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もうちょっとで転生したらバランスボールだった件  作者: 辛味亭
第02章 どれいのさんすけ
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011.けっちゃく

「金貨200枚と奴隷売買許可証だ」


 ずっと黙ってたギルド長が沈黙を破った。


「OK」


 思わず『OK』をだしちまった。

 奴隷売買許可証はずっと欲しかったんだ。

 これがないと奴隷を売ってくれないんだよ。


「きたねぇ」

「ギルド長きたねぇ」

「貴族、きたねぇ」


 奴隷売買許可証は、貴族のみ発行できて、貴族の収入源のひとつになっている。

 ちなみに、転売は不可。


「うるせぇ。これのために仕方なく男爵になったんだよ。ケイよ、こないだ言っていた玉鋼を使った刀ってヤツを頼むぜ」


「と言うか、男爵になれたのって、ほとんどケイたんのおかげじゃねぇか」


「このギルド、王室の指名依頼でポイントを稼いでいるからな」


「ギルド長、剣を貸しな。玉鋼はこっちで準備するから、やっすい剣でもいいぞ」


 冒険者ギルドで扱ってる超初心者向けの剣を預かった。


「ギルド長、給料天引きになるようにしておきますね」


 夏奈、細かい・・・・・・って、そうでもないか。


 では、アイテム袋から砂鉄を取り出す。

 右手に剣、左手に砂鉄、剣先を砂鉄に付けて・・・。


【剣製】


 後はイメージだ。

 柔らかく堅い鉄すら切断するかっちょええ刀。


 剣と砂鉄が光り出した。


 光が刀を形どっていく・・・鞘はサービスだ。

 俺の手には、今は復元不可能な古きよき時代の刀がある。



     シャァァァァァァァァァァァァ



 鞘から抜くと、反りが大きく、鎬筋、庵棟、地肌は板目肌、刃文は直刃、お持ち帰りして良いですか?


「ギルド長、他のじゃダメか?」


 後ろにいるギルド長に声をかけた。


「わりぃな。俺も一目惚れした」


「だよなぁ」


 ギルド長と刀を見て、しばらくうっとりした。


「俺らのこと、無視すんな!」


「ああ、そう言えばいたなぁ。じゃなきゃ、ギルド長に刀を作んないか。コイツら、いないことにして、この刀、アイテム袋にしまっていいか?」


「ダメだ。ダメだ。ダメだ。さっさと試し斬りして、俺に刀をよこせ」


「はいよ。そこのわるいひとたち、かたなのさびに、なりなちゃい」


「おいおい、俺のなんだから、錆びさせずに、大事に使ってくれよ」


「てめぇら、いい加減にしろよな!」


「分かった。分かった。相手をちてあげまちゅよ」


【剣聖】


 スッとカウンターを降りながら、切先を防具に掠らせるように唐竹の大斬り。

 これで1人。


 2歩進んで、右切り上げで、防具と剣を斬る。

 これで2人。


 もう1歩進んで、もう一度、唐竹の大斬りで、防具と剣を斬る。

 これで3人。



     チンッ



 鞘にはを納めると、追加効果で防具が粉々に・・・。


「萌えたろっ?」


 反逆者たちは、戦意を喪失したようで、そのまま、崩れ落ちた。


「「「「ケイちゃん格好いい」」」」


 抱きついてくる冒険者ギルドの受付嬢たち。


「俺の刀ぁ~」


 反逆者のことより、刀が優先の冒険者ギルドのギルド長。


 今日も平和だった。


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