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フィクション  作者: 神風紅生姜
22/41

グレン・ヴォルフ

“小説の登場人物”


グレン・ヴォルフ:

50歳

地球連邦軍所属の軍人で階級は准将。

マークの養父であり上司。

二人が出会ったのはアジール・コロニー開放作戦の時、身寄りの無いマークを子供を授かる事の出来なかったグレンと彼の妻キャスリーンが引き取った。

普通でない少年マークに苦労させられたがキャスリーンがマークを実の息子の様に愛したおかげで今があるらしい。

詳しい経歴は不明だが昔は事務職をしていたらしく仕事の早さは定評がある。

艦から離れて行く機影をフィリアは見た。


「ジュディゲル機の発進を確認、慣性飛行で目的地へ向かってます」と口頭でそれを私へ伝達。


私は艦長席に深く腰掛け、出撃するマークの機影と模擬戦の映像をデスクに備え付けられたモニターに2分割投影し眺める。


「察しの良い奴だ」


「何の話です?」


ふと呟いた言葉に操舵手のランスが疑問をかける。


「我等が副司令様だよ、俺は慣性飛行の命令を出した覚えは無い、あの飛行方法では目的地に着くまでの時間が掛かり過ぎる」


ブリッジの皆がそれを聞いた。


するとフィリアは慌ててマークへ無線連絡を取ろうと機械を操作。


「別に責めてる訳では無い、模擬戦の二人に気付かれず済めば良いと私も考えた」


「何がおっしゃりたいのです?」


「だから“察しの良い奴”と言った、結局それは私の願望でしかなかったから命令に加えなかったが奴はそれを見抜いた訳さ」


そんな私の吐露を聞いて偵察カメラのアングルを片手間で熟すカイトは「流石はNT様々だね」とマークを讃える。


だがしかし「と言うよりも、奴が私の言葉から心情推測したに過ぎない」というのが真実であろう。


奴はそこまで自身の能力に頼る男でない。


それに頼るまでもなく持ち前の頭で状況を推察出来るのだから。


「…彼女は気付いたかな?」


その呟きを聞き皆は頭上に疑問符を浮かべたが、それに間髪入れずハンドレットから送られた無線通信に耳を傾ける事になる。


「こちらハンドレット、今誰か外に出ませんでしたか?」


フィリアがそれに返答するより早く私はヘッドセットのマイクを持ち「気のせいだ、それより今は目前のパヴヂガンに集中してくれたまえ」と告げる。


ブリッジの皆は私の素早い対応を見て何とも言えぬ顔をしている。


「…わかりました」


「もうタイムは残り10分を切ったぞ、いつまで手加減をするつもりだ?」


「もうしばらくは」


「あまりロビンを怒らせるなよ」


「了解」


短い返答で無線は切れた。


「…あくまで伝えないつもりですか?」


急に不愉快な顔をしてフィリアは何を言うと思えば。


「馬鹿を言え、何か起こったら伝えるさ、奴らならそれで充分間に合う」


「根拠は?」


「いま彼女は目に見えていないにも関わらずマークが出撃した事に気付いた。ならばもし最悪の事態になろうなら彼女は私の指示を仰ぐ事無く素早く行動に移す」


側で会話を聞いてたランスも心配になったのか「艦長… いくら何でも憶測でそこまで断定するのは危険では?」と零す。


「…皆解ってると思うが此処は“ゴミ箱”と呼ばれる所だ、そこに集まる連中を束ねる私が君達の報告書に目を通せばどんな問題を今後起こすであろう想像は容易、今のロビンの件も範疇、余興にちょうど良かったろ?」


全て聞き「本当に艦長は敵に回したくない」とカイトは笑う。


だが新人のヘレンは「…掌の上で人を転がす人」と声小さく私を揶揄。


…まぁ聞こえなかった事にしよう。


それにしても…


ハンドレットにサイコミュ系センサーは装備されてないにも関わらずマークの出撃に気付く。


ならもしやここから30km以上離れたアノ機影にも気付いてるのではないか?…










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