流石に死んでると思うの
更新の順番間違えてました! ご迷惑おかけして申し訳ありません!
335話の続き!
これ336話!
ひとまずゲリさんに乗って移動することになった。
最初は私のキメラ馬車で行こうと思ったんだけど猛反対受けてね……。
「納得いかないわ」
「まーだ言ってるんですか? あんなんで行ったら敵対行為としか思われませんって。こっち化け物は排除対象なんでしょ?」
「私もアレはもう乗りたくないです……乗り心地いいのが逆に気持ち悪い」
この通り散々な評価。
間違いなくキメラ馬車の方がゲリさんの背中よりも乗り心地はいい。
なんか、こうして生身で何かに乗って空飛んでいるとジャンボジェットの羽にしがみついていた時のこと思い出してどうにも……。
墜落しそうな機体のエンジンを修理しながら飛ばしてたのよね、嫌な思い出の一つだわ。
「キャシーは不安じゃないの? 命綱なしよ?」
「このくらいなら全然平気ですよ」
そんなことを言いながらゲリさんの頭に移動して腰を下ろす。
強いわねぇ……。
「落ちないようにね。万が一があれば受け止めに行くし、フィリアさんも掴まえてくれると思うけど」
「大丈夫です! 不安定な足場での訓練も受けましたから!」
ふんすと鼻を鳴らして自慢げにするキャシー、こういうところは子供らしいんだけど……その訓練期間が相当短いだろうことは察するに余りある。
ついでにその短期間でものにしてしまって、周囲の度肝を抜いたのもよーくわかる。
「しかし平和ねぇ……この前までドンパチやってたとは思えないわ」
「あー動画サイトで見ましたよ。 最近フィリアさんブログ更新してないから詳しくは知りませんが」
「今リアルでごたごたしてて、なかなかブログあげられなくてね……」
「うちも似たようなもんですわ。毎日毎日どっかの誰かがばらまいたウィルス対策してるのに、対策したそばからウィルスが進化しやがって……」
「あら、ゲリさんエンジニア?」
「えぇ、まぁリアル知識が活かせるようなゲームじゃないんでそこまで大したことはできないですけどね。これでも日本のトップエンジニア100選に選ばれたこともありますよ」
「有名人じゃない、依頼が絶えないんじゃない? お金もいっぱい持ってるでしょうし生活に余裕ありそう」
「ははっ、金は有り余っているけど時間が足りないんですよ。顔も知られてるからご近所さんとの付き合いも面倒になって、糞みたいな上司はプログラムのことなんも知らない癖に偉そうなことばかりって……営業もこっちの事情無視して仕事増やしやがって……でもボーナス出るから退職の準備しかできず……」
「へぇ、優良物件ね。結婚でも申し込んだら受けてくれる?」
「考えさせていただきます。1000年くらいね」
1000年か……生きてられるかしらね。
っと、それよりも問題は……。
「右に30度旋回」
「了解!」
ゲリさんが羽ばたいて進行方向を変えると同時にさっきまで飛んでいたルートを火の玉が通り過ぎた。
なかなか過激なお出迎えね……。
「どうします? 回避しながら接近?」
「いいえ、もっと簡単な方法をとるわ」
目には目をってね……!
「狐火!」
スキルの使用に合わせてごうっと音を立てて青い炎が浮き上がる。
HPが削られる感覚と共に全身に熱に似た痛みが走る。
まったくもって使い勝手が悪い……けど、まぁやり返すならこのくらいで十分でしょ。
「シュート!」
命令の通りに狐火が魔法の発射元に向かって飛んで行き、数秒後に着弾。
派手な大爆発を起こした。
「うわっとととと」
よろめいた拍子にゲリさんの頭からキャシーがぽろっと落ちた。
「あ」
受け止めなきゃ、そう思った瞬間空中を蹴ってキャシーが自力で這い上がってきた。
……えぇ?
「びっくりしました」
「キャシー? なにしたの今」
「え? お爺ちゃんとお母さんから教わった空中を駆ける技ですよ。慣れると結構使えるんですけど、直線移動になってしまうのがネックですね」
「……ゲリさん、私達が心配してたの無駄だったみたい」
「っすね……何この子こわっ」
なんか、リアルでも勝てる気しなくなってきたわ。
あ、キルログ見てみると5人くらい倒してる。
やっぱりプレイヤーだったわね……先が思いやられるわ。
本来ならこのクラスのNPCが街や国を守っているのでプレイヤーが国落としするのはもっと先のはずだったんや……どっかの暴食さんが派手に暴れた結果そういうNPCが死んだんや……。
それもこれも運営が「どーせ大陸行くプレイヤーなんてほとんどいないし、そいつらにエリアボスやらせればいいや」と手抜きしたのが悪いんや。
あと無垢でかわいかったキャシーこんなにしたやつ表出ろ




