表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼氏(仮)出来ました  作者: 卯月いちこ
1/16

気まずい馴れ初め

初めての小説です。

こんな青春したかった!的な学園ラブストーリー書いてみたくて。

今時のスクールライフはさっぱりなので、おかしいところもあるとは思いますが、よろしくお願いします!


         

まずい場面に出くわした。


放課後、高校の無人の図書室。図書委員だった1年生の三嶋藍香(みしまあいか)は忘れ物を取りに来て、さて帰ろうと図書室の中を通ろうとした時だった。


「俺と美鈴(みすず)、付き合う事になったんだ」


男子の声が聞こえて(のぞ)くと、本棚の隙間(すきま)から隣のクラスの榊祐也(さかきゆうや)が自分と同じ図書委員の半田和樹(はんだかずき)と話をしている。

(なんか出にくくなっちゃったよ)

はからずも藍香は立ち聞きすることになってしまった。

半田は突然の告白に固まっているようだった。


「…へぇ。そうなんだ」


絞り出すように。しかし、内面の動揺は端から見ても隠しきれない。

榊と半田と藤崎美鈴(ふじさきみすず)は仲の良い友達で、よく本を借りに来たり喋りに来たりしていたので藍香も知っていた。


藤崎は色白で艶やかな長い黒髪の美少女、学年のマドンナだ。榊はイケメンで背が高くてすらりとしたモデル系の人気者。半田は榊より低いが背が高くがっしりしている。人の良さそうな顔立ちで黒ぶち眼鏡、陰では半田をもじりパンダ君と言われている。

(美少女とイケメン。お似合いのカップルだけど…)


多分、半田も藤崎の事が好きなのだ。それは図書室に藤崎が遊びに来ていた時の半田の対応で感じていたし、あんな綺麗な子好きにならない訳がない。

微妙なバランスで保たれていた関係が終わろうとしている。

(何これ!凄く居づらい!)

藍香は今まさに死刑宣告を受けている半田に同情した。


「でも、二人ならお似合いだよ。良かったな。おめでとう」


どうにか笑顔で祝う半田にほっとする榊。


「ありがとう!カズならそう言ってくれると思ったよ!」


榊は満面の笑みで半田の肩を両手でつかみ喜び、


「じゃあ、またな」


と片手を挙げると颯爽(さっそう)と帰っていった。


「そっか…はは」


半田は力なく呟くとその場にしゃがみこんだ。

他人事ながら藍香は胸が締め付けられる。

そして、いつ出られるかなとも思ったーその時


ガラッと戸が開いて図書室の柿崎(かきざき)先生が


「あら!まだ二人とも居たの!もう閉めるから出てってよ~」


「えっ!?」


振り替える半田は、そろりと片手を挙げて苦笑いの藍香と対面する。

(あちゃ~!最悪だ~!)   


取り合えず二人は先生にさようならを言うと一緒に図書室を出た。

藍香はすぐさま半田と向かい合い、誠心誠意謝るしかないと手を合わせ、頭を下げると少し小声で


「半田君ごめんね!盗み聞きするつもりじゃなかったんだけど、出るに出られなくて!本当にごめんね!」


半田は困ったように周りを見つつ彼も小声で


「良いよ良いよ!そんな頭を上げてよ!」


藍香は手を合わせたまま、そろりと顔を上げ


「本当?許してくれる?」


半田は苦笑する。


「許すも何も事故みたいなもんだし。ま、かなり恥ずかしいけどね」


思い出したのか少し赤くなる半田を(なぐさ)めたくなる。

(だよね~私だったら憤死(ふんし)ものだよ)


「半田君は帰りは歩き?」


下駄箱まで何となく一緒に来ると、靴に履き替えながら訊ねた。


「いや、自転車だよ。三嶋さんは近いの?」

「うん。商店街抜けてすぐなんだ」

「そうなんだ」

「半田君、甘いの好き?」

「?好きだけど?」

「ちょっと商店街寄ってかない?」


藍香は落ち込んでいるであろう半田をこのまま帰したくなかった。

人見知りで大人しい文学少女なのだが、お節介な性分でもある。その性分がうずうずしてしまい思いきって誘ってみた。

少し驚いてぱちくりしていた半田だが、


「良いよ。一度寄ってみたかったんだ」


と意外とあっさり快諾(かいだく)した。


「美味しいあんみつ屋さんがあるんだ。もしあれだったら磯辺焼きとかもあるし」

「どっちも美味しそうだね」


半田はにっこり笑った。実は同じ図書委員の二人だがクラスが違うため、挨拶程度しか話したことがなかった。しかし、話してみると温厚で落ち着いている半田は喋りやすかった。

自転車置場まで行くと、半田が自分の鞄をカゴに入れた。


「三嶋さんのも貸して」


手を出してきたので


「あ、ありがとう」


鞄を渡す。

(半田君ってスマートだなぁ)

好感度が上がる。

半田は自転車を押して、藍香と並んで歩く。

野球部やサッカー部の子達のかけ声が響き渡る中。


「半田君、ガタイが良いからスポーツやっても良いよね」

「確かに凄い誘われたよ。中学はテニス部だったしね」

「へー!それは意外だった!」

「幼馴染みのさっきの祐也と美鈴に誘われて何となくね」

(幼馴染みだったんだ)

「…成る程…何で高校はやらなかったの?」

気になって聞いてみる。

半田は少し言葉を詰まらせてから


「ー元々、何となくやってただけだし、本が好きだから図書委員やってみたくて」

(幼馴染みの2人が良い感じで居づらかったのかな)

藍香は察した。人のことは妙に勘が良いのだ。


「分かる!私も!最近、お勧めの本ある?」


そして話題をシフトしたのだった。


















中々、話の運びかたとか文字の間隔とか難しいですね。

完結目指して頑張ります!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