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詩小説へのはるかな道 第89話 キスの思い出

作者: 水谷れい
掲載日:2026/01/13

原詩: 初めてのキス


初めてのキス

それはたぶん お母さん

初めてわたしを抱いたとき

きっと チュッとしてくれたはず


初めての接吻

それは幼稚園の ゆうたくん

互いのほっぺを手で押さえ

唇とがらせ ツンツン


初めての深い口づけ

それはもちろん あなた

フレンチポテトを食べた後

これがフレンチキスだって


洒落てるのか 洒落てないのか

ディープキスはオイリーでした


ーーーーーーー


詩小説: キスの思い出


ロマンティックな韓流ドラマを見ていると、キスの思い出がよみがえってきました。


たぶん最初は、お母さん。

生まれたばかりのわたしを抱き上げて、小さな顔にそっと触れるみたいに落としたキス。

その記憶はもちろん残っていませんが、きっとそんな穏やかなキスだった気がします。


それから、幼稚園のゆうたくん。

お昼寝のあと、二人でほっぺを押さえ合って、唇をとがらせて、ツンツンとぶつけました。

あれはキスというより、ただの遊びだったはずなのに、妙にくすぐったい思い出になっています。


そして、あなた。

フレンチポテトを食べたあと、ふざけて「これがフレンチキスだよ」なんて言うから、わたしは笑いながら身を寄せました。

あなたの唇はあたたかくて、少ししょっぱくてオイリーでした。

ロマンチックなのか、そうじゃないのか、判断に困る味だったけれど、胸の奥がじんわりしました


その夜、ベッドの中で、こんなことを考えました。

キスって、順番に意味があるのかもしれない。

最初は守られるキス、次は遊びのキス、そしてようやく、誰かを選ぶキス。

そう考えると、なんだか全部がつながっている気がしました。


翌朝、その話をすると、あなたは少し照れた顔で言いました。

「じゃあさ、次のキスは何になるんだろうね」

わたしは少し考えてから答えました。

「うーん……たぶん、食後の口の油をちゃんと拭いてからのキスかな」

「それ、ただのマナーじゃん」

でもそのあと、あなたはちゃんとナプキンで口を拭いてから、そっとキスをしてくれました。

そのキスは、驚くほどやさしい味がしました。


=====


わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。


連作短歌: キスの思い出


Ⅰ 守られるキス


生まれては

まだ名も知らぬ

わたしへと

そっと落ちたる

母のひかりよ


Ⅱ 遊びのキス


昼寝あと

ほっぺ押し合い

つんと触れ

くすぐる風の

ゆうたくんの影


Ⅲ 選ぶキス


フレンチの

塩気ののこる

くちびるに

恋かどうかを

胸が決めてた


Ⅳ 意味の順番


守られて

遊んで選ぶ

その先に

つながる道を

夜のわたし知る


Ⅴ やさしい味


ナプキンで

油を拭いて

寄るくちに

驚くほどの

やさしさの味

詩をショートショートにする試みです。

詩小説と呼ぶことにしました。

その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。

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