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106羽:3時の虜囚

2016年2月22日


「パパ~、今何時~?」

「ん?2時31分だよ。」


数分後・・・

「パパ~、今何時~?」

「あ?2時33分だよ。」


数分後・・・

「パパ~、今何時~?」

「な?2時41分だよ。」


数分後・・・

「パパ~、今何時~?」

「な?2時44分だよ!ってか、くどいわっ!!!」



ムスメは3時のおやつを待ち遠しく、3時になることを心から願っている。

それにしても、ダンナの実家からの高速道路を走っている今の時間、車中でのおやつは禁止されている。


「このペースで行けば、3時ちょっと過ぎには家に着くから、我慢してよ。」

「はぁい。」

ムスメはかぶりを振り沈黙せしめんとする。


しかし、

数分後・・・

「パパ~、今何時~?」

「あー、もう2時48分!パパが3時になったらピヨピヨ啼いてやるよっ!」

「あのねぇ、園のねぇ、時計はもっと速く動くよ。」

「何が速く動くの?」

「と・け・い!」

「だーかーらー、時計の何が速く動くの?」

「はーり!」

「針かぁ。時計は、時間はみんな平等にして、遅くも早くも進まないから。」

「なんでぇ?」

「時間は変わらないんだよ。」

「ふ~ん。」


時間の概念などまだムスメには伝わらないだろう。


園で時間が早く過ぎるのは、遊びや行事、物事に対して集中しているから、時が経つ事が早く感じられる。

一方、閉塞感のある車内でおやつを待つ待機という状況は、時の経つ事が遅く感じられるのだろう。


これは説明しようがない。

人それぞれの思いによる感覚だからなぁ。



「ピヨピヨ。」

3時を告げる時報を啼らす。

苦笑いのムスメ。


数分後・・・

「パパ~、今何時~?」

「もう少しで着くから大丈夫!しつこいなぁ。」


そもそも3時のおやつとはそんなに重要なんだろうか。

脳が糖分を欲しているのか。

それとも、嗜好なのか。

おやつを食べる習慣がない俺にはわかんねぇ。


コイツはおやつに対して貪欲で、おやつを誘いにすれば何だってこなす。

コイツは3時のおやつの虜囚だ。

渇望し、懇願し、盛大に食す。


あんまり食べると虫歯になるさぁ。



得てして、3時に囚われず他の時間の扱いにもそろそろ慣れて欲しいのは、親の願望だろう。

効率度、重要度。

『時間』を無駄にする事の無い様、育てられれば幸いなんだが、無理強いはいかんよなぁ。


さぁて、今度「パパ~、今何時~?」と聞かれたらなんて応えようか。

面白い話でもして、話の流れを展開させてみっかぁ。

多分、3時の虜囚には通じないかもしれないけど。

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