表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
235/618

まともなギルドがあると思ったか

 ギルド悪魔騎士団、前回のイベントを見た限りの感想になるけれど良く言うなら堅実、悪く言うなら想定外に弱い印象。

 けれどここまでの道中テスカトリさんのような例外がいたのに人数を減らさずここまでこれたということから評価を変えたほうがよさそうね。

 だけど……。


「ぬるい!」


 その攻撃はあまりにも弱かった。

 一発一発の重みがない、だからこそ連続して攻撃を当てようとして雑な動きになってしまっている。

 連携を求められる場面だというのに、それが簡単に崩れている。


「右舷から魔法掃射! 左舷は一度距離をとり中央はそのまま押さえつけろ!」


「させるか! 解魔の魔眼!」


 空中に展開された魔法を魔眼で破壊する。

 解魔の魔眼は魔法だけをピンポイントで破壊する魔眼で、燃費がいい割に効果も絶大。

 なかなかに使い勝手がいい。

 近接戦を好むプレイヤーには喉から手が出る程欲しい魔眼だろう。


「どれだけ手札持ってるんだ! くそっ、遠距離攻撃だ! 銀武器で削れ! ミスリルで狙え!」


「腐食の魔眼!」


 銀は不安定な金属、リアルでも放置しておくとすぐに黒ずんでしまう。

 化けオンにおいて銀は状態変化が激しく、黒ずんだ銀は退魔の効果……つまり聖属性を失う。

 故に鉱物を腐食させる魔眼が有効だ。

 とはいえ、金と同じく絶対安定という変化の起きない金属であるミスリルにそれは通用しない。

 まぁ高級品のミスリルをポンポン使えるような相手ならまだしも、中堅どころでそんな運用は難しいでしょ。

 だから残ったミスリル矢だけ回避。


「ルリ! ロードラン!」


 次はどうするかと思ったらルリさんとナマモノ連れて突っ込んできた。

 やぶれかぶれ……と見るには少々含みのある表情ね。


「魔法剣サラマンドラ!」


 ルリさんが叫ぶと同時に持っていた剣……形状的にレイピアね、それが炎を纏っている。

 うん、これは嫌な予感がするから拳で弾いたけど……レイピアの使い方間違ってるからあとで教えてあげよう。

 刺突という使い方はあっているんだけど、そのやり方が独学なのか粗が多く、結果威力を殺している。


「雨野流鏡花水月」


 ナマモノが小さく呟くように口にした言葉、それを聞いてふと思い出したものがある。

 とある女性が化けオンでも弟子ギルドを作ろうと考えているという話。

 あの人……そういえば山籠もりとかはしていても俗世と縁を切っていたわけじゃないのよね。

 そしてうちに来るまで長らく寝泊りしていたのは道場……つまるところ。


「同門かい!」


「ぶべ!」


 思わず拳でツッコミを入れてしまう。

 ……まさかナマモノがうずめさんの教え子の一人だったとは。

 あの人結構ガード薄い部分あるから今度注意しておかないと。

 ほっとくとすぐ胸元とかはだけるし、異性に見られても気にしないタイプの人だからさ、旦那さん悲しませるようなことはしないようにしておかないと。

 私もうずめさんの手解き受けた立場だからね、ナマモノと同門というには少し遠いかもしれないけれど、それでもこんな変態が門下にいるなら注意するに越したことはないわ。


「よくやった肉盾!」


 そして最後に突っ込んできたレイラさん。

 この三人ほぼ同時攻撃を仕掛けてきたから、一般プレイヤーだったら何をされたかわからないうちに倒されていたでしょう。

 それほどに連携が堂に入っている。

 けれどね……。


「つかまえたぁ」


「なっ!」


「ま、魔法剣!」


「ようこそぉ」


 レイラさんとルリさんの剣を拳で弾いて、蔦で腕をとり捕縛。

 そのまま吊るして全身に蔦を這わせて拘束する。

 ふっ、あとは好きにさせてもらおうじゃないの。


「ギルマスとルリの触手プレイスクショゲット……かふっ」


 なんかさっき殴ったナマモノが光の粒子になりながらもスクショ撮って消えていった。

 あの根性だけはすごいと思うけど……あとで強欲エリアにぶん投げておくことにしましょう。


「くっ、ころせ!」


「おぉ、正統派くっころ」


「いや、そうじゃなくてマジで殺して? さすがにこの状態は恥ずかしい」


 全身を這うように蔦が絡みついている状況に羞恥心を覚えているらしいレイラさん。

 ルリさんはというと……。


「ひーん」


 軽く泣いていた。

 ふむ……これはちょっと面白い事思いついたわ。


「さて、悪魔騎士団の諸君。私としてはこの二人を今一時貸し与えてくれるならばここを通してもいいと思っている。ただし二人の貞操は保証できかねるけどね。さぁどうする」


「ふざけるな! 俺も混ぜろください!」


「ギルマスとサブマスを置いていけるかよ! 俺の貞操も保証しないでください!」


「俺達の絆を舐めるなよ! そして俺のことを舐めてください!」


 ……変態しかいねえ。

 いや、よく考えたらあのナマモノが重鎮の時点で予測するべきことだったかもしれないわ。


「あー、女性陣はいかがかな?」


「ギルマスの貞操は私のものだ!」


「いや違うからね?」


「サブマスを愛でていいのは私だけだ!」


「許可した覚えないよぅ……」


「ロードラン殺してくれたから満足、貞操は私が一番手で奪えるならあとはお好きに……NTR百合というのも良きかな……」


「あのさ、こんなギルドで大丈夫?」


「……人間、三大欲求に素直だと扱いやすいんだ」


 まともなギルドだと思ってたらある種の姫プギルドだった件について。

 ……頭痛くなってきた。

この後スクショは闇ルートで高額で売られ、ギルドの軍資金になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ダメなやつしかいねぇ…w
[一言] 相手もひでぇギルドだったwww
[一言] 因みに自分の3大欲求は寝る、食う、ゲーム そして1番高いのは暴食(金があったら常に食べてると思われる
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