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41.デートに向けて

 音楽団での練習を終えて片付けをしていると、ジュルアが目に入る。


「ジュルア!」

「どうかなさいました?」

「ちょっと相談して良い?」


 ピアノから意識が離れると、ずっと動物園に行くことばかりが頭の中に浮かんでいた。


「ジュルアって動物園に行ったことある?」

「実家の商店でお得意先の貴族様に招待されて行ったことがあります」

「本当!? どうだった?」


 ジュルアから話を聞いていると、首の長い動物や大きな鳥がいるらしい。


「すごい! 行くのが楽しみ!」

「ベン様と行くのかしら?」

「よく分かったね!」


 ジュルアは得意げな表情を浮かべた。


「だって、アイラの顔にベンさんが好きって出てるもの」

「そうなの!?」


 指摘をされると、途端に頬が赤くなってしまう。

 口から火を噴く吹く程に顔が熱い。


「初心で奥手なのも、アイラは可愛らしいわ」

「うぅ……」


 ジュルアの優しい目線が逆に痛く感じてしまう。

 

「アイラがお弁当を作ったら、きっとベン様も喜ぶわ」

「そう!? 頑張ってみる!」

「ええ。また感想を聞かせてちょうだい」


 ジュルアにお礼を言って、公爵邸に戻る馬車に揺られる。

 ベン様の肩に頭を預けながら、お弁当ってどんなものを作ろうか悩む。


「ただいまです!」

「おかえりなさいませ」


 そんなことを考えているとあっという間に時間が過ぎて、公爵邸に到着した。

 自分で答えが出なかったから公爵家に勤めるコックさんに相談すると、快く手伝うと言ってくれる。


「もしアイラ様が包丁で怪我でもしてしまうと怖いのでね」

「うっ……確かにそうですね……」

「大丈夫ですよ。アイラ様ならきっと美味しいお弁当が作れます」


 笑顔を浮かべるコックさんはとても頼もしいように見えた。


「それでは、当日の朝は早起きをして作らなければいけませんね」

「起きれるかな?」

「大丈夫ですよ。楽しみで自然と目が覚めるはずです」


 コックさんの言葉に私は大きく首を振って頷く。

 

「楽しみだなぁ」

 

 毎日そんなことを考えながら過ごしていると、動物園に行く日が遠く感じる。

 待ちに待った当日がやってくると、自然と陽が昇るタイミングで目が覚めた。


「よしっ、頑張るぞ!」


 頭は期待感でいっぱいになっている中で厨房に向かう。

 厨房には既にコックさんが三人立っていた。


「今日はお弁当の中でも定番のサンドウィッチを作りましょう」

「はい!」


 コックさんに手伝われながら、料理を進めていく。


「ゆっくり落ち着いて切れば、成功しますよ」


 人生で初めて包丁を持ったから、上手くいくかどうか心配でドキドキする。

 それでも、上手く行ったからホッと胸を撫で下ろす。


「出来た!」

「おっ、良い感じですね」


 サンドウィッチを始め、野菜炒めやトマトチキンを箱に詰める。

 完成した弁当箱は色とりどりで、私は目を輝かせた。


「やったぁ! これでベン様も喜んでくれるかな?」

「ええ。ベン様もきっと嬉しいと思いますよ」


 私は弁当箱を大切に布で包む。

 そのままの勢いで身支度を整えると、ベン様が起きてきた。


「今日は起きるのが早いね」

「だって今日は動物園に行きますから!」

「俺も楽しみだ」


 そう言って笑みを浮かべるベン様を見て、期待感で胸の中がいっぱいになった。

「続きが気になる!」「アイラちゃん楽しみだね!」と思っていただけたのなら、ブックマークと下の☆☆☆☆☆を★★★★★にして応援頂けると励みになります!

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