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国連機関NEO  作者: ゴッドセレナ
新型ウィルス
1/2

夜に煌めく閃光

悲劇は終わってはいなかった。あの日、あの時、抗ウィルスを載せたミサイルが世界を包み込みはびこる感染者を身体の内部から破壊した。細胞レベルでの通過を可能にしているため壁など意味をなさず全て消えたはずだった。



だが突如新たな感染者が出現する。奴らは意思を持ち頭で考え喋ることはできないが簡単な武器の扱いは可能となっていた。



この時、新たな感染者の方が我々を上回った。異常な速度で人類のことを学び、そして理解し殲滅を開始したのだ。



輝かしい時代を取り戻しつつあった時代はたった十数年で終わりを迎え人類はまたしても地下に、狭い場所に逃げ込んだ。



あの雪山の中をすごして12年。俺は双子の妹の有紗と一緒に新たな感染者殲滅を掲げた国連機関NEOに志願した。



現代の銃はレーザー銃。つまりプラズマライフルとなった。これには理由があり今の新型感染者は異常な速度で自信の傷が修復されてしまう。



だからプラズマライフルで細胞を焼き付くし再生を不可能にさせ死に至らしめる。



今回、倉見宗介と倉見有紗は感染者殲滅作戦に初めて投入された。



装備はなるべく目立たない服にプラズマライフルとサブウェポンにプラズマハンドガン。








夜襲。


敵の拠点は日本の東京。人間の捕虜を使いさまざまな非道な人体実験を行う場所だと偵察部隊から報告を受けた。それ故に防御も固かった。



意思を持ったゾンビたちも同じくプラズマライフルで反撃してくる。何より厄介なのが数の多さだった。



宗介は仲間の部隊とともに下水道へと侵入し爆弾を設置する任務についていた。



地上では攻めてきたNEO軍の奇襲により夜の空には紫に鈍く光るレーザーが飛び交っていた。レーザーが頭に直撃して即死するゾンビもいればさまざま。








ピチャッと下水道の中を走る少年がいた。暗く長くどこまで続くかも分からない下水道を目的地まで息を切らしながらひたすら走り続けていた。



仲間の部隊は宗介以外に全員がレーザーの直撃により死亡してしまい宗介一人となってしまっていた。



「はあっ!はあっ!有紗!!あと何mだ!」


『あと10mだよ!兄ちゃん!』



兄ちゃんと呼ぶこの通信相手、倉見有紗は必死に目的地まで誘導していた。



宗介は主な武器であるプラズマライフルーsuk-18を落としてしまいさらにはプラズマハンドガン弾切れになっていた。



こんな所をゾンビに出くわしたら死は免れないだろう。



「ここか!!」



目的地の真下に辿り着いた宗介は背負っていた肩掛けバッグから長方形の小型爆弾を取り出す。



スイッチを入れ後はリモートコントロールで起爆すれば任務完了のはずだった。



「っ!」



ピチャッという音とともに宗介は背筋が凍る感覚に見舞われる。後ろから来た者。仲間である筈がない。



キュイィンという機械じみた音ともにそいつがプラズマライフルをこちらに向けていることを察した。



「ナカマハホカニ居ないのカ」



このカタコトで喋り慣れていない者の言葉。明らかに人間ではない。ならばこれは



ゾンビ・・・・




宗介が走ろうとしたその直後、一瞬だった。背を向け左足を踏み出した直後、後ろで鈍い爆発が起こる。



反応出来なかった。ほんの2秒かそれくらいだろう。小型爆弾が下水道に穴を開け、誰かがそこから降りたってプラズマライフルを発射したのだ。



暗い下水道の中に紫の閃光とプラズマライフル特有の発射音が響き渡る。



気づいた時にはすでにゾンビは倒れ死んでいた。



「あ、あんたは、!」



男はプラズマライフルを下ろすと宗介に振り向いた。そして苦笑いしながら



「こんなんじゃ先が思いやられるな?新入り」


「うるさいなぁ。良介父さん」






良介と呼ばれるこの男。そう。かつて一度世界を混沌に落とし入れた男を撃破し再び世界に平和をもたらした英雄。



そして今は人類を勝利に導く指導者として宗介が所属している国連機関NEOの実質的最高司令官の椎名良介だった。



「後ろからゾンビの大群が来てる。俺たちの行動は筒抜けだ。ついてこい」



良介は何か銃のようなものを息子の宗介に投げ渡す。



「これ、俺が落としたプラズマライフルだ」


「忘れ物だ。誰かのな」


「ありがとう。父さん」


「礼なら帰った後だ。行くぞ」



良介は宗介に優しい目をやると再び下水道の中をプラズマライフルで警戒しながら歩く。



「有紗。出口まではどのくらいだ」


「あと10m先に梯子があるからそれを登れば部隊と合流できるよ!父さん」


「よし。しっかりついてこいよ?宗介」


「わかった!」



再びプラズマライフルを構え歩き出す。この下水道はいりくんでいて地図やナビ装置がなければ迷い混んでゾンビの餌食になるだろう。基本的には武器をもつゾンビは人間を食べることはほとんどない。恐らく敵側が新型の開発に成功したのだろう。



