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プロローグ3

プロローグはコレで終わりです。

 人は他種族に比べ寿命も短く脆い。ゆえに、私よりはやくに逝くことは分かり切ったことだった。


 他と比べ、私達精霊は半永久的に生きる。今までも、何度も友を見送ってきた。


 だが、コレは予想していなかった。



 私の眼の前にいるのは、騎士服を着た者。あの子の上司にあたる者。あの子が死んだ。私の年の離れた友であり物覚えの良い弟子。


 止まった魔道具を見て思わずため息をついてしまった。相変わらず準備がいいことだ。小型魔道具を己の歯に埋め込んでおくとは。しかも転送先は四カ所。自分の部屋、団長の部屋、副団長の部屋、会議室の部屋。おそらく、情報の隠蔽も防ぐためだろう。上に行く前に消されたら元も子もない。


 「その話、引き受けましょう」


 騎士が持ってきた案件は、あの子の死を調べる手伝い。切り離された手足、首。それ以外はご丁寧にもミンチ状態になっていたそうだ。


 魔道具の映像を見るに数は多い。二十以上はあの子に殺られたのに死体はなし。そして顔がぼやけていて視界が狭かった。これでは犯人どころではない。


 「よろしいので?」

 「構いませんよ。確かに私は極力表に出ないように努めていました。ですが、コレは別です」


 私とて、やられたまま黙ってはいない。いい度胸をしている。仮にも過去に王を名乗っていた自分の身内に手を出すとは


 「後悔してもらいましょう」


 多分、今の顔はあまりよくないだろう。あの子いわく黒い笑顔。





 だが、不思議な事に…………あの子はその内、ひょっこり顔を出してくる気がした。長年の勘と呼べるものだろうか。ただそう思いたいだけかもしれないが。


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