イベント準備
さて、ようやくといった感じで始まるギルド対抗戦イベント。
まぁイベントと言っても今回は初回だから公式イベントという形をとっているだけで、今後は定期的に開催される催し兼ギルド同士の戦争イベントという形で遊べるようになるらしい。
なんかランキング制度とか取り入れて、上位のギルドには亜空間に特製ギルドハウスをプレゼントするらしい、有料で。
お金には困ってないからいいし、このゲームそもそもお金の使い道が少ないのよね。
自給自足で何とかなるし、そもそも死にやすいから回復アイテムの必要性が薄いのよ。
まぁ魔眼会得のお薬なんかは高値で売れそうだけど。
あと装備関係か、あの辺は結構いいお値段するらしいけれど私は自力でユニーク調達してるから関係ない。
ギルド戦の内容は複数あり、砦イベントのような制圧戦が一番ポピュラー。
というのもあれはミニクエストがあるから初心者ギルドでもそれなりにポイントを稼ぎやすいというのがある。
もっともプレイヤーのレベルに応じて振り分けがきちんとされるから、私達のギルドと完全な初心者しかいないギルドのバトルというのは発生しない。
ちなみに今後海外展開もしていくらしく、イシュタルさん達はそれを待ちきれずに日本に来てインストールしてホテル暮らしで遊んでいるらしい、ブルジョワだなぁ……。
脱線した話を戻して、他にはギルド同士で最後の1人を倒すまで戦い続けるガチバトルとか、白銀の塔みたいなダンジョンを用意して最奥にあるアイテムをゲットするフラッグ戦なども用意されている。
もっともフラッグ戦に関しては誰も拠点を持っていないことから成立しない、と思われていたらしいけれど、私が地獄エリアの暴食領域大半を手中に収めていることから領主邸までの道のりをダンジョンに見立てて私の私室に置いてあるエリクサーをゲットしろというフラッグ戦を立ててみた。
結果、過半数を超えるギルドが挑戦を名乗り出たので全員同時にお相手することにした。
面倒だからまとめてかかってきなさい、勝者は最初にエリクサーを手に入れたギルドか、あるいは全滅させた私達かというルール。
なおフラッグであるアイテムはどんな高級品であっても奪われた時点で相手の物になるのでレアリティの高いアイテムほど人員が集まる。
その際のメリットとしてはフラッグアイテムのレアリティに応じただけの金額かギルドポイントを用意すること。
このお金だけど、私みたいに余らせている人は勝利時にギルド内で使えるポイントにできる。
ギルドを設立してわかったのはお金以外にもギルドポイントというものがあって、これを利用してアイテムを手に入れたり、特定のバフをかけたり、またギルドホームを改造したりできるのだ。
全員お金はポイントに替える方針で構わないという事なので、ギルドホームを充実させる方向で動くことになった。
どこに拠点を構えるかという問題はあるものの、とりあえずリアルと変わらない感覚があるんだから生活スペースは充実させた方がいいよねということで一致団結。
なお司馬さんは拠点に興味がなく、そこから派生するフラッグ戦にわくわくしている。
フラッグ戦用の罠とかもギルドポイントがないと用意できないからね。
まぁ罠を使う事には渋い顔をしていたけど、司馬さんと戦うに値する相手の選別と言ったら手のひらを返してた。
いやー、ちょろいわ。
テンショーさんに関しては狭くて暗くて落ち着く部屋を用意することを約束。
ロッキーさんとリルフェンさんには音楽スタジオとライブ会場。
他の面子にもそれぞれ個室とお望みの家具1点を約束した。
初期メンバーは豪勢に、それに続くメンバーはそれなりの待遇って感じね。
私の場合既に拠点を持ってるから、後発メンバーとほとんど同じ内容。
ただし家具は2点貰えることになっている。
そんなこんなでギルドの振り分けを決める事になった。
あのね、全部のギルド対抗戦参加するからどうしても時間がかぶるのよ。
特にフラッグ戦はいつでもエントリーできるシステムで、最大90分を1日3回でやるから。
とりあえずPvPであるガチバトルには司馬さんが一人で乗り込むことになっていたけど、そこにサポート役のヘルメスさんとルシさんが参加することに。
防衛戦はテンショーさんとイシュタルさん、ニーアさんの女性陣が参加。
そしてフラッグ戦だけど、私と残りのメンバー。
リルフェンさんにロッキーさん、テスカトリさんで挑むことに。
今回拠点に設定したのは暴食領域のゴスロリイン・ザ・ダークだからね。
しかもこの前再建したばかりの領主邸だから被害が最小限になるメンバーを選んだ。
それでも領主邸内の人は全員避難しているんだけどね。
あの、他のプレイヤーによる誤射じゃなくて私達の攻撃に巻き込まれたり、崩落した建物に潰されないようにね。
いやぁ……力加減間違えると大変な事になりそうだから。
なお領民はこのフラッグ戦をお祭りと考えている節がある。
というのも、地獄エリアは他のエリアと比べるとレベルが高い。
具体的にはケリーのいた港町周辺がレベル40代が適正ラインとしたら地獄の適正レベルは60前後。
パンデモニウムに挑むなら80は欲しいというところなので、一般プレイヤーだと地獄で暮らす悪魔にとっては雑魚同然なのよね。
ゴスロリイン・ザ・ダークの住民も最低レベルが50くらいからだし、マリアンヌクラスになるとレベル70代でバランスがいい面子を集めて……大体8人くらいでかからないといけないかな。
そんな状態だから「弱そうなのはやっちゃっていいよ」と伝えてある。
むろん返り討ちが嫌なら手を出すなとも言ってあるけれど、面白い事に一番乗り気だったのは色欲系譜の悪魔だった。
ゴスロリイン・ザ・ダークの片隅に築いた色町に引き込んで好き放題していいのかと聞かれたから、存分に楽しみなさいと答えた結果である。
こうして色欲領域の面々、主に女性陣は意気揚々と拠点に攻め込まんとするプレイヤーたちを待ち構え、そして堕落の道へと誘おうとしているのだ。
……辰兄さんいたら全員纏めてかかってこいといったうえで運動後のドリンク求めるかのようにエリクサー取りに来るでしょうね。
あんなのが他にいてたまるかと思うけど、ゲーム内で腹上死しないことを祈るばかりだわ。
お金の使い道が薄いのではなく、刹那さんがお金使わないキャラクリと戦闘方なだけです。




