ダンジョン!
久しぶりのログイン!
……ジャンルがローファンタジーに浸食されている?
というわけでドタバタしていたことも大体終わったのでのんびり化けオンにログイン!
「ただいまー、マリアンヌ次に攻め滅ぼすところ決まった?」
「もう少し言い方ないんですか? 魔の者は精神的には人間と変わらないと聞きますが」
「だってさぁ、この前やりあったところ全部碌な装備なかったんだもん。新しい装備欲しいのよ。ほーしーいー」
「駄々っ子ですか……歳相応の振る舞いをしてください」
ぐふっ……アラサー未婚女性になんてことを……いや、いいのよ。
私はまだ20代だから……30代が目前の永久姉とは違う!
彼氏さんにも逃げられたらしいし、というかお金目当てのろくでなしだったらしいし、婿入り試練デートに行ったら療養が必要になって永久姉見るたびに発作起こすようになったって聞いたし……。
うん、永久姉も私も男運が悪いのよ。
なら逆に変なのに引っかからなくてよかった!
一会ちゃんに聞かれたら殴られそうだけどね……あの子はなんというか、永久姉と私と縁ちゃん被害者の会筆頭だから。
ほら、伊皿木家の姉弟は大体いじめを受けていたけど一会ちゃんは努力の甲斐あってかそれなりに良好な友人関係を築いていたの。
だけど男性関係だけは私達の噂が原因でうまくいかず、特に片思いしていた相手は……なんといえばいいのか。
これは私達伊皿木家女性陣のせいではなく辰兄さんのせいで女装に目覚め、男の娘になって界隈では有名人となったとだけ言っておく。
うん、辰兄さんの守備範囲が倍になったといってもいいかな。
「男でも可愛ければいけるな」
というふざけたセリフを聞いたときはみんなで〆た。
「まったく……じゃあここでも行ってみたらどうですか?」
「ここは?」
「悪魔王様の用意した試練ダンジョン。通称パンデモニウムです」
「それまた御大層な名前ね」
「中身も大層なものですよ。大公級悪魔の中でもトップクラスの方々、例えばこの街に来て早々かち合ったアイゼン様でもてこずるようなダンジョンです」
「へぇ……面白そうね。ギルド対抗戦まで時間もあるし行ってみましょうか」
「この前みたいな惨劇がまた起こるんですか……」
「惨劇とは失礼な、一方的な蹂躙と言ってほしいわね」
「内容に大差ないので却下です。それより仕事しないならさっさと行ってきてください。邪魔です」
「マリアンヌが冷たい……女の子同士もっとガールズトークとかしたいなぁって」
「はっ」
鼻で笑われた……。
「私は年齢的にティーンなのでガールと呼んでも差し支えないですが、領主様がガールとか……冗談は存在だけにしてください」
「いやいや、今時は40代でも女子会とかやるのよ?」
「魔女のサバトではなく?」
「それ、世間に向けて言ったら大炎上だからね? まぁやってることは旦那の愚痴とか、育児の苦労を語り合う場らしいけれど」
「女子の定義が崩れますね。というかそもそも何をトークするつもりだったんですか?」
「えーと、美味しいご飯の話とか」
「あなたの美味しいの基準は生物を凌駕しているので却下です。暴食系譜の悪魔も貴女と同列に扱われるのは嫌だと苦情が相次いでいるんですよ? さっさと他の系譜に鞍替えしてほしいと毎日のように嘆願書がとどいています」
「それ送った人教えてね、お話しするから」
「暴食と言われて怒るのに、同類扱いされるのも嫌がるんですね」
「あだ名である暴食は嫌いだけど、系譜として同列扱いを拒まれるのも嫌なの。乙女心よ」
「そんな血生臭い乙女心はドブに捨ててください」
「そんな勿体ない、捨てるくらいなら食べるわ」
「そういうところです」
……なんか、本格的に嫌われているわね。
いや、正しく言うなら嫌うという手間すら面倒くさいという感じかしら。
えーと、関わりを持ちたくない上司との関係性みたいな。
嫌い通り越した何かね。
まぁ好かれるとは思っていないけど、距離を縮めようとガールズトークのお誘いしたのに……。
はぁ、仕方がない。
大人しくパンデモニウムとやらに行ってみますか。
新しい装備を求めてね!
辰兄さんの思春期もとい発情期は性欲爆発で大変な時期でした。
パンデモニウム……まだ挑んでないなぁ、零式はいく気ないけどレイドは遊びたい。
トッシングウェイ!




