ギルド結成
さてさて、数日はそんな感じで他の領域に喧嘩売りまくってた。
結果強欲と傲慢の領域ではそこそこ名の知れた悪魔になり、侯爵になったのだ。
色欲は近づいてないから知らないけど、暴食領域に何人か流入してきているという事で色町形成してマリアンヌが四苦八苦してた。
他にも怠惰に出向いてみたりしたけど、あそこは戦闘になる前に終了。
なんというか……すごく平和だった。
コタツムリ大量発生してたといえばわかりやすいかしらね、最低限の食料と雨風しのげる場所があれば十分と言わんばかりで戦闘仕掛けるまでもなく「降伏するんで配下にしといて。仕事割り振らないでほっといてくださーい」と言われたらやる気なくすわ。
一応交易の方は整ったのでうちの領地から人員派遣して怠惰領域の出土品とかを集めて回っている。
その見返りにご飯と快適な寝床を提供することで競争意欲を刺激しようとしていたんだけど……舐めてたわ。
あの人たち最低限があれば何でもいいレベルだった。
というわけで怠惰領域は放置。
一番面倒だったのは嫉妬と憤怒、栄えているから嫉妬して喧嘩売りに来た嫉妬領域の人たち。
連日連夜襲ってくるから面倒になってこっちから攻め入って、嫉妬の悪魔の数が半分くらいになったとだけ言っておくわ。
憤怒は領地に入った瞬間すごい勢いで攻撃してきた。
どちらも交渉どころじゃなくて、もう暴力で解決するしかない。
やはり暴力、暴力は全てを解決する……。
なお我がゴスロリイン・ザ・ダークは領土を広げまくって、現在では暴食の悪魔の中でもトップ争いをする程度には広く栄えた土地になっている。
うん、経営は全部マリアンヌに任せて私は前線でヒャッハーしてるだけだからね。
独裁ではないはず。
領民からの支持もそれなりだけど、やっぱりたまに「領地の名前変えません?」って陳情書がとどく。
マリアンヌが何度もお願いしに来たけど「面倒だからこのまま」って言ってたらなぜか怠惰の男爵級に認定された、解せぬ。
そうしているうちにギルド対抗戦の日がやってきたのだ。
「さて、こうして明日にギルド対抗戦を迎えるわけですが……司馬さん。リーダーとして一言」
「待て、俺はリーダーの器ではない。そこなテンショーがやればいい」
「遠慮させていただきます。人前に出たくないので。どうぞロッキーさん」
「俺達歌いたいだけなのでパス、リルフェン」
「やだ、せつ……フィリアやれよ」
「えぇ……じゃあ多数決で決めましょうよ」
適当な紙に名前を書いて投票するシステムでギルドリーダーを決める事にした。
うん、公正よね。
なおその結果……私に4票、司馬さんに1票だった。
「……チーミングはずるくないですか?」
「これも戦略」
「頑張ってくださいねリーダー」
「応援歌の準備だ!」
「俺のギターが唸るぜ!」
……ダメだわこの人たち。
「そんなこと言うなら、ギルド名も勝手に決めさせてもらいますよ?」
そう、まだ私達はギルドとして成立していない。
ここにいるメンバーでギルドを組むことまでは決めたけれど、それ以外は何も進展がないのだ。
「その程度はリーダーの特権だろうな」
「あまり変な名前じゃないなら……」
「ロックに頼むぜ」
「俺のギターに似合いの名前を付けてくれよ!」
……まともな名前がお望みか、ならばその通りにしてやろうではないか。
いでよ! 我がVOTに繋がれし電子端末に封印されたTRPGルルブとダイス!
さぁいくぞ、ころりんちょ!
「はい、ではギルド名ですが帝国紳士的野球殺神合唱団となりました! 異論は認めません!」
「……だせぇ」
「変なのはヤダって言ったのに……」
「ロックというかブレイクだな」
「俺のギターが合唱?」
なんか困惑しているけど、ネーミングセンスがないゆえにTRPGとダイスの女神に任せる私を指名したのが間違いだったな。
というわけで、明日からはこの……覚えられないので通称合唱団でギルド対抗戦に挑むことになった。
なんか空気が重くなっているけど気にしない!
さぁ頑張りましょう!
ちなみにルルブの命名表使い方間違っていますがわざとです。




