなければいいだけだから」
「大丈夫って……」
「少なくともゲリさんが即死するようなことはないわよ」
「俺、さっき流れ弾で死んだっぽいんですけど?」
「威力的には大したことなかったから私が弾いたせいで加速がついたんじゃない?」
「あぁ……なるほど」
キルログには私の攻撃で落としたってことになってるし、たぶんそういうことなんでしょ。
よくわからないけど。
んー、でも考えてみると今までもリアルでそういうこと結構あったな。
戦車砲から撃ちだされた砲弾蹴り飛ばして航空機撃墜したり、巡航ミサイル投げ返して戦艦沈めたり、ロケットランチャー撃たれたから軌道をそらしたら円盤型の飛行物体にあたって墜落させてしまったりと色々。
加速がついた攻撃って結構厄介なのよね……うずめさんとクリスちゃんくらいしかできる人知らないけど。
一会ちゃんはさすがに質量が大きすぎると無理だとかで、銃弾が精いっぱいだとか。
縁ちゃんはできるでしょうけど、本人が出不精だからそういった危険地帯にはいかないでしょうね。
「それで、俺はその実践講習とやらに参加すりゃいいんすかね。報酬とか出るの?」
「せんせー、どうなのその辺」
「問題ない。この学校の特産品である黄金の林檎をあげようじゃないか」
「特産品? たしかに聞いたことないな……」
「軽く調べたが食べると肉体のポテンシャルが跳ね上がるようだ」
「お、バフアイテムか。そりゃいいな……いざという時に使える。でも性能試したいから試食させてもらえるか?」
「構わん。というよりも収穫した瞬間から次々と実がなるのでな、100個くらい用意しよう」
……なにやら先生の表情が怪しい。
これ絶対裏があるわ。
そして裏だけじゃなくて深淵もあるわ。
「ねぇ、さっきの話だけど本当なの?」
「本当だとも」
適当な女子生徒に抱えられて広場に向かっていったゲリさんを尻目に話しかける。
その表情はもう、なんともキラキラしていた。
「まぁ基本的にポテンシャルが上がる反動で死ぬということをうっかり伝え忘れてしまっただけだ」
「やっぱり……」
「ついでに先ほど入った報告だが近くにあるエルフが住む森の一部が枯れた。この調子だと集落も危ないかもしれないな」
「それって……」
「うむ、林檎を収穫するたびに実がなる。木になっている数に変化がなく一定数を保っている事から収穫に応じて近辺から栄養を吸収しているのだろう」
「……収穫、辞めた方がよくない?」
「なに、森など再び再生するのを待てばいい。エルフの寿命であればその程度問題ないだろう」
酷いマッドサイエンティストだわ……。
「ならせめてこれ、エルフの森に撒いてあげなさい」
「これは?」
「繁殖力の強い植物の種。地獄の鬼も泣き叫ぶ繁殖力だってよ」
ベルゼブブの宝物庫にあったものの一つ。
ぶっちゃけ使い道ないなーとか思ってて、どこかで菜園している人がいたら分けてあげようと思っていた物体。
フレーバーテキストによると竹とミントから作り出した超速成長超速増殖が売りの植物だとか。
まぁ……竹ならエルフも住みやすいんじゃないかしらね。
刹那さんがいる戦場は、リアルシンフォギア4期1話みたいなもんだと思ってください。




