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101羽:人と社会と仕事と俺

2016年2月17日


昨夜。

「ハウステンボスに銀魂のアミューズメントパークが出来るみたいよ。来年の3月中旬までだって~。」

ダンナが感嘆しながら教えてくれた。

「おぉ、ONE PIECEの次は銀魂ですか。ドラゴンボールを遂に越えたな。」

俺は大の銀魂好きだから、数度ダンナをチラ身しながら「行きたいビーム」を放つ。

「横領した分を戻したらね。それより、外に出て働けば?それか治験バイトするとか。そんな何もしないでいるより・・・」

そこから先のダンナの声は聞こえなかった。というより、「そんな何もしないでいるより」というダンナの一言に刹那でキレタ。

「やってるよ!四六時中ゲームして、本読んで、寝てって思ってんの?日記書いて、JAVA勉強して、ひたすらパソコンと自分に向かい合ってんだよ!」

数ヶ月ぶりに腹の底から、家屋外に声がばら撒かれる事も気にせず俺は吠えた。

「びっくりしたぁ。」

ムスメはツバサクロニクルに真っ最中だった為、自分が怒られたのかと思ったらしい。

すまん、ムスメ。内心で思い、一呼吸して心を落ち着かせ、話し合いをしなければ解決は出来ないと考えムスメの前では話し合いが出来ないと判断し、ストーブで暖をとるダンナをキッチン横に居る俺の前に呼んだ。



「俺の日記、読んでる様で読んでないな。」

「いやちゃんと読んでるって。」

「だったら、何故働けと言葉が出るんだ?」

「そりゃ、お金が無いから。」

一理ある。

「だったら何故治験の話が出る?」

「すぐに元が取れるから。」

それも一理ある、しかし

「治験は無理だよ。俺は薬中(抗鬱剤、精神安定剤、睡眠導入剤、睡眠薬の常習者)なんだから。治験するなら1週間は脱薬をしなければならない。わかるでしょう?」

「わかる。」

「もし、脱薬してどういった症状が出るのか俺には見当もつかない。」

そう、今話題の麻薬と同じく、これら薬の長期連用の結果、統合失調症と区別がつかないような、慢性の意欲低下や引きこもりといった、統合失調症の陰性症状の様な症状を呈し、精神科病院への入院が必要となる場合もありうる。

今正に、精神病の軽快後の自発的な精神病の再発というフラッシュバックを起こしそうな-いや、起こしているだろう-最中、よくもそう言えたものだと、ある意味感心した。


「俺は俺を探しているんだ。俺という存在がいったいなんなのか?今のところ、答えは横領した結果、俺は『害為す物』と思っている。ダンナから見れば俺はなんなんだ?」

しばし、沈黙の後、

「kootは旦那さん・・・」

その答えは俺の中では中途半端だった。

「公儀な意味で『旦那さん』は良い意味もあれば、悪い意味もある。必要な旦那さんもいれば、いらない旦那さんもいるような言葉だ。旦那さんか・・・」

「そんなこと言われても考えた事ない!」

・・・「考えた事もない」か・・・

聞き方を変えてみる。

「俺は必要なのか?必要でないのか?」

「必要。」

即答だった。

「なんで必要なんだ?害しか与えないんだぞ。」

「・・・まだ許せていないけど、必要は必要。だけど、深い意味まで考えた事は無い。」

・・・またもや「考えた事もない」か・・・そして、やっぱりちゃんと読んでないのか。いや、俺の文章力不足か・・・悔しい・・・


「だったら私はkootからして何なの?」

ダンナからの質問だった。

「俺を正しい道に導いてくれる人。」

即答できた。昔から俺が道を外せば正しき方向へ導いてもらっている結果だから頭の中で整理できていた。

「昔の仕事の話もしてくれなかった結果、そういう病気になったんでしょう。逆に私には、私の方が必要とされていない気がする。」

目を血走らせながら言う。

「それは違う。仕事の話を家に持ち込むのは、男としてすべきでない。と思う。」

話すだけで、「悩み」は半分を解決する。しかし、俺の仕事での悩みは家に持ち込んでまで話す必要があるとは思えない。アドバイスを請う。俺はプライドなど持ち合わせていないからしてもいいだろうが、話したところで仕事に対する解決策は見つからない。逆に愚痴となってこぼれるだけだ。家の空気が悪くなる事を危惧し、家で仕事の話をしてはならない。「男は家に帰ればただのバカ」であれ、をポリシーとしているから。


「まぁ、自殺と解らない様に死ねば済むこった。」

「また、その話になる。しかも、受取人はお父さんになってるから。」

「親父から拝借すれば済むだけの話だろう。そんな親父も無慈悲じゃないから。」

・・・・・・

案の定、話し合いは行き詰まった。


ポイントは最後の「自殺」だ。

ここで俺を論破しない限り、話は続けられない。


話し合い、会議でのポイント。覚えておくといい。

1.相手の意見を真っ向から否定しない事。

2.相手の意見のいい所と落ち度を見つける事。

3.同時に自分の意見にもいい所と落ち度があること。

4.自論に完璧は存在しないこと。

これが、話を擦り合わせる上で必要なスキル。


今回で言えば、極論である「自殺」という言葉を使った。これは3に該当する。自殺でありながら事故死に見せかけ保険金を受け取るといういい所。と、同時に家族を見捨てるという行為が落ち度。なら、この考えを否定し補えるだけの話を展開させなければ、先に進めない。


