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104羽:重要文化財

2016年2月20日


宮崎県南端部に位置する串間市は、海に面接しながらも山もある。海の幸も山の幸も味わえる自然が豊富な土地。


ここ旧吉松家住宅は大正8年の上棟で、明治から昭和初期にかけて串間の政治・経済を牽引した吉松氏の邸宅として建設され、平成20年12月2日に国の重要文化財(建造物)として指定された。


ここで雛人形祭り兼女の子達が和装をし、雛人形と写真撮影が出来るというイベントがあり旧吉松家にやってきた。



赤に敷き詰められた7段、8段程の雛壇が10台程設置され、それぞれに個性あふれる雛人形達が鎮座している。

煌びやか、精彩、歴史といった情緒溢れる彼等は、旧吉松家に招かれた来客。そして、ここに招かれる親子達。旧近の存在に一体感が生まれている。


イベントの中心核である和装への変身をしていく子供達。ムスメも無論変身する。

橙を基調とした着物には白の扇子が刺繍され、金装飾を施された濃緑の帯を結い、唇には朱の紅を塗り、頬を薄い桃でチークされ、髪には茶のエクステと紅白の梅を思わせるような髪飾りを付けて、自分だけが鏡の前でポーズを決める。

後列では他の子供達が待っている。それなのにコイツは動じないらしい・・・

本人はかなりのご満悦。


ウチの子ではありません。


と、言いたくなる光景を、親バカだからだろうか、微笑ましく見守る。


準備中、知らない人達に勝手に装備されていくのを全く動じず、逆に自分から話を展開していく。

しかも、子供が橙の着物を纏ったのは今日は誰もいないという。初めて橙の着物に袖を通したのはムスメらしい。数ある着物からそれを選択したのはムスメ。


怖れを抱かないクソ度胸は誰似だよ。しかもそのセンスも誰譲りだよ。

ウチの子ではありません。


としか言いようがない状況だ。



しかしながら、意外にも意外でよく似合っている。

橙と緑の相性が良い事は知っているが、偶然の装飾類と本人の肌色にもマッチしている。

予想だにしなかった貴賓に、一眼レフカメラを持って来なかった事に後悔した。


撮影まではテンションはMax。

けれど、いざ撮影が始まれば、顔は強張り笑顔がうまく作れず、苦虫を噛んだ様な笑顔で撮影が終わってしまった。


あぁ、ウチの子です。

本番に弱いのは親父譲りって訳ね。



あっさり終わった撮影。

着物を脱ぐことを躊躇い、脱衣所までの足取りが重い様に見えた。

か弱い足袋が、歴史ある冷たい板床を重々しく踏みしめていく後ろ姿は、時代劇にも登場してくる姫君の様。


んー。ウチの子だろうか。

幻惑だな。


幻惑の異世界へ誘ってくれる旧吉松家。国の重要文化財の存在価値とは・・・

『魅惑』の一言に尽きる。

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