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もうちょっとで転生したらバランスボールだった件  作者: 辛味亭
第02章 どれいのさんすけ
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021.しゅうげき

『借りて借りて借りて踏み倒す異世界逃走記!?』と同時投稿

「ビッグフープ家の処分は無くして下さい。たかが、紋章を手荒く扱っただけですよね」


 ヤバい。

 ウザかったので、感情の赴くまま、言っちまった。


「いくら、ケイ様とは言え、たかがとは聞き入れませんな。王家の紋章ですよ」


 当然、相手も感情で返してくる。


「それでもです。紋章の扱いと人の命、どっちが大事なんですか?」


 ああ、言った後で気付いた一番ダメな質問だ。


「王家の紋章だ!」


 売り言葉に買い言葉、質問もタイミングも悪かった。

 王様も気まずそうにしている。



   ザワ・・・


              ザワ・・・ザワ・・・

        ザワ・・・・・・



 広間の扉の外がざわついている。

 扉の外で警備している衛士がなにか話しているようだ。



     ドンッドンッドンッドンッドンッドンッ



 広間の扉が激しく叩かれた。


「王様、大変です。大変です。国の一大事です」


「入れ」


「慌てて、どうしたんだ?」


「オークです。オークの集団に城郭が囲まれております。門兵の活躍で南北の城門を閉めましたが、門兵の一部が城門の外に取り残されたまま応戦しております」


「なぜオークが? どうして、こうなったんだ?」


「オークの斥候がはぐれオークのフリをしてたようで、最初は門兵で対処できてたようですが、徐々にオークが増えてきて、対処できなくなった途端に、オークメイジの魔法攻撃があったようです。そして、夕やみに隠れていた大群が一気に攻めてきました」


 戦略を持って攻めてくるとは、オークエンペラークラスがいるんだろうな。


「オークメイジがいるようで、城郭の上からの弓や魔法での攻撃が出来ません。篝火も消されて、城郭の外が把握できない状況です」


 オークメイジまでいるのか。


「この暗い中での夜目の利くオークと集団戦は死にに行けと言うものか・・・」


「門を開けて軍による突撃はリスクが高すぎるか」


「通用門を使って応援を出しても、通用門が敵に落ちれば、即陥落するな」


「時間をかければ、城郭にハシゴをかけられるか」


「戦闘力の高い個人を突入して、オークの混乱を誘い、一気に形勢逆転を狙うしか・・・」


 俺の方に視線が集まる。

 【剣聖】も【拳聖】もチートだからな。


「分かりました。人より大事な王家の紋章は俺が守ります。城の塔に付いている一番大きな紋章で良いですか? 絶対、オークには触れさせません」


 俺を見つめる王様。


「今回だけだ。ジェリド・ビッグフープの処分は、カクーラー・ビッグフープに一任する。皆のモノもこれでよいか?」


 黙って、コクリと頷く偉いさんたち。


「と言うことだ。すまぬ。ケイ様、王家の紋章より大事な我が国民を助けてくれ」



     バンッ



 広間の窓を開ける。


「もちろんです。誰か剣を・・・」



     カシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッカシャッ


 全員が剣を差し出してきた。

 みんな、準備が良すぎです。

 と言うか、1本で充分です。


「サンダリア、剣を借りるぞ」


 当たり障りのない人選。

 王位継承権第1位のサンダリアに決めた。

 打算ありまくりです。


「はい。ケイ様」



     カシャッ



【剣製】


 サンダリアの剣を強化する。

 ギルド長に持って行かれた玉鋼を使った剣だ。

 刀身、柄が変形していく。


 あ、砂鉄無くてもできるじゃん。


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