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58.ベン様の過去

「まず、ベン様の性格を分析しましょう」

「はい!」


 ナターシャさんは自信ありげな表情を浮かべて、とても心強く思う。

 ベン様に愛していると言われることを考えると、やる気が一気に湧いてきた。


「こんな感じですかね?」


 一通り思い当たる特徴を挙げると、改めてベン様の特徴がわかった気がする。

 普段は冷静であまり感情を面に出さない性格のベン様に好きと言ってもらうことはかなり難しい。


「それでも、希望はあります」

「本当ですか!?」


 私と結婚してからはかなり本心から笑っているとナターシャさんは説明する。

 そんな言葉に自然と頬は紅潮した。

 

「幼い頃から笑顔の少ないベン様を幸せにしたのはアイラ様です」


 ナターシャさんは「だから、誇ってください」と付け加える。

 強い眼差しで言われると、私は赤く染まった頬を手で押さえて照れを隠す。


 ナターシャさんが言うには、ベン様は公爵家に生まれて厳しく育てられたらしい。

 小さな頃からずっと本心を見せず、作り笑いを浮かべていた。

 

「そうなんですね……」

「だから、ベン様の人生を彩ったアイラ様にはとても感謝をしています」


 そう言ってナターシャさんは優しく私の手を握る。


「大丈夫です。絶対に成功します」

「そうですか?」

「えぇ。私が保証します」


 ナターシャさんの想いを聞いて、絶対に成功させると心に誓った。


「アイラ様はベン様にとって、とても素敵な奥さんですよ」

「ありがとうございます……」


 心の中がぽかぽかと暖かくなって、そのままベン様のいる部屋に向かう。

 お仕事の途中だと心配していたが、ちょうど紅茶を飲んで休憩をしていた。


「どうかしたのか?」

「少しベン様と一緒に居たくて」


 いつも一緒に居るはずなのに、心臓の鼓動は激しく音を立てている。

 息が詰まるほどの苦しさに胸元を掴む。

 それでも、前に進まないとダメだと自分に言い聞かせて、ベン様の肩に頭を乗せる。


「今日はやけに距離が近いな……」

「そういう気分なのです」

「そうか」


 ベン様に優しく頭を撫でると、安心していつの間にか眠ってしまっていた。

 目を覚ますとベン様のコートが布団がわりにかけられている。

 

「起きたか」


 夕焼けに照らされているベン様の表情はとても綺麗だった。

 結局何も出来ずに終わりそうな一日に焦りが募っていく。


「体調は大丈夫か?」


 そう言って気遣ってくれるベン様はやっぱり優しい。

 大切にされているという実感がとても幸せに感じた。

 自分の気持ちを再確認すると、ゆっくりとベン様に歩み寄る。


「ベン様」


 私はベン様を強く抱きしめた。

 目を強く瞑って、ベン様に口付けをする。


「愛しています」


 柔らかい感触が唇に伝わって、頭の中は幸せでいっぱいになった。

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