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もうちょっとで転生したらバランスボールだった件  作者: 辛味亭
第01章 ぷろろーぐ
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001.かいたい!

無計画にやっちゃいました。

新連載・・・。


連載中の「借りて借りて借りて踏み倒す異世界逃走記!?」もよろしくお願いします。


 俺は手を振りながら、行きつけの肉屋に城門から飛んでやってきた。

 今日の戦利品である野うさぎの肉を買い取って貰いにだ。


 もちろん、手ぶらだ。

 野うさぎの肉は全てアイテム袋に入っている。

 当然、綺麗に解体されてな。


「おばちゃん。野うさぎの肉持ってきたよぉ」


 俺のセリフに反応した獲物を狙うたくさんの鋭い視線が俺を襲った。


「「「「「「待ってたわよ。」」」」」」


 肉屋のおばちゃんと、俺が狩ってきた野うさぎの肉を『買いたい!』と言っているおばちゃんたちの迫力にタジタジだ。


 冒険者ギルド人気ナンバーワン依頼達成率100%のFランクの凄腕の冒険者のこの俺様がだぜ。


「もうちょっと待っててくれな。納品しちゃうからな」


 本来なら、冒険者ギルドを通して、肉を売らないといけないんだ。

 でもな『冒険者ギルドを通してたら、夕飯に間に合わないじゃない』って、クレームが殺到して、直接、肉屋に持っていっていいことになっている。

 今は、肉屋から、冒険者ギルドに手数料が渡される仕組みになっている。


 通常の買い取り価格は100グラム1Gで、約20円だ。

 野うさぎ1羽で取れる肉の量は約3Kgだから、1羽で30Gの600円。


 普通やってたら儲からねぇんだ。

 儲からねぇから、解体も雑になる。

 だから、買い叩かれる。


 その悪循環の行き着いた先が今の買い取り価格だ。


 俺は野うさぎの肉をブランド化して、高く買い取って貰っている。

 100グラム50G、約1,000円で売っている。

 1羽で金貨3枚、約3万円、美味しい商売だ。


 まあ、それが売りだからな。

 病み付きになるほど美味しい野うさぎの肉『ラビアンロース』が俺が作った野うさぎの肉のブランドだ。

 解体を完璧にすることで、50倍の価格を付けても文句を言われない品質にしている。

 いや、納入量が少ないと文句を言われる。


 王室御用達の野うさぎの肉から始まったブランドだしな。


 俺が解体した野うさぎの肉を食べた肉屋のおばちゃんが王室に献上したところ。

 あまりの美味しさに、狩れただけ買いたいと、運び屋用のアイテム袋が使える兵士を肉屋の前に常駐させるようになった。

 肉屋のおばちゃんが言うには、さすがに全部持って行かれると、今まで食べたことのある街民たちからクレームがつくからと、納入した9割が王室の取り分となった。


 王様は、僅かに取れるフィレの部分がご所望らしい。

 1羽でホタテの貝柱程度の量しか取れないから、どうしても、大量購入になってしまう。

 もちろん、ほかの部分も美味しく頂いているらしいぞ。


 俺も美味しいがな。

 野うさぎの肉『ラビアンロース』を1羽分が王室用に納品されると冒険者ギルドの指名依頼をクリアしたことになるからな。

 それも王室の指名依頼だぜ。

 

 通常依頼が1ポイント、指名依頼が3ポイント、貴族からの指名依頼は5~15ポイント、そして王室の指名依頼は25ポイント。


 今日だけで45個の王室の指名依頼をクリアしたことになる。


 FランクからEランクに上がるには10ポイント、EランクからDランクは50ポイント、Cランクへは250ポイント、Bランクへは1250ポイント、Aランクへは6250ポイント、Sランクへは31250ポイント、最上位のSSランクへは156250ポイントだ。


 約1年、今日と同じ生活をしている俺はSSランクを取得しても問題のないくらいポイントを貯めている。

 ポイントだけはな。

 だって、俺は冒険者になってから野うさぎしか倒していないんだ。


 そして、今日は50羽だ。

 50羽の野うさぎを狩ってきた。

 でも、50羽狩ってきても、5羽分しか肉屋に並ばない。


 今日も、野うさぎの肉の取り合いだ。

 おばちゃんたちも楽しそうに戦争だ。


 1年かけて作った、みんな、WIN-WINの関係だ。


 これも、チートスキル【かいたい】のおかげだ。


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