027.かっか
『借りて借りて借りて踏み倒す異世界逃走記!?』と同時投稿
「ケイ様の褒美としては、報奨金は別として、領地を持たない空いている爵位でよいか? 義務がなく、権利だけを有する名誉職みたいなモノだが」
「そ、それくらいなら」
ギルド長だって、爵位を貰ったんだ。
ほんのちょっと我慢すれば良いだけだ。
「後、騎士の称号も貰ってもらえんか? これだけの偉業を成したモノに騎士の称号を与えんとなると、皆のやる気がな・・・それに、軍ならまだしも、個人で国の窮地を救われて、なんの栄誉も与えんとなると国のメンツというのがな」
国を救っても栄誉すら貰えないのは虚しいし・・・・・・後続のことを考えれば、断れないよな?
「し、仕方ない」
立場的にノーといえない。
「宰相、ケイ様が爵位と称号を貰ってくれるそうだ。ほれ、準備してたのを」
何その晴れやかで、喜びに満ちた顔は?
「はい、王様」
ササササっと、表彰盆を持って台代わりになる宰相。
偉いさんも大変だなぁ。
「ケイ様、こちらに」
言われた通りに、王様の前に移動する。
「略式になるが、ケイ様、クオン王国、大公の爵位及び、クオン王国、騎士の最高位の称号、ケイ勲爵士を与える」
「ちょ」
「「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」」」」」」
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ
確かにOKを出したけど、ここまでの爵位と称号だとは思わなかった。
当然、今更、断れるはずもなく。
胸に勲章を付けられた。
「ケイ閣下の誕生だ」
「閣下、おめでとう」
「ケイ閣下、ばんざーい」
「おめでとうございます。ケイ閣下」
「閣下の爆誕だ」
「大公さま、ばんざーい」
まぁ、貰ったモノは仕方がない。
「ケイ閣下、これからも頼むぞ」
ポンッと肩を叩かれた。
「はい。で、王様、お願いがあります。今回、なし崩しにオークを狩りましたが、出来れば、年齢による討伐対象の制限を例外的に外してもらえませんか?」
12歳になるまで、冒険者ギルドのルールで野うさぎしか狩れないんだ。
冒険者ギルドのランクアップに、ゴブリンの討伐などがあるため、12歳になるまでは、冒険者ランクFからランクEになれない。
正直、ランクはどうでもいいのだが、素材やスキルスクロールが欲しい。
「それくらい。良かろう。元々は安全のためのルールじゃ、ギルド本部長に伝えておこう」
よし、これで、狩り放題だ。
「ケイ閣下、これから、どうするんじゃ?」
「今日のことでしたら、眠いので、頂いた青い屋根の屋敷に戻って寝ます。そして、今回、王都に来た目的の奴隷を買いに行きます。背中を流してくれる奴隷が欲しいんです」
後、いちゃいちゃ出来る奴隷な。
「背中を流すくらいなら・・・」
「王様! さすがに立場を考えてください」
宰相が突っ込む。
と言うか、声は小さかったが、みんな、王様のように呟いていたんだが?
「こほん、ケイ閣下。明後日、今回の件でパーティーを開こうと思うので主賓として参加して貰えんか?」
あー、さすがに、出ないとマズいよな。
「分かりました。王都にいるようにしておきます」
「すまんな。後で招待状を屋敷に送っておこう」
「では、さすがに眠いので、屋敷に戻ります」
一礼して、部屋を出て、【飛行】でサクッと戻り、ぐーすかと眠った。
く、やっと本筋に戻った。
全ては、ジェリドが悪い




