詩小説へのはるかな道 第89話 キスの思い出
原詩: 初めてのキス
初めてのキス
それはたぶん お母さん
初めてわたしを抱いたとき
きっと チュッとしてくれたはず
初めての接吻
それは幼稚園の ゆうたくん
互いのほっぺを手で押さえ
唇とがらせ ツンツン
初めての深い口づけ
それはもちろん あなた
フレンチポテトを食べた後
これがフレンチキスだって
洒落てるのか 洒落てないのか
ディープキスはオイリーでした
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詩小説: キスの思い出
ロマンティックな韓流ドラマを見ていると、キスの思い出がよみがえってきました。
たぶん最初は、お母さん。
生まれたばかりのわたしを抱き上げて、小さな顔にそっと触れるみたいに落としたキス。
その記憶はもちろん残っていませんが、きっとそんな穏やかなキスだった気がします。
それから、幼稚園のゆうたくん。
お昼寝のあと、二人でほっぺを押さえ合って、唇をとがらせて、ツンツンとぶつけました。
あれはキスというより、ただの遊びだったはずなのに、妙にくすぐったい思い出になっています。
そして、あなた。
フレンチポテトを食べたあと、ふざけて「これがフレンチキスだよ」なんて言うから、わたしは笑いながら身を寄せました。
あなたの唇はあたたかくて、少ししょっぱくてオイリーでした。
ロマンチックなのか、そうじゃないのか、判断に困る味だったけれど、胸の奥がじんわりしました
その夜、ベッドの中で、こんなことを考えました。
キスって、順番に意味があるのかもしれない。
最初は守られるキス、次は遊びのキス、そしてようやく、誰かを選ぶキス。
そう考えると、なんだか全部がつながっている気がしました。
翌朝、その話をすると、あなたは少し照れた顔で言いました。
「じゃあさ、次のキスは何になるんだろうね」
わたしは少し考えてから答えました。
「うーん……たぶん、食後の口の油をちゃんと拭いてからのキスかな」
「それ、ただのマナーじゃん」
でもそのあと、あなたはちゃんとナプキンで口を拭いてから、そっとキスをしてくれました。
そのキスは、驚くほどやさしい味がしました。
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わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。
連作短歌: キスの思い出
Ⅰ 守られるキス
生まれては
まだ名も知らぬ
わたしへと
そっと落ちたる
母のひかりよ
Ⅱ 遊びのキス
昼寝あと
ほっぺ押し合い
つんと触れ
くすぐる風の
ゆうたくんの影
Ⅲ 選ぶキス
フレンチの
塩気ののこる
くちびるに
恋かどうかを
胸が決めてた
Ⅳ 意味の順番
守られて
遊んで選ぶ
その先に
つながる道を
夜のわたし知る
Ⅴ やさしい味
ナプキンで
油を拭いて
寄るくちに
驚くほどの
やさしさの味
詩をショートショートにする試みです。
詩小説と呼ぶことにしました。
その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。




