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お読みいただきありがとうございます!

「フェニックスとフェンリル・・・? はあ・・・」


 俺は今夢に中にいるのか? 


 幼い頃伝説やら英雄譚やらで聞きまくったのが今、目の前にいるのか?


「つかぬことをお伺いしますが、本物・・・」

「「「本物よ(だ)! 」」」

「・・・ですよね」



 嘘だろ!? こんなの聞いてないぞ!



「団長・・・」


 だめだ、聞こえてない。完全にフリーズしてる。


 だが、喋る点についても、異様に魔法を使い慣れている点についても、それでしか説明がつかない。「神獣だから」の一言に全て丸投げして思考を放棄したとも言う。



「言いたかったのはそれだけよ。私たちももう寝るわ! 」



 そうして自由気ままな彼らは、シエル殿の周りに群が・・・囲んで寝息を立て始めていた。


「団長! 」

「ん? あ、ああ。なんだ!? どこまで話が進んだんだ!? 」

「なにも進んでません」


 ほらと神獣たちを指差すと、団長は呆気にとられていた。



「神獣というのは、なんとも自由なものなのだな・・・」



***



 朝日が登る。普段はこの時間に起きているが、今日は違った。


「いやー、おはようございます! 」


 キラキラと汗を流すクラックさんの笑顔を見て、「まだ眠い」とはとても言えなかった。



 こんな早起きしたの前世ぶりだって。



 まだ空が薄暗いうちに騎士たちの騒ぐ声で起きた。外に出ると、そこにはいつもの穏やかな朝とは違う、むさ苦しい朝が広がっていた。


 上半身裸で打ち合いをする騎士たち。

 

 漫画では効果音までつけてかっこよく描かれるシーンかもしれないが、あいにくここには「かっこいい・・・」なんて言うヒロインもおらず、正直見てて暑苦しいだけだ。


「起きたか、シエルよ」

「ん? 」


 ふと声のした方に目を向けると、常夜が尻尾で剣を持ちながらあの怪我の酷かった騎士、ルアンさんと打ち合っていた。


「剣ができたんだ」

「まあな。やはり、しばらくやっていなかったから鈍っておるな」


 へぇー。常夜の尻尾、たぶんこの世のどの生物の尻尾よりも役に立ってるな。


「というか、ルアンさんは怪我もう大丈夫なの? 」


 包帯がグルグル巻きのままだ。だけど、周りの隊士は誰ひとり気にしていない。


「ああ、このぐらいもう大丈夫ですよ! ほら、もう血は止まりましたし! 」

「いや、血が止まればいいって話じゃないんだけど」

「? 血さえ止まれば、いくらでも動けるようになるんじゃないですか? 」

「強ッ・・・」


 ルアンさん、隠れた超人だったか。



「ハーフドラゴニアならば当たり前ではないのか? 」



「なにそのドラゴン? みたいなの」

「ドラゴニアだ」


 なんかすごくファンタジー。実際ファンタジーなんだけど。


「そのドラゴニアって? 」

「竜獣人のことだ」

「じゃあハーフドラゴニアって・・・」

「その者のような、ドラゴニアと他種族の混血のことだ」

「僕ですか? 」

「ルアンさんハーフドラゴニアだったんだ」



「は?・・・え!? 僕がハーフドラゴニアですか!? 」



 この反応には私もびっくりだ。同じように常夜も意外そうな顔をした。


「あれ、知らなかったの? 」

「気づいてなかったのか? 」


「気づくわけないじゃないですか! 」


「そもそも人間でその回復力はおかしいだろう」


 やっぱりおかしいんだ。


「親からなにも聞いていないのか? 」

「・・・親はいません。僕は孤児だったんです」


 だから知らなかったのか。



「なるほど、そういうことか。ではもう一つ伝えてやろう。そなたは今まで自分のことを人間だと思っていたようだが、もう半分も人間ではないぞ? 」

「へ? 」

「正確に言うと、四分の一は人間だ」


 ここまで来ると、もう私は話を聞いているだけで、口を出さなくなった。常夜の次の言葉は、ルアンさんをより驚愕させるだろう。



「そなたはドラゴニアとハーフエルフの混血だ」



「そんな・・・。でも、僕耳丸いですよ!? 」

「恐らくハーフエルフの方からの遺伝だろう」

「・・・」


 ルアンさんは口を開けたまま呆然としていた。










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