恋人を撃ち落とした日
星座擬人化
オリオン編
アルテミス視点
恋人を撃ち落とした日〜オリオン編 sideアルテミス〜
私は神として生まれてきたけど
今一番幸せだと思う
そんなある日、私は
最愛の恋人を撃ち落とした
こんこんっガチャ
そんな音のやり取りで開かれるドアからいとしいあの人の顔が見える
神になりたいから、そういって強気でちょっと横暴だったあのひとは
猟師をやめ毎日勉強をしている
今日は一緒に食べようとおやつをバスケットいっぱいに詰めてきた
いまではすっかり勉強ばかりに励む人だから甘いものを取らなくちゃね
今日の私はとてもいい気分だから少しからかっちゃお
「また勉強?」
「まぁな」
まったく、なんて思いながら少しにやけてしまった
そうだ!
「はやく神様になって、私に会いに来てね?」
なんて、てれちゃうかしら?
「もちろん、ただその時は」
珍しく即答されて驚いてる間にかれは私の手をぎゅっと握り
「君を私の妻として迎えに行きたいのだが」
ごそごそとポケットを探り小さな木箱の中からネックレスを取り出してきて
ニコリとわらった
とてもとてもうれしかった
「もちろん!待っているわ!」
すこし絵が潤んじゃったけど今までで一番幸せな瞬間だわ!
そのあとお互いの首にネックレスを着けあい笑った
幸せだった
こんな日々がいつまでも続くと思っていた
それなのに
ある日
「姉さん大変だ!!」
走って帰ってきた弟のアポロン
いつもと様子が違っていた
「どうしたのよアポロンそんなに息を切らして」
するとアポロンは半泣きでこちらを向いた
「ニンフが!!獣に襲われて!今海に!僕の力じゃ弓が届かないんだ!姉さん助けてあげて!!」
これは大変だと思った誰かに告げてる余裕なんてない
「わかったわ!案内して!」
私は弓を持って走った
この時アポロンは、なぜか笑っていた
海
「あそこ!」
指さされたほうを見ると獣がニンフに向かって泳いでいってるのが見えた
「今助けるから!」
私は海を構えた獣がニンフの腕を取った瞬間弓を放った
・・・あれ?・・・
弓を放った瞬間気が付いた
浮かんでいる獣はニンフではなく木の人形をつかみ
そして獣は・・・
「オリオン・・・?」
そう口にすると後ろで立っていたアポロンが大きな声で笑っていた
「やった!さすが姉さんだ!この距離から当てられるなんて!」
腹を抱えて笑う弟に何も言えなかった
でもその場から動くこともできなかった
オリオンの口が動いたように見えた
その口を見届けた後私の視界は真っ暗になった
オリオン・・・こんなことになってしまって・・・
貴方を私は殺してしまったけど・・・私はあなたのことをずっと・・・
目を覚ますと母、レトが心配そうにのぞきこんでいた
「大丈夫?」
そういうとそっとほほにてをそえてきた
私は何を言ってるのかと思ったがじぶんの弓を見た瞬間
すべてを思い出した
「お・・・オリオンは?オリオンはどうなったの!無事よね!?ねぇ!!」
そう叫びながらレトの腕をつかんだ
「落ち着いて!アルテミス!アルテミス!」
レトが落ち着かせようとしていると
「オリオンなら死んだよ」
そういって叔母のヘラが部屋の入口に立った
「ヘラ・・・」
レトが少し強めの口調で名を呼んだ
「本当の事じゃないか、それにお前が打った矢で死なないやつなんぞいないじゃないか」
そういっているヘラをレトは睨みつける
フンっと言ってヘラは部屋から出て行った
「母様、おばさまが言ってることはほんと・・・なの・・・?」
そういうとレトは目をそらしてうなずいた
私は涙が止まらなかった
私が最愛の人を撃ってしまった
「どうしよう・・私・・なんてことを・・・」
そういって泣き崩れた
レトは少し考えてから
「あなたとオリオンは騙されていたのよ」
そういってアルテミスを抱きしめアポロンのしてきたことを
伝えた、ただ、それもアルテミスや世界の事を思っての事だという事も言ってきた
「アポロンが・・・・」
自分をだましてこんなことをさせた憎しみと優しすぎた故の過ちということもあり
複雑だった
しかしこれはオリオンはなにもわるくないと思い
急いで着替えを始めた
「どうしたのよアルテミス?あなたまだねてなくてはだめよ!」
レトがアルテミスの肩をつかむ
「母様、私お父様のところへ行くわ、行かなきゃならないのよ!・・・お願い・・」
レトはため息をつくとかるく微笑み
「何をするかはわからないけど、いいわよ、」
そういって二人で父、ゼウスのもとへ飛んだ
「お父様!!」
走ってゼウスの足もとにいき頭を下げた
ゼウスもレトもとてもおどろいていた
「お願いします!あの人をオリオンを生き返らせて!!あの人は何も悪くないの!!」
大粒の涙を流しながら懇願した
ゼウスは困惑したが
「やってみよう」
といい使い魔にオリオンの体をさがしてこさせた
思ったよりも早くオリオンの体は見つかった
オリオンの首にはあの日のネックレスがしてあり
使い魔はその光に誘われて見つけたといっていた
「オリオン・・・」
思い出すと涙があふれた
術の邪魔にならないように一度ネックレスを取り木箱にしまった
その日から毎日術を試していった
アルテミスも自分にできることはすべてやった
アスクレピオスや、ほかの生命に携わる神をよんで試みたが
「・・・ダメです・・もうこれ以上は・・・」
神は口々に言った
ゼウスは最後の手段だといってハデスを呼んだが
ハデスはオリオンを生き返らせることに反対し、生き返らせることはできなかった
するとハデスは
「生き返らせることには反対だが、星座にしてみるのはどうだ」
と提案してきた
それならいつか月日がたてば会えるようになるし生き返るわけではないので賛成だと
アルテミスは涙ながらにありがとうといった、
条件としてはきちんと神の仕事をこなし、一人前になったら会うということになった
ゼウスや他の神も賛成し、星座になる儀式が始まった
オリオンは父、ゼウスのいる星座学校に送られた
私は一日でも早く本当の女神になって、今度は私が彼を迎えに行こう
そして私は宣言した
「わが名はゼウスが娘、月の女神アルテミス!わが横に出る弓の名手なし!
そして、生涯一人のものだけを愛し、その純潔を汚すことのない処女神となろうぞ!」
神々の喝采をうけながら
心に誓う
まっててオリオン、必ず会いに行くから
読んでくださりありがとうございます!
オリオン編、アポロン編もありますのでよかったら見ていってください!