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54/83

53.ビーチにて

 ベン様はシャツを脱ぎ捨てて、私のいる方へ走り出す。

 程よく引き締まった腹筋は絶妙なバランスを保っていて、芸術的と言えた。


「真剣に見られると小っ恥ずかしいな……」


 そう言いながら、塩水に触れるベン様はとても絵になっている。

 温かい風に吹かれて、冷たい海水に触れて楽しんでいると、水飛沫が飛んできた。


「何をしている!?」

「ご、ごめんなさい!!」


 ベン様はすぐに私を抱きかかえて、水飛沫の方向へ睨みを効かせる。

 守られていると実感すると、とても幸せにな気分になった。


「大丈夫か?」

「はい! 平気です!」

「それなら良かった」


 そう言って安心したような表情を浮かべるベン様を見て、とても大切にされていると実感する。


「カーディガンが濡れてしまったな」

「そう……ですね」


 ベン様にカーディガンを手渡すと、水着だけになってしまう。

 一生懸命に選んだ水着を可愛いと言ってもらえるかドキドキしながらベン様を見つめる。


「どう……ですか?」

「とても綺麗だよ」

「ありがとうございます」


 照れているベン様を見ると、この水着にして良かったと安心感で胸の中が埋め尽くされた。

 何かある度にベン様は私のことを褒めてくれる。

 何度褒められても、ドキドキや嬉しさは薄くならない。


「アイラは泳げるか?」

「うーん。初めてなので分かりません」


 ベン様は少し深いところで海水に浮かんでいる。

 とても気持ちよさそうにしていて、羨ましいと思った。


「でも、やってみたいです!」

「あぁ。一緒に泳ごう」


 ベン様は私の手を弾いて、砂浜から段々と離れていく。

 段々と浮いていく感覚は心地いいと感じる。

 ゆっくりと体を浮かせて足を動かすと、前に進む。


「いい感じだ」

「そうですか?」

「あぁ。アイラはとても器用だな」


 そう言ってベン様は私の手を強く握る。

 そのまま近くでゆっくりと泳いでいると、少しずつ体が重たくなってきた。


「疲れてきたか?」

「少しだけ……」


 もう少し遊んでいたい気持ちはあるけど、疲れには勝てない。

 ゆっくりと砂浜に向かって泳いでいくと、急に体が重く感じた。

 足はふらふらとして力が入らず、倒れそうになってしまう。


「大丈夫か?」

「はい……」


 ベン様が私を支えてくれたお陰でなんとか助かった。

 そのままホテルに戻ると、一気に疲れが襲いかかってくる。

 ベッドに倒れ込んでしまうと、なかなか起き上がれない。


「今日はゆっくり休もう」

「はい……」


 ベン様は優しく私の頭を撫でると、眠気が我慢できなくなってしまう。

 頭でベン様の手の暖かさを感じながら、私は眠りに就く。

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