カロリーの暴力(致死量)
今回は短い話です、助走だと思って
さて、助けを求めたけど数はそろわず、しかし質が格段に上がった。
私がもう一人いるとすれば……勝機というにはあれだけど、できる事は増える。
当面やるべきことは……。
「20分、いいえ15分でいいわ。この砦を守ってもらえる?」
「自由、につなが、らない」
「私が自由に動くための条件がそれなのよ」
残り10分で私のペナルティは解ける。
もっともペナルティを抱えたまま出撃することもできるけれど、正直それでは無理がある。
このアバターはRFBで私の実力をある程度発揮することができるとはいえ、それでも全力の6割程度。
それ以上の力を出せば壊れるという感覚がある。
少なくともペナルティを抱えたままそんな戦いはできない。
なによりね、お腹がすいたの!
リアルカロリーが足りないの!
これだと自爆したりビーム撃ったりすると餓死する! リアルで!
「承、知」
「任せたわよ」
返事を聞いてからは一方的に頼み込んで最小限の動きでログアウト、10分間ログインできないという制限がかかるが無視!
その時間は穢れた英雄が稼いでくれる!
「マヨヒガちゃん! 大至急ご飯を用意して! カロリー最優先! 次に味と量!」
『はい、10分ください』
「ごめんだけど5分でお願い」
『わかりました。コース形式にして5分で前菜を用意します。食べている間……10秒ごとに料理を追加します』
「お願い!」
あとは……おやつ!
部屋中をひっくり返して食べられる物を全部取り出す。
カロリーバーが30ダース……美味しいけど喉が渇いたのでコーラ2リットルボトル7本がぶ飲み!
ポテチ50袋……足りない!
クッキーにビスケットの缶17個!
喉乾いた! ジュース!
ひたすら食べる! 目についた食べ物は全部! サボテン美味しい!
『用意ができました。リビングへどうぞ』
「待ってました!」
つまみ食いをしている間にマヨヒガちゃんの用意してくれた御飯を目指してリビングへ。
『前菜、マヨネーズと牛脂でツナとキュウリとゆで卵、そしてアーモンドを和えました』
「いただきます!」
見た目換算8㎏、前菜というだけあって少な目だけど10秒ごとに出てくる料理を食べるならばちょうどいい。
『食前酒の代りに自家製の梅ジュースです』
「ありがとう」
ジョッキで食前ジュースとは気が利いている。
さっぱりした梅の風味とこってりした黒糖の甘味が口の中に広がって食欲を増進してくれる。
たまらないわ……はっ、浸っている場合じゃなかった。
お箸を手に取って前菜を口に運ぶ。
……これは、いいカロリー爆弾!
マヨネーズと牛脂、そこにツナとゆで卵でコッテコテになっているけれどキュウリのおかげで手が止まらない。
そこに襲い来るアーモンドの香りがまたたまらないわ……。
モサモサしているツナ、とろりとした半熟のゆで卵にポリポリというキュウリ、たまに紛れてくるカリッとした食感も面白い。
『スープにはバターをふんだんに使ったコーンスープです。カロリーを底上げするためにバターと砂糖を大量に使いました。その分塩も増しているのでカロリーは相当高いものになっています』
「ありがとう、パーフェクトよ」
『続けて魚は……』
こうして私は、ひたすらマヨヒガちゃんの作った料理に舌鼓を打ち続けた。
カロリー摂取のためとはいえ、早食いになってしまったのはちょっと惜しかったわ。
今度しっかり味わって食べられる状況で美味しくいただきましょう。
さぁ、準備はできた……派手に暴れるわよ!
祝、右腕完治!
ご心配おかけしました……まぁ直ったから調子に乗ってガンプラ作ってたらデザインナイフで左手の指ぶっさしたので怪我増えたけどね!
あとネタ切れがやばい……。




