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もうちょっとで転生したらバランスボールだった件  作者: 辛味亭
第01章 ぷろろーぐ
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006.だいしょうり

「これだけ良い部屋だと、バリアフリーだし、バランスボールになっても快適でしょう」


 そう、交渉の最終段階だ。

 これで、俺の人生が決まる。


『お、おま、お主、これで、バランスボールへの身体交換を諦めてくれるんじゃ無いのか?』


 焦ってる。

 焦ってる。

 神様、焦ってる~。


「今の部屋って、えっと、亜空間ハウスですか? それって、クレーム対応のための転生サービスであって、転生ボーナスじゃ無いですよね? 転生サービスで満足させて、転生ボーナスを無くさせるとか、小狡くありませんか?」


 言葉尻を使って、攻めちゃうよ~。


『う、うぐぅ』


「で、どうするんですか?」


 強気にでますよ。

 この状況ですからね。

 この交渉が俺の今後の一生を左右するんです。

 引き出せるモノは引き出させるんです。


『み、3つじゃ。ボーナススキルを3つにしてやる。これ以上は、本当に無理じゃぞ』


 勝った、勝った、交渉に勝ったぜ。

 でも、手を弛めないぜ。


「【けんせい】【かいたい】【ひこう】でお願いします」


 そう、同音異義語だ。

 ひとつのチートスキルで、複数のチートスキルと同様になる。


「【剣聖】【解体】【飛行】で良いのか?」


 すぐに思いついたヤツは、最低限欲しいスキルだ。


 【剣聖】剣のスキルの上位のスキルで、戦闘が有利になる。

 【解体】素材集めには必須だろう?

 【飛行】空を飛べたら嬉しいだろ?


 正直、これだけでも、満足だ。

 それでも、攻めるぜ。


「たぶん違います。【けんせい】【かいたい】【ひこう】でお願いします」


 ほんの少し沈黙があった。

 考えているようだ。


『ふっ、そう言うことか。同音異義語とは面白いことを考えるのぉ。あの国の人間らしい考え方じゃ。それも、お主が行く予定の世界では不可能じゃないという。分かった。認めよう。これで、満足か?』


 だ、大勝利だぁ。

 勝ったぜ。

 神様を出し抜いたぜ。

 出し抜いてやったぜ!



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