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暗き牢

水音がする






断続的な音に睡眠を邪魔され不快に思うも眠りの中、ふと我に帰る





何時(いつ)寝た…?





思い出すのは夕暮れの空



何時もの専門と家を繋ぐ通学路



グニャリと沈むアスファルト



呑み込まれる身体



凍りつき声にならぬ叫び



はっと目を開いた



<おぉ、起きたようじゃの>



・・・もう一度夢の世界に戻っていいだろうか・・・



<現実に戻ってこい。>



「・・・貴方、どなた?」



<儂か?儂はいわゆる、精霊じゃな。御主は・・・随分変わった魂の持ち主じゃの>



まじまじと見つめられ思わず仰け反る。こんな口調なのに、彼自身は金髪碧眼の美系なのだ。



「せいれい・・・」



<世界を超えたか。娘>



「・・・かもしれない、ですね」



<納得したのか?飲み込みが早いな>



「生憎、私に霊感なんて生まれて20年、なかったものですから。白昼夢を見てるなんて事もなさそうですし。・・・現状に嘆くのを先にするより、現状の把握に動く方が良さそうですし」



<賢き娘。儂に何か聞きたい事は?>



「この世界について、一般常識、この場所について」



<賢明じゃな。



この世界に名はない。遥か昔、虚無だったのを二人の神が創生した名もなき世界



天、或いは生をつかさどる神、リヒト



地、或いは死をつかさどる神、ナハト



天を創り地を創った二人の神は溢れる神力で更に他の神を生み出した



火を司る神、フランメ



水を司る神、クヴェル



雷を司る神、ブリッツ



緑を司る神、ブラット



風を司る神、ルフト



更にそれら神々によって生み出された精霊達



彼らの力は具現化し世界に大地と広大な海が生まれた



海からは複雑な身体構造の生物が生まれ



大地からは様々な種の緑が生まれた



やがて生物は大別して三種になる。



大きな体と翼を持つ天空の覇者、ドラゴン族



大地と大海の覇者、人・獣人族



闇の覇者、魔族



彼らは精霊や独自の魔法、魔術によって世界に生きる。ここまでは良いか?>



「大体」



<この世界は更に幾つかの国に分れている。ここは人主体の王国ケーニヒ



その王宮地下牢だ>



「・・・地下牢?」



<そうだ。>



「私何か悪いことした?」



<さて、人族の考えなど分らぬ。



大方不法侵国じゃないか?>



「そりゃそうか」



<納得が早いな。そなたの思考の回転力は称賛に値する>



「それは・・・アリガトウ?」



<やはり面白い娘じゃ



娘、儂と契約せよ>



「へ?」



<右も左もわからぬ世界じゃ。儂がいたほうがお得ぞ?>



「それはまぁ・・・契約って?」



<我等精霊を使役するために交わす約束事。やり方は簡単じゃ。精霊ワシの体に触れ、名を呼べばいい。ついでに御主の名前も言うんじゃ。精霊が納得してなければ名は分らぬ。>



「・・・・・貴方も物好きよね



よろしく。私の名前はカンヌキ 香苗カナエ



えっと、・・・・サタン?」



<儂は闇の精霊



よろしくな。世界に愛された娘>



掻き消えた精霊、サタンに目を見開く



しかし間もなく更に大変な目に合うとは思わなかった



「サタンって悪魔の名前じゃん・・・」

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