39羽:進撃!巨人幼児
2015年12月17日
ムスメは巨人が大嫌いだ。
巨人が人を噛み千切る。
頭から、足から。
食う。
丸呑みする。
食べられる瞬間、不敵な笑みを浮かべる巨人の顔のアップ。
迸る血しぶき。
脈が高鳴る音楽。
衝撃的な映像の本編「進撃の巨人」を見てから巨人が苦手になり、見たくないと連呼する。
そりゃぁそうだ。
大人でも鳥肌が立つ。
コミックを買い続けているが、内容も深い。
到底、子供には理解不可能だろう。
しかし、これだけは見たい。
毎週月曜日25時からBS11で放送されている、「進撃の巨人」のスピンオフ。
『進撃!巨人中学校』
主人公のエレン、ヒロインのミカサ、旧友のアルミン、仲間達。
そして、巨人。
みんなが同じ中学校の生徒という設定のコメディ。
最初は怖がって、毛布に蹲っていたムスメも今では楽しんで見ている。
巨人が人を食わず、人のお弁当を食べる。
時に人に恋してしまう巨人。
衝撃的なR-18的な映像は全く無い。
オープニングが始まると、
「スイマセン、チーハン食ってええか?」
TVにあわせて歌いだす。
「チーハン」とは、エレンの好物「チーズハンバーグ」の略称。
本当の歌詞は、
「睡魔戦争 中学授業」。
空耳で、「スイマセン、チーハン食ってええか?」に聞こえる。
オープニングから上機嫌で見るムスメ。
不安だ。
園では、普通の話題についていけないだろう。
こんなアニメ、誰も見ないでしょ。
普通、仮面ライダーとか、プリキュアでしょ。
アイカツやラブライブでしょ。
うちのムスメは普通ではないかもしれない。
奇行種に近い。
一番好きなキャラクター。
「FAIRY TAIL」の主人公『ナツ・ドラグニル』。
TVに映ると、絶叫する。
「ナツーーーーー!!!!!」
「ナツーーーー、大好きーーーー!!!」
ごめん。
俺、FAIRY TAILはよく知らない。
いつの間にそんなキャラクター好きになったのさ。
一度試したことがあった。
「パパとナツ、どっちが好き?」
「ナツ♪」
バッサリ斬られた。
ナツを斬ろう。
「どこが好きなの?」
「かっこいいから♪」
「パパとナツどっちがかっこいい?」
「ナツ♪」
2撃目。
もう、止めだ、止め。
エンストー。
エンジンストップー。
巨人中学校を見終え、突然言い出す。
「パパ~、ミカサを描くから、動かして~♪」
「あぁ、いいよ。」
二つ返事で応答する。
ミカサを描くって、レベル高くないか。
32羽のサンタ同様に、溶けたミカサが誕生する。
人体練成の失敗。
禁忌を犯すつもりだ。
俺、ミカサ好きなんだけど。
溶かされたらどうしよう。
不安。
出来たのが、これだ。
右は、エレンから貰ったマフラーを身につけ、剣を装備したミカサ。
手も足もちゃんとある。
マフラーもちゃんとあるし、出来は上々。
立体起動装置がついていないのは残念。
でも、よかった。
溶けてはいない。
左は。
「これ何?」
「巨人だよ~♪」
は????
ミカサの方がでかい。
しかも、巨人の練成、失敗気味だよ。
体の部分部分が切れてるよ。
禁忌犯してるよ。
アッチの世界に手足を持っていかれるよ。
「ほらほら、ミカサを動かして巨人を斬って~♪」
いやいやいやいや。
無理無理無理無理。
ミカサは巨大化してるし、逆に巨人はミニマム化されてるし。
踏めばイチコロだよ。
この作品では太刀打ちできない。
俺の想像を遥かに超えている。
対処の術が浮かばない。
怖気付き動かす事を辞退した。
想像と創造が追いつかない幼児は、想像を震撼させる。




