誤算
「フレイム(超小声)」
ドカンッッ
「なんで火柱になるのさ…」
項垂れる私。フェニックスが小鳥サイズで肩に乗りつつ宥めてくれる。
実に困った。
魔力コントロールが効かない…
〈魔力コントロールが効かないのは魔力が大きすぎるからだな〉
「私、細かい作業得意じゃないのに!」
何故、香苗が頭を抱えているか。それは彼女が順序よく、アイリス=ラエビガータ国立学舎に入学した事に由来する。
志望する将来の職により、学科を決める(この辺日本と変わらない)
精霊と契約した以上魔法学科が良いと思い選択したのだが、今更ながら失敗したかもと後悔しているのだ。
本日プレ授業があった。教授が炎を生徒の前で出して見せたのだ
【炎よ全てを焼き尽くす炎よ契約者たる我の掌中に現れよ】と。
それを見て純粋に楽しそうだと思ってフェニックスに魔力を隠して貰いつつ、小鳥に変幻してもらいアイリス=ラエビガータの中でも目につきにくい場所に移動して教授の真似をしたのだが…彼女が考えていたより遥かに彼女の有した魔力は強かったのだ
教授と同じ詠唱をすればクレーターが出来、詠唱の言葉を減らせばクレーターは出来ないまでも炎が渦を作った。
とうとう、冒頭まで減らしたのに、それでも駄目とかどうしたら・・・
<改めて主の魔力の強さを実感いたしますね>
しみじみと言うフェニックスを掌に乗せる
「・・・・関係ないんだけど」
<?>
「何時もこの姿でもいいんじゃない?とっても可愛いし」
<・・・主よ、かなり複雑なのだが>
掌の小鳥は淡いオレンジの羽を羽ばたかせる
そうは言われても目はクリッとしてるし柔らかい羽は触ってて心地良い。
頬が緩むのを自覚していれば後ろからガバリと抱きつかれた
「・・・・何してんの?」
<カナエがフェニックスにばかり構うのが悪いだろう?>
サタンが面白くなさそうに言う。見れば他の精霊も面白くなさそうで、人間ぽい精霊だとつくづく思う
<それにしても、こんな弊害があるのねぇ>
<魔力が大きいって良い事ばかりだと思うんだけどなぁ>
<カナエ様どうするんですか?>
セラフィム、ファヌエル、バエルに順に言われ、悩む
「練習しかないんじゃない?」
最もである。
「ねぇ、所でさ、この焼け野原何とかなる?
<大丈夫だ。すぐ直そう>
短い