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絶対に目立ちたくない元社畜おっさんの職人NPCスローライフ~推しモブに成り代わってしまったので代わりに夢を叶えます~  作者: 嘉神かろ
第2章

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第44話 モブサブの助っ人参戦!

「アルゴスさん、アイランドウルフの群れを引きつけてください! 僕たちはその間にサーペルムを仕留めるよ!」


 雑魚を寄せておいて大物を一気に狩る作戦か。VITの十分なタンクがいる場合の常套手段だな。それが現実でできるなら悪くない思い切りの良さだ。


「来いっ、わんこども!」


 指向性のある挑発スキルを青緑色の狼達に向け、ヘイトをかせぐ。こいつら程度なら、もう俺から目が離せない。


 そのまま真っ青で巨大な海蛇と対峙するケイン達から距離をとる。これで事故の確率は減った。


 こちらを睨む黄色の目は四対。一人で全滅させることは簡単だが、あえて耐えるのみ。

 一応盾で受けながら、ケイン達がサーペルムを討伐するのを待つ。


 サーペルムはワイバーンと同じく低位の竜だから、それなりに強い。この階層内でなら最強クラスだろう。


 確定行動の切り札もあるし、今のケインたちじゃすぐには終わらせられない。

 それでも、正面から戦えている。出会った頃は子供にすら苦戦し、はめられなければ死ぬしかないような状態だったのに。


 少し感動するな。本格的に面倒を見始てからまだひと月も経ってないんだが。


「横薙ぎブレスがくる!」


 来た、切り札だ。

 超高圧で発射する水のブレスで、蛇のような体を活かし三百六十度薙ぎ払う攻撃。それは生半可な鎧や盾じゃ容易く両断されるもので、今ケイン達が見に纏うのもそれだ。


 四人が一斉に他に伏せた。ブレスはその頭上を通り過ぎて俺を濡らす。

 よし、ちゃんと避けたな。サーペルムはブレス後無防備になる。攻撃チャンスだ。


「畳みかけて!」


 リリエが吟遊詩人の詩でバフをかけ、カロックが忍のスキルで切りつけて状態異常とデバフを与えた。

 そこにルカが隠者の精霊魔法で雷を落とせば、サーペルムの海のような青の鱗が砕かれる。


 とどめは、ケインの聖騎士スキルだ。剣が光を纏い、そして振り下ろされる。砕かれた鱗でそれは防げない。肉も骨も切り裂き、そして息の根を止めた。


「あとはウルフ達だけだ! アルゴスさんに集中してる間に倒しきるよ!」


 それからは一瞬。群れであることが脅威のウルフ達は防御面で弱く、俺から目を離せないままに一掃された。


「ふぅ。お疲れ様です。アルゴスさんのおかげで楽に勝てました」

「ケインの判断があってこそだ」


 今回の俺は指示通りに動いただけだからな。


「ところでだけど、サーペルムのブレスが直撃してたのは私の見間違い?」

「それ、私も見ましたねー」

「ああ、当たったな」


 分かってるからそんなに引かないでほしい。鋼鉄すら切り裂く攻撃で濡れただけなのはたしかに非常識なVITだが、それでもその反応は泣くぞ? 心は身体ほど頑丈じゃないからな?


「まあ、これも今更といえば今更ですねー。ワイバーンの火球でも無傷でしたし-」

「たしかにそうね……」

「それより解体を始めるぞ。アルゴスさん、サーペルムの皮があればいいんだったよな?」

「ああ。ケインの鎧の可動部に使う」


 柔軟性と一部を除いた属性耐性に優れ、頑丈さも十分に高い素材だ。防御力に不安のある可動部にちょうど良い。


 これで目当ての素材の一つ目が手に入った。


「それにしても、まさかこんなに楽に進めるとは思ってませんでした」

「タンクさえ崩れなければ大抵の状況はどうにかなるからな。楽さに直結するのは間違いない。だがまだ三十三階層だから。油断はするなよ」

「はい。油断はしません」


 それなら良しだ。この調子なら問題なく四十階層にたどり着ける。


 さて、話している間にだいたい解体できた。やはり五人だとすぐだな。

 あとは手を貸すと逆に邪魔になる。待つ間に何かできることは――


「ん? おっ、大鉱床! おまえらちょっと採掘してくる!」


 ケイン達の装備に使うものじゃないが、大鉱床を見つけて掘らないのは無い。すぐ目の前だしな。


「僕も手伝いますよ」

「助かる。ほれちょっといいツルハシだ」


 そーれカーン、カーンっと。

 ケインもなかなか様になってるじゃないか。当然だが、これも一人で掘るより断然早い。


 ふぅ。

 うん、今回もなかなかいい量だ。来た甲斐があったな。


 おっと、目的は別だからな。忘れてはいけない。


「こっちの解体は終わったぞ」

「採掘もちょうど終わった。行くか」

「次は、三十五階層でしたね」

「ああ。リリエとルカの杖の素材がそこだ」


 次は木材だから、気をつけるのは寄ってくるモンスターだけでいい。場合によっては俺が引きつけてる間に伐採してもらうでもいいな。


「それじゃあ行きましょうか。まだまだ素材が必要ですし」


 よし、この調子でどんどん行こう。今の感じなら四十階層まで苦戦することはないだろうしな。


 カロックを先頭に、三十五階層、三十六階層と順調に降りていく。助言をよく聞いてくれるし、ケインの指示もなんだかんだ悪くない。

 この様子ならやはり、装備さえあるなら自力で四十階層にはいけるな。


 素材の集まりも良い。サーペルムの皮に始まり、マギニカの樹木、潮風草ともう三種類も集まっている。

 この辺りまで来る傭兵も増えているようだから、何カ所か採取ポイントを回る必要があると思っていたんだが。どうやらまだまだ見落とされている所が多いらしい。


「さて、三十七階に行く前に少し休憩しましょうか。そろそろ昼食の時間です」


 もうそんな時間か。やはり迷宮に潜ると時間が経つのが早いな。

 だがこの調子なら、夕方には迷宮から出られそうだ。


 まあ、割と楽しいし、時間がかかっても悪魔族の襲撃にさえ間に合えば問題ないが。


 ともかく、この時間で武器の手入れをしてやるか。守護者の落とす素材がほしいのは半分俺のわがままだしな。



次回から週1更新です。

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