召還術実践!!
精霊についてのこの国の常識を聞いた翌日、心待ちにしていた実践授業が始まる
場所は外。実力者の子女子息ばかりなので何が召還されるか分からないから外らしい。
ちなみに昨日のことでサタン達のご機嫌伺いには苦労した。みんな拗ねてベタベタ引っ付くんだもの
本日の教員は若くて実力もあるクラウス先生。29歳だが宮廷で魔法士の仕事もしていたエリートだ
彼は家柄よりも実力ややる気を重視するので皆平等に扱うから好感が持てる。教員の中にはあからさまに贔屓する人だっているのだ。めんどくさい
「では、今までの復習に本日は召還術を実践して貰う。
まずどんな動物を召還したいか思い浮かべろ
次に陣を地面に書け
最後に詠唱をする。
分からないことはないな?では始めろ」
気持ち良いくらいさっぱりした教員だ。彼は実力があるのでサタン達は完全に隠れている。呼ばないと出てこない
クラスメート達はみんな各々散らばって早速陣を書いていたりする。ルーファ曰く大体の人間が既に経験済みらしい。私もしないと遅れる・・・
動物・・・犬とか?こんなザックリした想像でいいのか?
陣は覚えた。スラスラっと書く。ちなみに木の棒。貴族じゃあるまいしステッキとか持ってないっての
「可愛い子が良いなぁ」
力が強すぎるので長ったらしい詠唱だと何が出るか分からないから、希望をボソッと言う
これでもOKなのだから我ながら末恐ろしい・・・
「お、陣が光った」
PRGみたいに陣が眩く光る。他の子達と同時期らしく目がくらむ様な光に包まれた
「カナエ、召還できたか・・・・って凄いな。流石」
「狼かなぁ?ものすごく可愛い」
陣が光って現れたのは大型犬より大きな狼で真っ黒の身体に毛並みは最高・・・
おまけに尻尾を振って顔を擦り付けてくる。超可愛い!!
「かわいいなぁ・・・私は閂 香苗。貴方はフィンというのね。宜しく」
「契約までしたなんて流石だなぁ。」
「あーそういえば名前を言って名前が分かって呼べば契約なんだっけ?忘れてた・・・
ルーファの肩の子が召還した精霊?」
「あぁ。こいつは俺の契約してた精霊。名前はカイン。見ての通り大鷲だ」
「可愛いわねー」
頬が緩むのが分かるが可愛い動物を見て癒されるので自重しない。
「カンヌキもクライスも召還成功だな。2人ともランクC。素晴らしい。クライスは契約精霊だがカンヌキはこの場で契約を交わしたのでカンヌキは査定ポイントを他の人間よりプラスしておこう。
ランクCというのも評価ポイントだな」
クラウス教員が満足げに手にしている名簿になにやら書き込んでいく。
ちなみに他のクラスメートはみんなランクE~Dで私とルーファが最高らしい。意外すぎる。
この授業から契約した精霊は一緒に授業を受けてよくなった。可愛い可愛いカインに一杯癒されよう
・・・サタン達の嫉妬が怖いが。
新しい登場人物
クラウス(29)実力高い魔法士。平等な教員
フィン・・・ランクはC+。一般的なCよりどちらかといえばBに近い毛並みは漆黒で体も大きい
カイン・・・ルーファの契約精霊。体長二メートル近い大鷲。