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お読みいただきありがとうございます! シエルはチートです。

「ああ! そういえば、ティリアネ様から魔法の使い方を教えてほしいって言われたの、忘れてたわ! 」


 少し重くなった雰囲気を払拭するように、突然紅羽が声をあげた。


「そうであったな」

「シエルよ、ステータスを見せるのだ」

「わかった。・・・どうやって見るの? 」


 白氷にステータスを見せろと言われて、咄嗟にファンタジー魔法の定番通りに片腕を突き出したけど、そんなんでできるわけがない。


「む、そうだな・・・。自身の今の状態を数値化するイメージと共に、『ステータスオープン』と唱えるのである」

「数値化・・・」


 パソコンの画面みたいな感じかな?


「『ステータスオープン』」


 すると、パッと目の前に文字の羅列が現れた。



 種族:半神

 適正魔力属性:火、水、土、風、氷、雷、翼、鋼、守、癒、呪、夢、植、獣、音、語、毒、血、空、時、光、闇

 称号:神々の愛子(アマデウス)世界の愛子(コスモ)悠久の時を生き抜く者(シエル)神獣を従えし者(フェアトラーク)過去を仕舞いし者(メモリアル)



ナンダコレハ?



「すまないが、我らにも見えるようにしてくれるか? 」


 私の後ろへ回ってきた黎月が、声をかけてくる。


「あ、うん。えっと、どうしたらいい? 」

「そのまま『ステータス開示』と唱えるのだ」

「 『ステータス開示』。・・・これでいいの? 」


 こっちから見たらなんの変化も無いが、どうやら黎月たちにも同じ画面が見えるようになったらしい。


「ほう、全属性か・・・。流石であるな」

「これはすごいわ! 」


 覗き込んでき白氷と紅羽が感嘆するが、私の意識は別のところへ向かっていた。


 ねえ、ちょっと質問! この後半三つの称号は何!? 半神とは!?


「どういうこと!? 」


 ぐるんっと振り向いた先には、黎月、白氷、紅羽、そして常世が勢揃いしている。


「どうもこうも、その通りよ。上がシエルの属性を表していて、下が称号を表しているのよ」

「そうなんだろうけど・・・、なんで半神になってるの! 」

「ああそれはね・・・。頼んだこと全部詰め込んで先にステータスを作ったら、高くなり過ぎちゃって。どの種族にしても体がステータスに対応しきれなくなっちゃったから、思いっ切って半神にしたのよ! いいアイデアでしょ! ・・・とのことよ」


 紅羽のモノマネが何気に上手い。


「じゃあこの称号は・・・」

「称号がどうかしたのか? 」

神々の愛子(アマデウス)世界の愛子(コスモ)とかいうのはさっき聞いた。神獣を従えし者(フェアトラーク)もなんとなくわかる。けど! 」

「けどなんだ? 」



「この悠久の時を生き抜く者(シエル)過去を仕舞いし者(メモリアル)は一体何!? 」



 かなり感情を込めて叫んだつもりだ。だけど、



「それは我らにもわからぬ」



 帰ってきた答えは否だった。


「我らとて、全知全能ではない。ただ他より少し長生きし、少し多くのことを知り、少し感覚が鋭敏なだけだ」


 常夜の重く低い声が、静かに言葉を紡ぐ。


「称号というのは魂に刻まれし刻印。創造神ティリアネ様がなぜそなたにその称号を与えたのか。否、もしかすると前の生で付いたものなのかもしれぬな。とにかく、我らにも知り得ぬことだ」


 前の生で付いた? つまり、地球にいたときにも称号を持っていたかもしれないってこと? 


 なるほど。でも地球では見る手段がないから、誰も存在を知らなかった訳か。










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