33羽:白サギにもお仕置きを
2015年12月11日
携帯をアンプに接続。
進撃の巨人中学生のOPの『青春は花火のように』を、爆音で室内中に響き渡らせながら、夕飯の用意をしていた。
夕飯は、餃子、味噌汁、ご飯、サラダ。
テンポのいい曲は、料理が捗る。
メインの餃子を焼こうとする瞬間。
突如鳴るコール音。
と、共に途切れる音楽。
「あ~。誰だよ。」
邪魔をされて苛立ち、声に出る。
見知らぬ番号。
基本、登録されていない番号には出ない。
非通知は以ての外、着信拒否。
切れるのを待つも、鳴り止まない。
仕方ないから出てみる。
以下、電話先をT、俺をOとします。
T「私、○○システム株式会社の○○と申します。」
O「はぁ。」
苛立ちを隠しきれず、不穏気に出る。
T「○○様ですよね。」
O「だったらなんなんだ?」
知らない番号の相手が、なんで俺の名前を知っている。
二言目から疑惑が漂う。
知らない番号、勝手に名乗る俺の名前・・・
ふ~ん。
詐欺かな。
詐欺師である確定要素は未だない。
しかし、
「虐めてやろう。」
悪魔化していく脳内。
その方が真意を見抜ける。
T「マンション経営に興味はござませんか?」
O「あったらどうなんだ?」
曖昧に応える。
T「大阪でマンション経営とかされてみたくないですか?」
O「で?」
煽る。
T「九州方面のお客様もたくさんいますので、ぜひご検討されてみませんか?」
O「相手を間違ってない?」
本音が漏れてしまう。
T「はい?」
O「九州の人が大阪でマンションを買って、得した人いるんですか?」
先の返答を悟られないように、その気にさせてみる。
T「もちろんでございます。もうリピーターも多くて・・・」
相手も高揚している。
誘惑を振り撒いてくる。
いや、間逆だ。
釣れた瞬間。
O「興味あるも何も、俺の携帯番号を何処から入手した?」
突然話題を変え、本心を点く。
貴様の雑談に乗る暇は無い。
T「情報屋から購入しましたが・・・」
口篭りだす。
コイツは詐欺寄りか・・・
垣間無く、攻撃を続ける。
O「どこの情報屋?個人情報を勝手に買ったヤツがマンション売るのか?」
今時、電話での営業スタイルは古い。
足で稼ぐ営業スタイルも古い。
全てはサイト情報、TV、口コミで評判が広がる世の中。
客は自分から好みの店に行くのだから。
徹底的に虐め抜く。
決意を固める。
静寂。
T「・・・」
返答ナシ。
O「おい、聞いてるのか?はっきりしろよ。」
苛立ちながら、少しだけ声を張り上げる。
瞬間の事。
ブチっ。
切られた。
はい、詐欺確定。
しかも、小物。
「こっから盛り上がるのに・・・」
切られたことに更に苛立つ。
虐め抜けなかった。
そう、俺は詐欺や営業系の電話に滅法強い。
簡単な話術には騙されない。
電話は顔が見えない分、声色で相手の心を誘導できるから便利。
だから、逆に騙しながら、相手を追い詰めていく。
見えない相手が苦悶していく様子を思い浮かべると、嘲笑が止まらない。
ほんと、俺が相手だったというのが運の尽き。
しかも携帯に着信履歴の番号がある。
さて、消費者サポート系にでも通報して、情報屋とやらを摘発してもらいますかね。
今思えばこんな簡単な手段で騙されるのか。
30歳代の成人男性に電話で挑戦しようとは。
馬鹿げてる。
しかも、マンションを建てる金なんて普通もってねぇよ。
更に、俺にはない。
せめて、80歳代とかにすればよかったのに。
騙す方も、騙される方も悪い。
県内では、今年の詐欺電話での被害総額が過去5年でトップという。
甘い話には毒がある。
ご老人の方々、要注意。
一応、言っていた企業をサイトで検索。
あるにはあった。
おー!
よく頑張ってサイト作ってるね。
派手だよ。
いや、過剰に綺麗過ぎる。
内容は甘い話尽くめ。
肝心な資本金、役員名等の企業情報はない。
どこが株式会社なんだ。
やはり小物。
もう一度かかってきたら録音して、こっちからかけて録音を再生してみようかな。
そして、反応を伺い、更に弄びたい。
一度、悪魔化すると徹底抗戦したくなる癖がある。
今回は逃げられたが、次こそは虐め抜く。
決意の夕刻。




