ご機嫌斜め
ご機嫌斜めだ。
誰が?想像つくと思うけど、サタン筆頭の精霊達が、だ。
<主は私達がお嫌いですか>
縋り付く様な目で見つめてくるフェニックスにそんなわけ無いじゃない。と頭を撫でる
勿論姿は小鳥だ。人型にしても本性にしても巨大なので最近は基本小鳥姿で右肩にいるのがフェニックスの定位置になっている
ちなみに現在自室のソファの上に座っているのだが、右肩にフェニックス、左肩にはサタン、右隣にはバエル、左隣にはファヌエル、後ろから抱き着いてきているのがセラフィム。
最近こういうべったりするのが多い・・・いや、私も嫉妬させちゃってるから強く言えないけど、ウチの子達は本当に嫉妬深い。
ちなみに先ごろ契約したランクCのフィンは離れたところで待ての状態で、その目は切なそうだ。
うん撫で繰り回したい・・・
「サタン達もそこまでにしとけよー。カナエが本当に嫌いになるわけ無いじゃないか」
<あら、そんなこと、当然よ>
<僕達だって、カナエ様が僕達を嫌いになることなんて無い!って思ってるもの。>
<心象の問題なんですよ。>
「さいですか・・・でもよ、今回フィンをカナエが契約できてよかったぜ?」
断言するルーファに首を傾げる
「当の本人が今一理解してないみたいだけど、これから実践の授業も入ってくる。だがサタン達を使役なんてできっこないじゃん。
もしカナエがサタン達最高位の精霊を使役できると知られ、広まれば、学校なんてすっ飛ばしてほぼ強制的に王宮に取り立てられる。王宮に束縛されて、自由を奪われるぞ。
だが教師の前で、Cランクのフィンを召還した。これから学園での訓練や勉強はフィンがこなす
カナエは普通よりちょっと優秀な女の子って印象しか残らないからな」
「束縛はいやぁね」
<我らとて、何が最善たるかを考える頭くらい持ち合わせるが、心は違うというものだ。
我らは我らのみを見ていただきたいと何時だっておもっているからな。>
<まぁ本当は私達を使役してもらいたいけれど、ちょうど良い番犬が出来たとでも思っておくわ>
本当に渋々といった様子で納得してみせる精霊達に苦笑するしかないじゃない?
みんなの頭を撫でて、めい一杯甘やかして、フィンも呼んで、撫で回して、
漸く一息ついたのであった。