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92羽:ムスメと○○してみた3

2016年2月8日


年末に「とある」おもちゃを園から貰った。それは、

「かるた」。

正月に遊ぶ事が基本だが、時期外れの今だから遊んでみる。


ムスメは教えてもいないのに、「ひらがな」という言語をほぼ覚えている。


「腕試し」ということで、読み手をダンナに任せて、ムスメと対決。


前回、ババ、ジジ抜きで完敗しているから油断は禁物。

大人の瞬発力というものを見せ付けてやろう。


今度こそ、潰す。



ひらがなのかるた。

ひらがながカード右上に大きく表示され、関連された絵が描かれている。

非常に見やすい。


「ふふふ。」

「覚えたてのひらがな等、無駄でござるよ。」

神速系破壊力を持つ「緋村剣心」で脳内を研ぎ澄ませる。


「音」に聴覚を集中しよう。

集中力が加速していく瞬間、時間軸は歪められ、散りばめられた盤面しか見えなくなっていく。



1戦目。

「はじめるよ。」


「こいっ!」

俺は、静かに闘志を発する。


「・・・」

一方ムスメは無言。

散りばめられた盤面を全体的に見下ろしているようだ。


「りんご、むしゃむしゃまるかじり・・・。」

1枚目。

46枚の中から探し出す。

数秒後、

「パシッ。」

ムスメが先攻で取った。

「まぁ、数が多いから探しにくいよね。」

独り言。


「るすばん、ひとりで・・・。」

「パシッ。」

言い終わらずに、ムスメが追撃。

かるたの配置場所覚えて、手の届く所をすばやく取れる『テリトリー』なる能力があるかのような速さで取っていった。


「ぬったり・・・。」

「パシッ。」

テリトリー外に手を伸ばし、「ぬ」をムスメが取る。


「は、ぇ~~~~~。」

思わず声が漏れてしまった。

さすがに、瞬間で手を出してくるとは思わなかった。

しかも、テリトリー外での獲得。

腕まくりをしなおして、再度気合を入れる。


「はをみがこう キラッとひかると すてきだね。」

「『は』か・・・。」

「パシッ。」

ムスメだ。

しかも表示されている字は『を』。

『は』だと思ったが、『を』だった。

知らなければ取れない。


「こいつ、ビーターだ。」

内心独り言。

「このかるたへのレベル0が俺なら、ムスメはレベル25程度。前にこのかるたをやっているβテスト経験者。しかも、チート地味たメモリ力。へぇ~。ゲーム以外の場所でビーターとやりあえるとは。潰し甲斐がある…」

