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hope the children ーこれは裏の世界で世界を救った子供達の物語ー  作者: 奈月四季
第一章 世界を救うため
7/8

【第六話】世界を救う前に自分の事をどうにかしろ

紅葉(もみじ)じゃないですよ紅葉(くれは)です。

「ね、銀ちゃん一緒にお風呂入ろうよ」


「いや、いきなりなんだよ」


 今まで一緒に入った事ないじゃん紅葉さんよ。出会った時にはお互いとっくに物心ついていた頃で、一緒にお風呂に入るなんて絶対なかった。もちろん、俺自身女の子になっても一緒に入る気など毛頭ない。そもそも一緒に入ろうとしている動機がわからない。


「いいじゃん、一緒に入ろうよぉ」


「なんか、そろそろ気持ち悪いよ」


 紅葉は胸を張り俺と共に脱衣場まで入ってくる。


「入って来んなよ」


「あ、ちょ、やめ。て、力強い」


 強引に紅葉を脱衣場から押し出しドアを閉める。


「銀ちゃん。何があっても知らないよ」


 その人事だけ言って紅葉の声が聞こえなくなる。何かドアの閉め際に笑ってなかったか? まぁいいか。


「さぁてと」


 脱衣場の隅にある袋を手に取る。紅葉が何を言いたいかはある程度わかっていた。恐らく男の時の洗い方じゃダメだと俺に言いたいのだ。恐らく紅葉のあの態度、やってあげたいのほうが勝っていたのではないのだろうか。


 そんなこと、知っていた。別に気づいたら女の子になってました、などと言ったわけじゃないんだ。前もってなることは知らされ自ら承諾した。ある程度勉強済みだ。TS物の作品をある程度読んだ、女の子の友達にもギリギリな範囲まで聞いた。


 だから、この袋のなかにはお風呂で必要なものがある程度入っている。最も俺にどの石鹸があうかなんて知らないし、どれで体を洗えばいいか何てあの頃の俺には知ることなんて出来なかった。ので、沢山買ってきた。備えあれば憂いなしってね。まぁ、体に合わなかったものは五月か蓮に押し付けて使って貰えればどーって事はない。


 服を脱ぐ。改めて見ても、本当に昔の面影ゼロだな。ちゃんとくびれはあるしささやかに胸はあるし、きれいな白髪のロングだし。どう見てもただのロリなんだが。これが拓美さんの趣味何て思いたくない。


 まぁ、最初は慎重にするか。どれだけ時間がかかるかわからないが、恐らく最初だけだろう。ま、最初にせよこれからも男の時よりも時間がかかるんだろうけど。


 ーー数分後ーー


 はぁ、さっぱりしたぁ。だいぶ時間がかかったな。髪を乾かすのも込みで約一時間か。女の子って大変なんだなと実感したは。ただ、何か新鮮でよかった。


「え? 何で普通に出てきてるのよ。終わっちゃてるのよ」


「えっと、どういうことですか」


「そこは普通に女の子になったことを戸惑って、私の出番が必要になるところでしょ」


「あぁ、そこんところは勉強済みだったんだ」


 恐らくちゃんとTSものを読んで、起こる事を懸念していたのだろう。確かにTS物ではよくあるイベントだ、はじめてのお風呂に苦労するって言うのは。さすがに苦労してないって言ったら嘘になるが、そこんところはある程度踏まえていたので特に苦ではなかった。


 紅葉は軽く頬を膨らまさす。あぁ、これふててるな。


 なぜふてられる。そんなに俺ごときのことが楽しみだったのかこいつ。


「裸の付き合いがあったっていいじゃない」


 何をいってるんだこいつ。数日間に頭のネジが数本外れたのではないか。性別が変わっただけでこれって。やっぱり女の子ってわからん。


 紅葉はそっぽを向きこちらを見ようとしない。


 ま、こういうときは。


「僕の事を心配してくれてありがう。()()()()()()!」


 紅葉の顔が緩くなる。そしておもいっきり抱きつかれた。


「もう、銀ちゃんたらぁー」


 ちょろい、ちょろすぎるぞ紅葉。ただのチョロインだぞこれは。


 てか、胸あたってる。案外でかいな、おい。それよりさっきからすんごい髪をわしゃわしゃしてるし。絶対終わった頃にはボサボサだこれ。せっかく頑張って整えたのに。


 まぁ、いいか。何だかんだで、久々に人の温もりを感じたような気がしたから。


 なんだかんだで大変だけど、女の子でもいいなと少し思えた。











話の方向性がずれて始めた件について+話が進まない件について

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