はなし繋ぎにはお風呂回
たらふく食べて、沢山お金支払った後はみんなで帰ってお風呂タイム。
明日からはまた化けオンやるし、そろそろ新しくたどり着いた大陸の方も探索したいからね。
今日はゆったり過ごす予定。
「一会ちゃんは相変わらず引き締まった身体してるわね」
「そういう刹姉はなんであんなに食べて太らないのかしら……」
「代謝がいいのよ」
「よすぎるでしょ。ホテルの料理食べつくしてなおまだ足りないってどんだけよ。なんで夜食用のカップラーメン軽トラで運んでもらってるのよ」
「いやいや、これでも抑えてるのよ? 本気出したらこの辺のスーパーから食料が無くなるから我慢してるのよ?」
「せっちゃん……そういえば引っ越してきた直後はお店もせっちゃんみたいなのになれてないから普通の量しか置いてなくて一時的に食糧難になってたわね……公安が備蓄食料放出して、近隣から野菜とか買いまくってなんて動きしなきゃいけなくなったの災害以外だと初めてだからね?」
「ふっ、おかげでご近所さんから白い目で見られましたね。けれどそこはこの伊皿木刹那、持ち前のトークスキルで見事和解に持ち込みました」
「持ち込んだのはせっちゃんの脅しトークね。熊騒ぎの際も中継ぎした私の苦労知ってる?」
「知りませんでした」
「よし表出ろ。そのなまめかしい裸体のまま外に出ろ。そして鍵を閉める」
『私は祥子さんの命令を絶対遵守します。お母さんより常識人のようですので』
マヨヒガちゃんにまで裏切られた……!
というか、祥子さんは本当にこういうよくわからない相手に好かれるわね。
一般人には怖がられるタイプなのに、人間から片足踏み外したタイプの人にはめっぽうモテる。
見てくれだけで言えば一般人にもモテるんだけど、その性格とかを見ると大体の人が一歩引いてしまう感じ。
逆にそういう普通の対応を好まないタイプからはすごく好かれる。
「祥子さん……背は低いのにスタイルいいですね」
「それ一会さんが言う? 私なんかお子様体型よ?」
「いやいやスレンダーじゃないですか」
「男の人は胸が大きい方が好きって聞くけど」
「体型で女性を見る男は死ねばいいんです」
「過激ね……でも一会さん着やせするタイプなのね。こうしてみるとなかなか立派な……」
「ひゃんっ、ちょっ、セクハラですよ」
「いいじゃない女同士、お風呂を共にしているんだから。職場ではともかくね」
「もう……そっちがその気なら」
「ひゃっ、あはははっ、くすぐったいわよ」
……一会ちゃんと祥子さんがイチャコラしてる。
なんとなくジェラシー。
妹をとられた寂しさか、祥子さんをとられた寂しさか。
どちらでもいいけど……ふと思い出したことがある。
以前ナマモノが言ってた百合の間に挟まりたいというのはこういうことを言うのかしら。
ナマモノが出た回はブログも大荒れして一時期コメント欄も閉鎖してたけど、あの気持ちがなんとなく理解できてしまった。
しかしどうなのかしら、女同士のイチャイチャに混ざる男は極刑にせよというコメントが沢山あったけど、そこに混ざるのが女だったら……。
いや、あるいは女の子同士がいちゃいちゃしながら男をはさむのは?
またはいわゆる男の娘、可愛い系の男性を気の強いお姉さんカップルが挟み込むのはどうなのか。
この界隈は謎で満ち溢れているわ。
いずれジャーナリストとしてこの手の記事も……いや別に書きたくはないわねうん。
俺は百合に挟まりたい!
お前は百合を眺めていたい!
そこに何の違いもありゃしないだろうが!