負けず嫌いな闘志が燃えてくる。

しかし、沸騰しても良い影響は出ないと知っている。しんしんと燃える事を意とした。


「なんとなく なすびに にてる パパのかお。」

「似てないわー!」

気合でムスメのテリトリーを荒らしにかかる。



1戦目はムスメの様子見とカードを覚える事に徹するべきと思考を変えた。

潰すのは後回し。


やはり、ムスメはビーターだった。

『ん』の絵柄も分かっているようだ。

数回はこのかるたをやっている。


そして、ムスメの反応速度も観察。

とにかく速い。

一言目で目が動き始め、二言目で獲物を捕らえている。

無言で見下ろしていたのは、絵とひらがなと場所の暗記ということ・・・

暗記を頼りに勘で動き出す。

8割方そこにカードがある。

高次元な『テリトリー』を持っている。


「こいつはある意味でヤバイ。」

モンスターに育てた親の顔が見てみたい。


一戦目20-26でムスメの勝利。

抜刀術の『ば』の字も出なかった。

「なるほど・・・ここからが本番だな・・・」



2戦目。

「はじめるよ。」

「・・・。」

「・・・。」

両者無言の合図。


「こどもたち ・・・。」

「パシッ。」

ムスメだ。

鯉のぼりねぇ。


「きれいだな ・・・。」

「パシン。」

俺だ。

でも、ムスメの手が俺の手の上にある。

「刹那」で取れている程度。


「さるの・・・。」

「パシン。」

俺だ。

ムスメは、

「あ~、いいよ、いいよ、あげるから♪」

余裕かましてやがる。

あ~滅却、滅却。


「しろいしゃつが ど・・・。」

「パシッ。」

ムスメだ。

能力「テリトリー」ですか。


「なんとなく パパ なすび・・・。」

「読み方変えんなぁ。」

思わずツッコム。

「パシッ。」

ツッコミの間に取られた。


「タイム、タイム。」

俺のタイム宣言。

「ってか、パパはなすびなのか?」

「似てないよ~♪」

ムスメは似てない発言。

ダンナも同様に似てない発言。

「なすび一家だけだろう。じゃ、タイム終わり。続けよう。」


「かさは・・・。」

「パシッ。」

ムスメ。

相変わらず、速い。


「すずしいよる・・・。」

「パシン。」

俺だ。

スイカだ。


緊迫した一進一退の攻防が繰り広げられた2戦目。

お互いのカードを数える。

20-26でムスメの勝ち。

正直悔しい。

即応で「絵札」と「読み」への順応してはいるが、ムスメに「かるた経験値」で負けている。

「作戦を変えていかなければ勝てない・・・か・・・」



泣きの3戦目。

「・・・。」

「・・・。」

無言でスタート。


「そう・・・。」

「パシン。」

俺だ。

掃除機だ。


「たい・・・。」

「パシン。」

俺。

太鼓。


「おうさま・・・。」

「パシッ。」

ムスメだ。


このままでは勝てる気がしなかった。

昔経験した百人一首の抜き方を思い出し、切り札を使う。

『払うように抜く。』

取り方を変則させてみる。

ムスメがテリトリーなら、腕のスピード勝負で挑む。


「にん・・・。」

「シャキーン。」

俺だ。

にんじん。

テーブルから彼方へ抜き飛ばした。


「何それ~?♪」

技を見て興奮するムスメ。

「あぁ、百人一首の取り方。得意だったんだよ。クラス選抜だぞ~。これを使い始めたパパはつえーからなぁ。」

ムキムキしているムスメ。

やっとライバルと認めたらしい。


「なんだか、チューヤン・・・。」

「シャキーン。」

俺。

「ってか、チューヤンちげーよ。なすびどこいった!?パパは『コーコー』だよっ!」

抜いてからツッコム。


「せんざいの・・・。」

「パシッ。」

ムスメだ。

「それ、冷蔵庫。」

「シャキーン。」

抜く。

俺だ。

正解は、洗濯機だ。

「あー、もう間違ったじゃん。」

悔しがるムスメ。

「はいはい、次次。」

相手をする余裕がない。

子供には「お手つき一回休み」を適用しないから続行だ。


「らい・・・。」

「パシッ。」

ムスメだ。

ライオンだ。

能力「テリトリー」は三戦目でも発動中ですか・・・

集中力はギリギリなはず。それでも消えないのか・・・


「うさ・・・。」

「シャキーン。」

うさぎを抜く。


「ねこの いね・・・。」

「シャキーン。」

ねこを抜く。


「つんで・・・。」

「パシッ。」

ムスメの積み木だ。

テリトリー。


抜刀術VSテリトリーの激しい攻防が続いた3戦目。

24-22、やっと辛勝した。



1勝2敗。

ムスメの勝利だった。

素直に負けを認めるしかなかった。

何よりも、ムスメを褒めるしかない。


なんだそのチートメモリ!

そんなちっこい頭ん中のどこに札と位置が入ってて、よく体が処理していくわ!

そして、教えてもいないひらがなもしっかり読んでるし!

どういう育て方したらこうなったんだ!

訳分かんねーよ!


たまに迷路、算数、ひらがなのお勉強系アイテムを渡すだけで、後はムスメの自由気まま。したりしなかったり全てムスメ次第。


「強制」させないという自由が生んだモンスター。

なのかもしれない・・・


次こそは、負けないから。

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