だが中には従来のゾンビのように人を食べることしかしないゾンビも少なからずいた。



「よし登るぞ。警戒しろ」



やっぱり父さんは凄いな。さすがは世界を救っただけのことはある。



俺たちはちょうど仲間のバリケードの内側に出た。



外は激しい新型ゾンビたちとNEOの攻防戦が展開されていた。無数のレーザーが飛び交い見方を、そしてゾンビを見るも無惨に殺していった。



見方は自分たちの技術で編み出したプラズマライフルのレーザーを防ぐシールドのバリケードを作りその間からプラズマライフルを発射していた。



「頭をさげろ!!!」


「うわっ!!」



突然父に頭をぐいっと凄い力で押さえつけその場で倒す。



頭を押さえつけられた次の瞬間普通のプラズマライフルより大きな白いレーザーが頭上を通り過ぎていった。これは敵側が放ったものだった。



「対装甲チャージ式レーザーだー!!」



後ろにいた仲間が叫ぶと白いレーザーは叫んだ仲間の方へ直撃し赤い大穴を開けた。



「頭を狙え!!一気に押し返せ!!」



父の怒鳴り声とともに見方がバリケードから突撃し始める。新型ゾンビの陣地はさながら紫の閃光の嵐となった。



「一気に進むぞ!宗介!」


「わかった!!」



対装甲チャージ式レーザーを放ったゾンビは父のプラズマライフルによって頭、胴体をレーザーで貫かれ倒された。父の射撃のセンスはNEO随一かも知れない。



見方の士気がどんどん上がっていく。何しろ見方の総司令官が自ら戦場を突っ切るなどとは誰も思わなかったからだろう。



「今回初めての戦いだけど目的はなんなの!?父さん!」



敵の攻撃を防ぎながら父に尋ねた。



「俺達が現在いるのは敵の本拠地のちょうど外側だ!!中はもっと激しい戦いになる!だが中の総攻撃は俺の合図でやる!そんで内部の最終兵器を破壊する!」



聞いた直後敵の本拠地を囲むバリケードからとてつもなく大きな雄叫びが響き渡る。



「そうらきた!ミュータントだ!!構えろ!!」



地響き。



バリケードを何かが飛び越えて出てきた。かなり大型で白い防護服。形は人間のような形をしていてなおかつムキムキマッチョ。そして赤く光る隻眼の瞳。体長は5mを越えていた。



グォォォォオオオオオォォ!!!!



飛び越えてきたミュータントは着地に成功したが地面がめり込み膝より少し下の辺りまで埋まっていた。



それを乗り越えるとミュータントはこちらをにらみつけてきた。



「まずいんじゃない?父さん」


「まずいけどまずくはないな」



なにいってるんだ?この人は。



すると良介はミュータントの方へプラズマライフルを発射しながら1人単独突撃していった。



「父さん!!あぶない!!」



銃弾をも跳ね返すそのミュータントの肉体。だがプラズマライフルの前では全てが無力だった。



紫の閃光に両手首、両足膝を正確に貫かれたミュータントは更に大きな雄叫びを上げる。



更にレーザーはミュータントを正確に貫く。



グォォォォオオ!!!!



ミュータントは上から大きな拳を降り下ろす。だが良介は大きく跳躍し一気にミュータントの顔まで迫る。



ミュータントの拳が地面をえぐる。人間がこれをくらったら勿論、即死。到底生きていられる威力ではなかった。



「死にな。化け物」



ミュータントの顔を頭蓋を何発との閃光が貫く。首から上は消し飛びミュータントは大きな地響きとともに崩れ去った。



これにより仲間の士気がまたさらに一気に上がった。兵士たちは鬨の声を上げてゾンビたちを排除する。






戦闘が終わったのか辺りは静まり帰る。さっきまでのレーザーの嵐は嘘のような静けさだった。



バリケードの外側を兵士たちは取り囲む。



宗介は良介の前に立つとアスファルトで出来たバリケードを見つめる。



「この戦いは勝てるの?」


「勝てるさ。そしてお前は死なない。安心しろ」



すると伝令兵が通信機をもって良介に渡した。



「よし、タスク0-3発令。開始は30秒後だ」



合図とともに兵士たちは壁一面に爆弾を取り付け始める。良介が行う総攻撃は次のような内容だった。



まず第一にバリケードを爆弾で一気に破壊しそこからあらかじめ装甲車に乗った俺たちは攻撃ヘリとレーザー砲搭載装甲車に続き一気に攻め立てるという内容だった。



10秒前!



「攻撃部隊!突撃用意!!」



宗介と良介は見方の乗る装甲車へと乗り込んでいく。装甲車を覆う鉄板はプラズマライフルのレーザーをも防ぐシールドだった。



遠くからヘリコプターのエンジン音とプロペラの回る音が聞こえる。彼らは待機中のようだった。



5秒前!



「攻撃開始ィ!!」



合図とともに壁が爆発によって破壊されていく。大きな爆発と同時に攻撃ヘリな出撃していく。ヘリは出来る限りのミサイルを轟音をたてながら発射していく。



ミサイルは敵のゾンビを粉々に粉砕しながら最後の防御網を破壊していった。



「いけいけ!!」




宗介は操縦席にのる父、良介の背中を見つめていた。俺はこの時代に生まれて育ったから父の昔をしらない。



ここまで色々あったが父と再開を果たすのは意外な場所だった。




そうこれは3ヶ月前にさかのぼる・・・

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