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ここは神界。神々が集い、人間と同じように、日々デスクに積み重なる仕事に追われている。
その一角で休憩を取っていた時空管理神クロノスは、ふと嫌な予感を抱いた。
「ん? どうした? 」
ガタッと立ち上がったクロノスに、となりにいた冥界管理神オシリスが驚く。
「ちょっと見てくる」
そう言ってクロノスは消えた。
***
しばらくして戻ってきたクロノスに、再びオシリスが声をかける。難しい顔をしたクロノスを見れば、なにかあったことぐらい、すぐにわかる。
「時空の帯に裂け目ができていた」
「マジかよ・・・。何個落ちたんだ? 」
「ざっと十個ぐらいは」
「うわっ、修復担当のゼーレが可哀想だよ。で、それはなんだ? 」
クロノスが手に持っている魂を指差しながら、ヘルメスが聞いた。
「落ちるところで受け止めた」
「ふーん。なあ・・・」
じっとその魂を見たヘルメスはなにか言おうとしたものの、口籠る。
「まあいいや。どうするんだ、それ? 」
「どこかに転生させるつもりだが? 」
「だったらちゃんと申請出せよ、法律変わったからな! あ、それと念のためゼーレに見せておけ」
「わざわざ言わなくてもわかってる」