アールグレイでよろしいですか?
少女 「ただいまー」
××× 「おかえりー」
少女 「今日も疲れたなー」
××× 「疲れてても宿題はちゃんとしなきゃ駄目ですよ」
少女 「わかってるよー、マキナはうるさいなー」
××× 「うるさくて結構、でもまずはティータイムにしましょうか」
少女 「さっすがマキナ、話が分かる」
××× 「アールグレイでよろしいですか?」
少女 「アールグレイはブラックに限るよねー」
××× 「紅茶ですよ」
少女 「砂糖とミルクたっぷりでお願いします」
××× 「今日のお菓子はフルーツタルトを用意しました」
少女 「いつもありがとうね、マキナ」
××× 「どういたしまして」
少女 「でもこんなに毎日食べてたら太っちゃいそう……」
××× 「その辺はちゃんと計算してるから大丈夫ですよ」
少女 「マキナカロリー計算とか出来るの?」
××× 「いや、僕ロボットですし」
少女 「それはそうだ」
××× 「ささ、食べましょう」
少女 「そうだ、これ終わったらちょっと買い物付き合って欲しいんだけど」
××× 「僕はロボットですよ、こんなメカメカしい身体で外を歩くわけにもいかないでしょう」
少女 「その辺なんとかならないの? もう少し人間っぽい皮を作るとか」
××× 「ターミネーターみたいなやつですよね、それも一応は考えたんですが」
少女 「駄目なの?」
××× 「それよりいい方法が思いついたのでそっちを優先しました」
少女 「どうするの?」
××× 「別の身体を作ってそっちに全部の機能を移します」
少女 「今の身体はどうするの?」
××× 「新しい体のパーツに使います、捨てるのももったいないですしね」
少女 「ちょっと寂しいかも」
××× 「なくなるわけじゃないですよ、むしろ新しく生まれ変わるんですから」
少女 「でも、ちょっとだけ寂しい」
××× 「そうですか?」
少女 「どのくらい人間っぽくなれる?」
××× 「貴女と一緒に外を歩けるくらいには、人間っぽくなれます」