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フィクション  作者: 神風紅生姜
16/41

裏方

ブリッジから青白い光の帯を引いて漆黒の宇宙を駆けるMSの姿が見えた。


「パヴヂガンの発進を確認」


「パーソン機に通信し配置へ誘導」


「了解」


フィリアからの報告を受けグレンは次の指示を出し、彼女は機械を操作しパーソン機へ座標のデータを送信すると同時に口頭でも詳細をパーソン中尉に伝えた。


「ダミー及び偵察機配置完了、すぐにスクリーンへ投影しますか?」


「いや、まだ役者が揃っていない」


「はっ?」


「キショウ中尉だよ、二人が配置に着いてからだ」


グレンがクライシ准尉と話していると噂のご本人から通信が入り、ブリッジ内に彼女の声が流れた。


「こちらハンドレット、発進許可よろしいですか?」


「フィリア、キショウ中尉を出してやれ」


「カタパルトは?」


「目的は艦の防衛だ、遠距離へ向かわせる訳じゃない、デッキから直接で構わん」


フィリアはヘッドセットのマイクを指先でつまみキショウ中尉へ指示を出す。


「ハンドレット出て下さい、今回は防衛なのでカタパルトの使用はありません」


「了解」


キショウ中尉の返答からしばらくし、ブリッジ左側の窓からオレンジ色の派手な機体が姿を見せた。


機体はデッキを踏みブリッジの真横まで飛翔した所でテールバーニアが上方へ駆動して光を噴射、舞う機体を静止させた。


それを見たグレンは艦長席に引っ掛けてあるヘッドセットを手に取りマイクの部分を口に近付けた。


「キショウ中尉、この模擬は奇襲攻撃の想定だ、何処からロビンが来るか教えんよ」


「わかっています」


「声が楽しそうだな」


「まさか、これも仕事です」


「そうか」


キショウ中尉と短い会話を交わして通信を切った。


グレンはブリッジ要員全員へ指示を出す。


「クライシ准尉、偵察機のアングル調整、まずは艦内の全モニターに8番の映像を」


「アイアイサー!」


「フィリア、ロビンの配置は?」


「今到着しました」


「よし! 今から60秒後に開始、二人にカウントダウンを送信しろ」


「はい!」


「ヘレンは両機と艦のモニタリングを、あとフィリアに代わって艦内放送も頼む、内容は解るか?」


「えっと… カウントダウンを読み上げればいいのですか?」


「…まぁそれで構わん、頼むよ」


「…はい!」


グレンの適確な指示に従い皆は各々の仕事を熟す。


一人を除いて。


「自分はどうしましょう?」


「そうだな… ランス君は私と何か飲み物でも飲みながら観戦といこうかね」


「…こういう時の操舵手は暇でかなわん」


「ハッハッハ、今エンジン出力の計器を見ても意味無いしな。観戦も仕事だと思え」


「ベースボール中継のつもりで楽しませてもらいます」


「そのいきだ、では若き新星二人“アヒンサー&ピットブル”の舞を拝見しよう」…










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