話を俺から展開させる。

「今すぐ必要な短期的資金が重要なのか?それとも長期的安定が必要なのか?」

改めてダンナに問う。

「長期的安定が必要だと思う。」

「そうだな。俺もそう思う。だったら何故短期的収入に目が行く?まぁ、確かに今回は俺のせいでこういう貧困状況を招いた挙句、旅行の話などできはしないのも分かる。けれど、今だからできる事をやっている。」

「・・・」

「前、日記に書いたけど、人の役目ってなんだと思う?」

「・・・」

「十数年後、AI(人工知能)がありふれるのが当然見えてくる。なら、人の役目は最終決定者、機械で再現できない匠と呼ばれる人たち、対人用の営業ツール、パソコンを駆使したエンジニア。あくまで俺の予想だがこんなもんだろう。だったら、企業に属さない俺は最終決定者は×、匠も勿論×、営業ツールは今のところ病気だから△、だから、残されたエンジニアに焦点を当て毎日勉強してる。」

「そんなこと言われても、何してるか解らない。」

「目に見えて成果がある物が正解か?それは違うと思う。まだまだ勉強中だからなんともいえないけど。」

更に続けて問う。

「人ってなんだと思う?」

「そんなこと考えた事ない。」

「んー、そういう考えた事も無い事を俺は毎日考えてる。」

死に行く運命として生まれてきた人の意味、人として生きるあり方を、俺は追及し学んで悟りたい。

「まぁ、俺の考えや価値観を押し付けてもしょうがない話なんだけどもな。」

そこで話を、消化不良のまま終わらせた。



ニートの朝のルーティーン。

コーヒー牛乳を飲みながら、無料登録してある毎日、朝日、産経、日経(これは購読料払ってないからトピックだけ)新聞とNHKのニュースを携帯で読む事にしている。

今朝、偶然にも面白いニュースを見つけた。


北海道大などの研究チームが「集団存続に必要 働きアリだけは滅びる」という毎日新聞の社説。


内容は、コロニー(集団)の中に必ず2~3割いる働かない働きアリは、他のアリが疲れて動けなくなったときに代わりに仕事をし、集団の長期存続に不可欠だと英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に発表した。これまでの研究で、働くアリだけのグループを作っても、必ず働かないアリが一定割合現れることが確認されている。仕事をする上では非効率な存在で、働かないアリがいることが謎だった。これまでの研究で、働くアリだけのグループを作っても、必ず働かないアリが一定割合現れることが確認されている。仕事をする上では非効率な存在で、働かないアリがいることが謎だった。

自然界では、働きアリが全て同時に働かなくなると、必要な卵の世話が滞ってそのコロニーが滅びてしまう。チームは日本全国に生息するシワクシケアリを飼育し、1匹ずつ異なる色を付けて個体識別した上で1ヶ月以上にわたって8コロニーの行動を観察。最初よく働いていたアリが休むようになると、働かなかったアリが動き始めることを確認した。

さらに、コンピューターシミュレーションで、1コロニー75匹の働きアリが全て同じようによく働き、疲れがたまるペースも一緒のケースと、働き度合いがばらばらのケースを比較。勤勉なアリだけのケースでは一斉に疲労で動けなくなってコロニーが滅びてしまうのが早く、働かないアリがいる方が長続きする傾向があった。

チームの長谷川英祐・北海道大准教授(進化生物学)は「働かないアリを常駐させる非効率的なシステムがコロニーの存続に欠かせない。人間の組織でも短期的な効率や成果を求めると悪影響が出ることがあり、組織を長期的な視点で運営することの重要性を示唆する結果ではないか」と話す。


偶然ではなく必然的記事だったのだろうか。

直ぐ様、洗濯物を畳んでいたダンナにこの記事を読ませる。

あ、ちなみに俺は洗濯物を畳むと言う行為が苦手であり、洗濯物はダンナに任せている。

その理由は明白。パンティーやブラジャーといった女物の畳み方が解らないのと、触るだけでも恥ずかしいという理由で洗濯物はパスしている。


記事を読んだダンナは、

「私が働かなくなったらkootが働くの?」

「いや、その解釈は下の文からして違うと思う。」

「うーん・・・。」

短期的に見れば、今俺が働くと自分がどうなるか解らない。それは自分が恐いから。

それに、今俺が生涯に渡ってやるべき事を模索している中、安易に突っ込んだところで忽ち(たちまち)に辞めてしまうだろう。

辞めてしまえば、更なる自己嫌悪に犯されまた心が壊れる可能性もあるかもしれない。

これは己の恐れであり、自己保身かもしれない。

解ってはいる。つもり。



生涯ニートで暮らしたいとは思わない。寧ろ養わなければならないという意識はある。

家族を養う事が仕事だよ。と言われれば、そうなのかもしれない。

されど、安易に働きはしない。地位も名誉もいらない。目に見えない所で社会に貢献するでもいい。

人として生まれてきて、親から貰った最初のプレゼント『名前』には、何か裏が、必然があるような気がする。


一生を捧げる価値ある仕事。

それは一体なんなのだろうか。

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