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フィクション  作者: 神風紅生姜
18/41

ロビン・パーソン

“小説の登場人物”


ロビン・パーソン:

23歳

地球連邦軍所属の軍人で階級は中尉。

同じく中尉のユリ・キショウをライバル視しているが、彼女は相手にしていない。

敬愛する人物の一人にマーク・ジュディゲルの名をあげるが、超えるべき壁としての認識が強い。

優れたパイロットでありNTだが直情的性格がその才能を潰している。

また独善思考の持ち主で熱血漢でもある。

「…ハァ、…ハァ、…ハァ」


体当たりの加速Gで呼吸が乱れる。


「何が“バルーンを使ってみろ”だ…」


師匠の言葉を信じやってみたが、結局阻止されてしまった。


一度目の体当たりは一時的な衝撃で大したものでなかったが、二度目の体当たりは速度が早過ぎて軽く意識が飛んだ。


おかげで艦に再び接近するのが困難な位置まで押し運ばれてしまっている。


「スピードは互角か、それ以上…」


女のくせにやる。


こっちの武装は両腕共にビームアサルトライフル。


「射程が短過ぎる」


だが弾数はハンドレットの凡庸なビームライフルより多く、連射性能に優れる。


「中距離で持久戦に持ち込めば勝てる!」


軽くペダルを踏み込みハンドレットに接近しながらトリガーを引く。


連射される模擬ビームの光がハンドレットに迫る。


ハンドレットは上体を反らして後退しながら乱射されたビームすべてを回避し反撃の為、パヴヂガンの右斜め下方に回り込み姿を消した。


「何処だ!?」


全天モニターには左斜め下に小さく艦が見える以外は岩石ばかり。


今攻撃対象を再び戦艦に移したら確実に狙撃される。


俺はライフルの仕様を連射から単発のセミオートに切替、息をゆっくりと整えながら瞼を閉じる。


すると上方から何か嫌なものが迫ってくる感覚がした。


瞼を開け、慌てて姿勢制御をするとビームが目の前を通り過ぎた。


「クソッ!」


俺のパヴヂガンはシールドを装備していないので、一発でも当たれば負けだ。


「よく解ったわね」


無線通信でキショウ中尉の声がヘルメット内に響く。


「一応はニュータイプって訳ですか?」


挑発的な言葉があまりにムカついたので感情のままの言葉を無線で彼女にぶつけた。


「ほざけクソ尼が!」


「言葉が汚いです」


「他になんて言えばいい!? 腐れ尼か!」


「呆れた…」


「呆れたのはこっちだ! 演習で体当たりかます馬鹿女が言う台詞じゃないだろ!!」


「私は格闘戦が得意ですが、サーベルを抜く間がなかったので体当たりでご勘弁を」


「ホントにムカつくな、お前!」


「ならもう隠れませんから、パーソン中尉が得意な戦闘に付き合います」


…こいつ!


捕捉したハンドレットへ向けライフルのトリガーを繰り返し引き、模擬ビーム弾を5発放つ。


「…!?」


ハンドレットは回避運動らしい動きもせず、ロックオンされて放たれたビーム弾5発全てを避けた。


弾道は確かに命中コースのはず。


「何故だ!? 有効射程距離内だぞ!?」


ペダルを踏み込んでロックオンしているハンドレットの左側へ回り込みながらビームを4発続けて撃ち込んだ。


だがまた当たらない。


弾道は先程と変わらず命中コースを通っている。


ハンドレットが反撃のビームを3発放つ。


ペダルをいっぱいに踏み込まないと避けられない。


「…んっ!」


加速Gに堪え3発全てが通り過ぎてからペダリングし、ハンドレットの背後に回り込みビームを3発撃ち込む。


しかし当たらない。


確かにロックオンしている。


にも関わらずハンドレットはスラスターの一つも吹かさず、回避運動も無しで全て避けている。


「センサーが逝かれてるのか!?」


ハンドレットがテールスラスターを吹かし上昇しながらビームを放つ。


こっちは避けるので精一杯だ。


「もう一度!」


再度ビームを放つ。


だが命中しない。


ビームにホーミング性能は無いにしても、ロックオンしている標的が回避運動無しで避ける等…


「何故だ!?」


暖簾に腕押している様な手応えの無い不可思議な現象に歯痒さと無力さを感じる。


「自分がどういう状況に置かれているか解らないのね…」


キショウ中尉の言葉が虚しく響く。


悔しい…










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