第46話「背景からの卒業」
霧町の学校、教室の窓から陽光が差し込む。
俺、存在感0を失い、転校生として机に座る。
連合の企み、妹の救出、美咲との別れ――戦いは終わった。
生徒たちが「英雄!」と囁く。胸が締め付けられる。
ジャンル混合は収束し、霧町は普通の学園ものに落ち着く。
俺、モブだったのに、物語の中心になった。新しい物語、ここから始まる。
(モブじゃない俺、何を築くんだ?)
教室の片隅、無口な男子生徒Aが目に入る。
教科書をじっと見つめ、どこか見覚えのある雰囲気。
新しいモブ転生者だろ?
俺、近づき、小声で「背景へようこそ」と呟く。
彼、驚いた目で俺を見る。!?やっぱり転生者!
俺、ニヤリ。「モブの力、悪くないぜ」と言う。
彼、微かに頷く。
俺、考える。俺も昔、あんな風にこの世界に来た。
背景に再定義されたんだ。連合を倒し、存在感0を捨てた今、俺は彼に何を伝えられる?
(新モブ、来たか。俺、導く側だ!)
授業後、校庭で彼と話す。
「この世界、最初は訳わかんねえよな」と俺。
彼が「…どうやって目立つの?」と呟く。
俺、笑う。「目立たなくていい。ルールを乱せ。それがモブの力だ」
彼、目を輝かせる。
俺、背筋が凍る。美咲の言葉が蘇る。「君、ルールを乱す者」。
俺、モブを超えた。連合のジャンル混合、管理者の復活、妹の救出――全て俺の選択だった。
俺、校庭の空を見上げる。この物語、俺が作る。
(モブの力、引き継ぐ。俺の物語、続く!)
校庭の隅、夕陽が映える。
俺、彼に言う。
「この世界、ジャンルが混ざってた。ミステリーの霧、ラブコメのキラキラ、ファンタジーの魔法――全部ぶっ壊した。モブの力でな」
彼が「…俺にもできる?」と聞く。
俺、ニヤリ。「お前次第だ。ルールを乱してみろ」
彼、初めて笑う。
俺、考える。俺も最初、モブとしてビビってた。でも、美咲と妹を守るために戦った。存在感0、捨てた。
俺、今、物語の登場人物だ。
(新モブ、ルールを乱せ。俺、お前の先輩だ!)
教室に戻り、教科書を片付ける。
生徒たちが「英雄、明日も何かすんの?」と笑う。
俺、「さあな、物語次第だ」と返す。
霧町の空、霧が晴れる。連合の企み、存在感0の喪失――戦いは終わった。
俺、モブを超え、存在を選び取った。
教室の片隅、新モブ転生者が教科書を開く。
俺、彼に微笑む。物語の外から「次のページをめくる音」が響き、幕が下りる。
(連合、ジャンルの霧を操ったなら、俺、存在を選び取る)




