024.みんなではんげき
『借りて借りて借りて踏み倒す異世界逃走記!?』と同時投稿
1辺約5Km、1周20Kmの城郭にオークが群がっている。
どこから沸いたんだって、森だろう。
城郭と森の間には平原があるが1Km程度しか離れていない。
飛んで数秒、走れば数分の距離だ。
次は城郭の周辺の清掃だ。
その前に、南門の前の門兵を攻撃しているオークを後ろから攻撃する。
オークのボスの周辺にいたオークたちの足並みは崩れたが、南門の門兵を攻撃しているオークたちは変わらず攻撃しているからだ。
【飛行】スキルを使いつつ、【剣聖】スキルを使って、サンダリアの剣を振るっていく。
少し距離があるところにはBB弾の手榴弾をほおりこむ。
「スパイン、大丈夫か?」
門兵のところに到着して、先頭を切って門を防衛していたスパインにオークたちを殲滅しつつ声をかけた。
「ケイ様、な、なんとか大丈夫です。ただ、星明かりしかなくて、周りの状況がよく分からなくて・・・」
「じゃあ、これ使って」
アイテム袋から大量に在庫がある【夜目】のスキルスクロールを門兵の人数分を取り出して渡す。
「これって、スキルスクロールじゃないですか! それもオークションで結構高値で取り引きされてる【夜目】スキルスクロールですよ。こんなの貰えませんよ」
スパインのヤツ、平時の反応をしやがった。
「今はそんなやり取りをしている余裕はない。篝火が消えて、役に立たなくなってる魔法部隊や弓兵部隊にも、【夜目】スキルスクロールを渡しに行かないといけない」
【飛行】スキルで浮きながら、そう言い放ち、言葉を繋げる。
「スパインも、今、何をすべきか自分で考えろ。ちょっと離れたとこにいるオークが見えなくても指示を出せるのか? 視界が悪いところでの戦闘で部下が不安にならないか? 今は戦時だ。オーク殲滅が優先事項だ。それを踏まえて自分で答えを出せ。さっき返事で後悔しないか?」
言いたいことは言ったので、次の移動先城郭の上に視線をやる。
「分かりました。ケイ様、【夜目】のスキルスクロールはありがたくいただきます。ただし親父に言って対価は絶対に出させます」
目つきが変わった。
少し成長したようだ。
「ここは、任せた。俺が、オークのボスは倒した。南門は後雑魚を退治するだけだ。もう少し頑張るだけだ。ここを頼んだぞ」
スッと、飛び上がり、城郭を一周回る。
ハシゴをかけようとしていたオークたちの小隊を殲滅した。
東西は門がないので、城郭を越えてしか侵入できない。
そのため、オークの配置が少ない。
アイテム袋のアイテム数の増加数から判断すると2,000匹はいたのか?
【夜目】スキルスクロールを現地調達した感じだぜ。
北の城郭の上へ上がろうとしている兵士の集団の近くに飛びながら寄っていく。
スリングショットで、オークを殲滅しながらな。
適当に狙えば、オークに当たるくらいはまだオークたちがいる。
「部隊長か小隊長とか、責任者はいるか?」
先頭にいる兵士が返事をした。
「ケイ様、私が北の城郭の上を任されています」
「部下は何人いる?」
「はっ、私のとこには、現在8小隊と伝令係で合計420人です」
思ったより多いが、余裕で足りるな。
「この【夜目】スキルスクロールを使ってくれ。それで、反撃できるな?」
「ありがたくいただきます。各小隊長はスキルスクロールを取りに来て部下に配れ。各自はスキルスクロールを受け取り次第、スキルの取得を。ケイ様はどう動かれますか?」
スパインと違って、戦時の反応だ。
「北門の周辺のオークとオークメイジを殲滅してから、北のリーダー格のオークを狙う。南門のボスと東西の城郭と越えようとハシゴをかけようとしていたオークたちは殲滅した」
「情報ありがとうございます。伝令係、将軍にこの作戦上申書を頼む。アルファ、ブラボー、チャーリー、デルタ小隊は、ローテーションでケイ様の動きに合わせて、動き出して、オークたちに矢を喰らわせてやれ、エコー小隊は北門上に篝火を炊け、フォックストロット、ゴルフ小隊は追撃用の篝火の設営準備を。ホテル小隊は魔法による攻撃だ」
サクッと指示を出しやがった。
追撃があるってことは門を開け、篝火を準備するのは、これ以上、【夜目】スキル持ちを増やしたくないってことか。
さすがに軍全員【夜目】スキル持ちってのはマズいな。
そこまで、考えての指示か・・・偉いさんはさすがだな。
「じゃあ、俺は突っ込むぜ」
こうして、夜が明ける前にオークを追い払うことができた。
頭を無くしたオークの殲滅なんて、ただの作業だからな。




