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第3話 俺、魔王討伐の真実を知りました。さて、こいつらをどうしましょう?

「iramup,jisqca,and jisqca.」

(魔法言語訳:燃えろ、蒸発しろ、そして消え失せろ)


「it,marn nexfol eat,gnipahellir」

(魔法言語訳:それは、球の形を成して喰らう、地獄の口)


「jisqca marniram to,eat is it」

(魔法言語訳:消化する炎の球が、喰らうはそれ)


「wago to hell,naglfar」

(魔法言語訳:地獄に向かう、死者の船よ)


「imine yanyghx to it and fall!」

(魔法言語訳:我が敵を連れ去れ!)


「''jisqca marniram''!」

(魔法言語訳:消化する火球!)


 フツルギが唱え終わると、目の前にあった『山』が、炎の球の中に消えて行き、その火が消えるとそこには、炎の球があった場所には、ただ、陽炎がなびくだけだった。


 彼女が手を打ち鳴らすと、その山は元通りに修復された。


「さ、やってごらんなさい?」

「いや無理無理無理無理無理無理無理無理っ!あんなの、できるわけないだろ!?」


 俺は両手を前に突きだして叫ぶ。


「何言ってやがる、このモヤシ!魔王討つならこのくらい、無詠唱で出来るようになりなさい!......でないと、ホントに死ぬよ、一記?」

「............は?」


 やっと口に出せたのは、そんな間抜けな声だけだった。


 彼女は、大鎌を一記に向けて、さらに言い放つ。


「それと、魔王はこの程度じゃ、かすり傷すらつかないわ。これはホントに序の口。序の序の序の序!」


 うそ......だろ......?

魔王、どれだけ強いんだよ...。


(でもまあ、それができたら、俺なんて鍛えないだろうしな......)


「この際だから言っておくけど、魔王に対抗するなら、物質的な攻撃じゃ絶対に勝てないからね?かといって、それ以外でも勝てる訳じゃ無いんだけど」

「いやそれどんだけだよ!!?」


 すかさず突っ込む俺を見て、彼女は、フフフ。と一笑し、


「それだけ言えるなら、まだ希望はあるわ。彼女に対抗できるなら、一記にはきちんと言っておいた方が良いわ」


と、聞き捨てならないことを言い出した。


「は?彼女?え、てもしかして魔王って女なのか?!」


 俺はすっかり、魔王は男だと思ってたんだが...。

変なところで不意打ちを食らったなぁ......とか思いながら、フツルギの爆弾発言に、おれは腰を抜かした。


「えぇ。だって魔王って、私のおねーちゃんだし」


 なんと。

魔王はこいつの姉であったとは。驚いたな。


「え、いや、じゃあさぁ、それってお前の姉を殺すことを俺に手伝わせるってことでいいのか?何でそんなことを?」


 もっともな疑問だろう。

しかし、彼女も、もっともな答えを返してきた。


「は?何でって、そんなの決まってるじゃない。



私を殺せるものなら殺してみなさい?この愚妹が



って言ってきたから、頭に血が上って喧嘩したら逆に殺されたからその仕返しよ」


 要するに、だ。

俺は、


「ただ単に、お前らの姉妹喧嘩に巻き込まれただけかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ────っ!!!」



 対魔王戦の真実を見たり。

いやぁ、意外な理由でしたねぇ。


姉妹喧嘩の延長戦に巻き込まれる。


そのついでに一記は力を手に入れる。


......はぁ。ため息が出ますね、この主人公の立場なら。


それでは、また。

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